労働衛生(有害業務)47第一種局所排気装置・保護具

衛生管理者 労働衛生(有害業務) 問47:局所排気装置・保護具

防じんマスクの規格・種類・性能に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 国内で使用される防じんマスクは「防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)」に基づき規格品として使用することが義務付けられており、外国製の防じんマスクであっても同等以上の性能が証明されていれば規格品として認められる場合がある。正答
  • 防じんマスクの等級区分は捕集効率によって分類されており、最も捕集効率が高い等級は「DS3」または「RS3」と表示されるが、これらの捕集効率は95%以上であり、99%以上の性能は保証されていない。
  • 防じんマスクの「RL2」は、ろ過材の捕集効率が80%以上であるが、DS1(使い捨て式・等級1)より捕集効率が低い。
  • 防じんマスクの性能試験において「漏れ率(ろ過材の捕集効率不足による漏れ)」と「面体漏れ(顔面との密着不良による漏れ)」は別々に評価されており、規格では「総漏れ率(ろ過材漏れ+面体漏れの合計)」が最終的な防護性能の指標として設定されている。
  • 防じんマスクは有害なミスト(液状の有害物質の微小液滴)に対しても有効であり、防じんマスクのみですべての気体状有害物質(ガス・蒸気)についても防護できる。
正答:国内で使用される防じんマスクは「防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)」に基づき規格品として使用することが義務付けられており、外国製の防じんマスクであっても同等以上の性能が証明されていれば規格品として認められる場合がある。

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正しいのはアです。国内で使用する防じんマスクは「防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)」に適合する製品の使用が義務付けられており(安衛法第42条)、外国製品でも国内規格と同等以上の性能が確認されれば使用可能です。

各誤りの要点:イ→DS3・RS3の捕集効率は99.9%以上(95%以上ではない)。ウ→RL2の捕集効率は95.0%以上(DS1=80%以上よりRL2の方が高い)。エ→防じんマスクの規格では「ろ過材の捕集効率」と「面体内の陰圧・陽圧でのクリフィット試験」が別々に規定されており「総漏れ率」という一本化した指標ではなく個別の試験項目が設定されている(エの記述は英米の規格概念と混在した誤り)。オ→防じんマスクはガス・蒸気を吸着・除去する機能はない(気体状有害物質には防毒マスクが必要)。

標準試験対策の基準レベル

防じんマスクの種類・等級・捕集効率の一覧:

| 型式 | 種類 | 等級 | ろ過材捕集効率 |

|---|---|---|---|

| DS1 | 使い捨て式(Disposable System) | 1 | 80.0%以上 |

| DS2 | 使い捨て式 | 2 | 95.0%以上 |

| DS3 | 使い捨て式 | 3 | 99.9%以上 |

| RS1 | 取替え式(Replaceable System) | 1 | 80.0%以上 |

| RS2 | 取替え式 | 2 | 95.0%以上 |

| RS3 | 取替え式 | 3 | 99.9%以上 |

| RL1 | 取替え式・液体粒子(DOP)で試験(L系) | 1 | 80.0%以上 |

| RL2 | 取替え式 | 2 | 95.0%以上 |

| RL3 | 取替え式 | 3 | 99.9%以上 |

(捕集効率は区分の数字で決まり、固体粒子用(S系・NaCl試験)も液体粒子用(L系・DOP試験)も同じ:区分1=80.0%・区分2=95.0%・区分3=99.9%)

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 安衛法第42条「保護具等の規格」規定に基づき、防じんマスクは労働省(現厚生労働省)告示の規格に適合するものを使用することが義務。外国製品でも同等以上の性能証明があれば認められる(JIS T8151等の試験による認定)。
  • イ(誤): DS3・RS3の捕集効率は99.9%以上(95%以上は誤り)。捕集効率は数字が大きいほど高い性能を示します。
  • ウ(誤): RL2の捕集効率は95.0%以上(DS1の80%以上より高い)。選択肢ウは「RL2が80%以上」かつ「DS1より低い」としているが、いずれも誤り。捕集効率は区分の数字で決まり、区分1(80%)<区分2(95%)<区分3(99.9%)という序列で、S系・L系で同じです。RL2(区分2=95%)はDS1(区分1=80%)より高い。
  • エ(誤): 日本の防じんマスク規格(JIS T8151・昭和63年労働省告示)では「ろ過材の捕集効率」と「顔面密着性試験(クリフィット試験等)」が別々に規定。米国NIOSH規格やEN規格の「Assigned Protection Factor(APF)」の概念と混同した誤りです。
  • オ(誤): 防じんマスクはろ過材で固体・液体の粒子(ダスト・ヒューム・ミスト)を捕集しますが、ガス・蒸気(分子レベルの物質)はろ過材の繊維の隙間を素通りします。ガス・蒸気の防護には吸収缶付きの防毒マスク(または防じん防毒兼用マスク)が必要です。
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

防じんマスクの性能分類体系(DS/RS/RL・等級1〜3)は、保護具の性能を標準化して「作業環境の粉じん濃度・有害物質の毒性・作業強度」に応じた適切な保護具選択を可能にするための規格体系です。等級が高い(数字が大きい)ほど捕集効率が高く(密な繊維・静電気加工等)、より有害性の高い粉じんに使用するべきとされています。

等級ごとの捕集効率の詳細と適用場面:

  • 等級1(80%以上):比較的毒性が低い粉じん(木粉・綿粉じん等)への使用
  • 等級2(95%以上):一般的な有害粉じん(金属粉じん等)への標準的な選択。固体粒子用(S系)も液体粒子用(L系)も区分2の捕集効率は同じ95.0%以上
  • 等級3(99.9%以上):有害性が高い粉じん(石綿・放射性粉じん・発がん性金属ヒューム等)への使用が推奨。特に石綿除去作業では国際的にFF100(欧州規格)・P100(米国規格・捕集効率99.97%以上)相当の高性能防じんマスクの使用が標準

