基本情報 平成21年度 春期 問34:テクノロジ系に関する問題
媒体障害発生時にデータベースを復旧するために使用するファイルは主に二つある。 ーつはパックアップファイルであるが, あと一つはどれか。
- aトランザクションファイル
- bマスタファイル
- cロールパックファイル
- dログファイル正答
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答えは d「ログファイル」 です。
データベースが壊れたとき、復旧には2つのファイルが必要:
1. バックアップファイル(昨日の夜まるごと保存したコピー)
2. ログファイル(昨日のバックアップ後に「誰が何をしたか」の記録)
この2つを組み合わせて「バックアップから戻して、その後の操作をログで再現」すると最新の状態に戻せます。
👉 覚え方:「バックアップ+ログ=完全復旧」。ノートのコピー+その後のメモがあれば全部復元できる!
ほかの選択肢:a トランザクションファイル(処理データ)/b マスタファイル(基本データ)/c ロールバックファイル(取消用、復旧の主役ではない)。
なぜこれが正解か
正解は d。媒体障害(ディスク破損等)からの復旧では、最終バックアップ取得時点までの状態を戻したあと、それ以降のトランザクション内容をログファイル(ジャーナル)に基づいて再実行(ロールフォワード)することで、障害直前の状態まで復元する。バックアップ単体では取得時点までしか戻せず、ログがあって初めて最新復旧が成立する。
各選択肢の解説
- a トランザクションファイル:業務処理データ自体であり復旧用ではない。
- b マスタファイル:基本データ。復旧の対象であって復旧手段ではない。
- c ロールバックファイル:トランザクションのキャンセル(取消し)用で、媒体障害復旧の主役ではない。
覚え方・ひっかけ注意
障害種別と復旧法のセット:トランザクション障害→ロールバック、システム障害→チェックポイントから再開(ロールフォワード/ロールバック併用)、媒体障害→バックアップ+ログでロールフォワード。FEではこの3区分が必出。
理論的背景
DBMSのリカバリはARIES(Algorithm for Recovery and Isolation Exploiting Semantics)に代表されるWAL(Write-Ahead Logging)原則に基づく。すなわち「データを変更する前に必ずログを永続化する」ことで、障害時にログから状態を再構築できる。ログにはUndoログ(更新前イメージ、取消用)とRedoログ(更新後イメージ、再実行用)があり、媒体障害には主にRedoログを使ったロールフォワードで対処する。チェックポイントは復旧時間短縮のため定期的にメモリ上のダーティページをディスクに書き出すマーカ。
実務での使われ方
OracleのREDOログ+アーカイブログ、PostgreSQLのWAL、MySQL InnoDBのredo log(ib_logfile)/binlog、SQL Serverのトランザクションログがいずれもこの原理で動作。クラウドDB(AWS RDS、Aurora)ではログをS3に継続的に転送し、Point-In-Time Recovery(PITR)で任意時点に復元できる。Auroraは「The log is the database」というキャッチコピーで、ログ自体をストレージ層に押し込む設計が斬新。
試験での位置づけ
FE科目AではDB復旧用ファイルの選択問題、データベーススペシャリスト試験ではARIESアルゴリズム・WAL・チェックポイントの動作詳細、ロールフォワード/ロールバックの境界条件が頻出。情報処理安全確保支援士でもログ管理(改ざん防止、保管期間)の観点で扱われる。
選択肢の発展補足
バックアップ方式の整理:フルバックアップ(全データ)、差分バックアップ(前回フルからの変更分)、増分バックアップ(前回任意バックアップからの変更分)。復旧時間と保存容量のトレードオフを問う問題が午後でよく出る。RTO(目標復旧時間)・RPO(目標復旧時点)と組み合わせた設計問題は応用情報以上で論述対象。災対の観点では遠隔地レプリケーション(同期/非同期)も必須。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成21年度 春期 問34/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。