基本情報 平成22年度 春期 問39:テクノロジ系に関する問題
ディジタル署名に用いる鍵の種別に関する組合せのうち, 適切なものはどれか。 ディジタル署名の | ディジタル暑名の 作成に用いる鍵 | 検証に用いる鍵
- a| 共通鍵 秘密鍵
- b| 公開鍵 秘密鍵
- c| 秘密鍵 共通鍵
- d| 秘密鍵 公開鍵正答
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答えは d「秘密鍵で署名、公開鍵で検証」 です。
デジタル署名は「手書きサインの電子版」。自分しか持っていない秘密鍵で書類にサインして、相手は誰でも見られる公開鍵で「本当にこの人が書いたか」を確かめる仕組み。
- 署名(作成):本人だけが持つ秘密鍵でする(他人にはできない=本人保証)
- 検証:誰でも入手できる公開鍵でできる(誰でもチェック可能)
👉 覚え方:「サインは秘密鍵、確認は公開鍵」のセット。
ほかの選択肢は組合せが入れ替わっているので不正解。共通鍵は暗号化の話、デジタル署名には使わない。
なぜこれが正解か
正解は d。デジタル署名は公開鍵暗号方式を利用:
- 署名作成:送信者の秘密鍵でメッセージのハッシュ値を暗号化(=署名)。秘密鍵は本人のみ所有のため、なりすまし不可。
- 署名検証:受信者は送信者の公開鍵で署名を復号し、自分で計算したハッシュ値と比較。一致すれば「本人が送ったメッセージで改ざんもない」と確認できる。
各選択肢の解説
- a 共通鍵-秘密鍵:共通鍵を使う場合、共通鍵は両者で同じ鍵を共有するためなりすまし防止できない。
- b 公開鍵-秘密鍵:誰でも署名できてしまい本人保証にならない(逆)。
- c 秘密鍵-共通鍵:検証に共通鍵を使えないため不適。
- d 秘密鍵-公開鍵:正解。
覚え方・ひっかけ注意
公開鍵暗号の2用途:暗号化=受信者の公開鍵で暗号化、受信者の秘密鍵で復号(秘匿性)/デジタル署名=送信者の秘密鍵で署名、送信者の公開鍵で検証(真正性)。「暗号化は受信者の鍵、署名は送信者の鍵」と利用者を区別。
理論的背景
デジタル署名の代表アルゴリズム:RSA-PSS(PKCS#1 v2.x、Probabilistic Signature Scheme、決定的RSAより安全)、DSA(Digital Signature Algorithm、FIPS 186)、ECDSA(Elliptic Curve DSA、楕円曲線、鍵長短く効率的)、EdDSA(Edwards-curve DSA、Ed25519/Ed448、決定的・高速・サイドチャネル耐性)。署名対象はメッセージ全体ではなくハッシュ値(SHA-256/SHA-384/SHA-3)に対して行うのが標準で、ハッシュ関数の衝突耐性が前提。PKI(Public Key Infrastructure)は公開鍵の真正性をX.509証明書+CA(認証局)の階層的信頼で保証する。証明書は所有者ID・公開鍵・有効期限・CAの署名を含み、ブラウザはルートCAストアで信頼の起点を持つ。
実務での使われ方
HTTPS(TLS)はサーバ証明書のデジタル署名で本人確認。Let's Encrypt(無料、自動更新ACMEプロトコル)がドメイン認証証明書(DV)を民主化。コード署名証明書(Authenticode、Apple Developer ID)はソフトウェア配布で改ざん検知・配布元確認。S/MIMEはメール署名・暗号化、PGP/GPGは分散信頼(Web of Trust)モデル。ブロックチェーンの全トランザクションはECDSA署名で本人性を保証(Bitcoin、Ethereumの全取引)。電子契約サービス(DocuSign、Adobe Sign、クラウドサイン)も内部はデジタル署名+タイムスタンプ。eシール(組織の電子印鑑、EU eIDAS規則)、長期署名(PAdES、CAdES、XAdES、JIS X 5092)は法的長期保管対応。
試験での位置づけ
FE科目Aで署名・暗号化の鍵使い分けが必出。情報処理安全確保支援士・応用情報ではPKI設計、証明書失効(CRL、OCSP、OCSP Stapling)、HSM(Hardware Security Module)、鍵管理(KMS)、量子計算機脅威への耐性(耐量子暗号PQC:CRYSTALS-Kyber、CRYSTALS-Dilithium、SPHINCS+)が深く問われる。
選択肢の発展補足
関連概念:ハイブリッド暗号(共通鍵暗号で本文を高速暗号化、共通鍵自体を公開鍵暗号で交換)がTLSの基本動作/鍵交換プロトコル(DH、ECDH、X25519、PQC)/前方秘匿性(PFS、過去通信が将来鍵漏洩で復号されない性質)。ゼロ知識証明(ZKP、zk-SNARK、zk-STARK)はブロックチェーンスケーリング(zk-Rollup)、プライバシ保護認証(Anonymous Credentials)で実用化。マルチパーティ計算(MPC)、準同型暗号(FHE、暗号化したまま演算)はPrivacy-Preserving Computingの先端領域。Post-Quantum Cryptography(耐量子暗号)はNIST標準化が2024年に最終決定し、TLS 1.3でのハイブリッド導入が始まっている(CECPQ2、X25519Kyber768)。FE午後・情報処理安全確保支援士で頻出の現代暗号トピック。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成22年度 春期 問39/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。