防じんマスクと防毒マスクの適用範囲の区別:

| 保護具 | 対象 | 対象外 |

|---|---|---|

| 防じんマスク | 固体粒子(ダスト・ヒューム)・液体粒子(ミスト) | ガス・蒸気 |

| 防毒マスク(吸収缶) | ガス・蒸気 | 固体・液体粒子(ただし兼用型あり) |

| 防じん防毒兼用マスク | 粒子+ガス・蒸気(両方) | — |

| 電動ファン付き保護具(PAPR) | 粒子(または粒子+ガス・蒸気) | — |

【実務・条文構造】

防じんマスクの選定基準(粉じん障害防止規則・特化則等による義務的要件):

粉じん則による防じんマスク着用義務:

  • 特定粉じん作業(遊離珪酸7%以上):RS2以上(捕集効率95%以上・取替え式)または同等以上の防じんマスク
  • 一般粉じん作業:DS1・RS1以上の防じんマスク(作業の有害性に応じて等級を選択)

石綿作業での特別規定(石綿則第14条):

  • 石綿等の取扱い・除去作業:RS3またはDS3以上(捕集効率99.9%以上)の防じんマスクが義務的に必要
  • 電動ファン付き保護具(PAPR)も使用可能(RS3相当以上の性能が求められる)

放射性粉じん作業(電離則):

  • RS3(99.9%以上)または電動ファン付き保護具(PAPR)が使用される

防じんマスクの定期的な点検・管理(安衛則第593条・JIS T8151):

  • 使用前点検:外観(亀裂・変形・汚損)・ろ過材の状態確認
  • フィットチェック(毎回装着時):陰圧チェックで密着確認
  • 取替え式(RS/RL系):ろ過材の目詰まり(呼吸抵抗の増加)が起きたら交換
  • 使い捨て式(DS系):1回使用後廃棄(洗浄再使用は禁止)

【試験での位置づけ】

防じんマスク問題の最頻出は「DS3・RS3の捕集効率は99.9%以上(95%ではない)」「DS型(使い捨て)は再使用禁止(洗浄不可)」「防じんマスクはガス・蒸気を防護できない(防毒マスクが必要)」「石綿作業にはRS3以上が義務」「RL2の捕集効率はDS1より高い(99%>80%)」の5点です。イのような「DS3が95%以上」という捕集効率の誤りとウのような「RL2がDS1より低い」という大小関係の誤りは典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 外国製防じんマスクの国内での使用については、日本の「防じんマスクの規格」(告示)に準じた試験での性能確認、またはJIS T8151(防じんマスク)の試験方法での同等性確認が求められます。近年、欧州規格(EN149のFFP2・FFP3)や米国規格(NIOSH N95・P100)のマスクが国内でも使用されるケースが増えており、規格の等価性(FFP2≒DS2・P100≒DS3等)についての知識が実務で重要になっています。
  • イ: DS3(99.9%)という高捕集効率を達成するために、現代の防じんマスクは「静電気繊維(electrostatically charged fiber)」技術が使用されています。繊維自体が帯電していることで、繊維に接触しない粒子(拡散・静電誘引による)も捕集できます。ただし静電気繊維は水・有機溶剤・高湿度環境で電荷が失われると性能が低下します。
  • ウ: 防じんマスクの記号は「R=取替え式(Replaceable)/D=使い捨て式(Disposable)」+「S=固体粒子用(NaClで試験)/L=液体粒子用(DOP=フタル酸ジオクチルで試験)」+「区分1〜3(捕集効率80/95/99.9%)」で構成されます。L系(RL・DL)は液体粒子(オイルミスト等の油性エアロゾル)でも試験に合格しており、油性粉じんに対しても性能が保証される規格です。捕集効率の数値自体はS系・L系で同じ(同じ区分なら同一)であり、RL2はDS1より高い(95%>80%)。
  • オ: ミスト(液体の微小液滴)は防じんマスクで捕集可能ですが、揮発性の溶剤が混在するミスト(例:塗料スプレーから生じる溶剤ミスト)では、ミスト成分は防じんマスクで捕集できても溶剤の蒸気成分はマスクを素通りします。このような場合は防じん防毒兼用マスクが必要です。

【根拠】防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)・JIS T8151・安衛法第42条。捕集効率の区分は区分1=80.0%以上・区分2=95.0%以上・区分3=99.9%以上で、固体粒子用(S系)も液体粒子用(L系)も同じ(DS3/RS3/DL3/RL3=99.9%以上・RL2/DL2/RS2/DS2=95.0%以上・DS1/RS1/DL1/RL1=80.0%以上)。石綿則第14条(石綿作業ではRS3以上の義務)。

【補足】ア(正): 外国製防じんマスクも同等以上の性能証明で使用可能。イ(誤): DS3・RS3の捕集効率=99.9%以上(95%以上ではない)。ウ(誤): RL2=95.0%以上>DS1=80%以上(RL2の方が高い・選択肢の「RL2が80%以上」も誤り)。オ(誤): 防じんマスクはガス・蒸気を防護できない(防毒マスクが必要)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)・安衛法第42条(保護具の規格への適合義務)。防じんマスクの規格・等級区分(DS/RS・等級1〜3)・捕集効率の基準(DS3/RS3=99.9%以上)・外国製認定は確立した規格の知識。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

防じんマスクの規格区分・RL/DS/RS型・捕集効率と漏れ率頻出度A

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科目別に解いて、衛生管理者に合格

関係法令・労働衛生・労働生理を355問。第一種・第二種対応。各問に根拠法令とAI解説(3レベル)付き。