基本情報 平成28年度 春期 問13:テクノロジ系に関する問題
3 層クライアントサーバシステム構成で実現した Web システムの特徴として, 適 切なものはどれか。
- aHTML で記述されたプログラムをサーバ側で動作させ, クライアントソフトは その結果を画面に表示する。
- b業務処理の変更のたびに, Web システムを動作させるための業務処理用アプリ ケーションをクライアント端末に送付し, インストールする必要がある。
- c業務処理はサーバ側で実行し, クライアントソフトは HTML の記述に従って, その結果を画面に表示する。正答
- dクライアント端末には, サーバ側からの HTTP 要求を待ち受けるサービスを常 駐させておく必要がある。
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答えは c「業務処理はサーバ側で実行し、クライアントはHTML結果を表示」 です。
3層クライアントサーバとは「役割分担を3つに分ける」設計:
- クライアント(PC・ブラウザ):画面表示だけ
- アプリケーションサーバ:業務処理(計算・判定)
- DBサーバ:データ保管
Webシステムなら、PCのブラウザはサーバが作ったHTMLを見るだけ。重い処理は全部サーバ側でやります。
👉 覚え方:「画面はクライアント/処理はサーバ/データはDB」の3分担。
ほかの選択肢:a HTMLはプログラムじゃない/b 業務処理用アプリのインストール不要なのがWebの強み/d クライアントは待ち受けない(要求するのはクライアント側)。
なぜこれが正解か
正解は c。3層クライアントサーバシステムはプレゼンテーション層/ファンクション層(業務処理)/データ層の3階層構成。Webシステムでは、クライアント(ブラウザ)はプレゼンテーション層を担当しHTML描画のみ実行、業務処理はWebアプリケーションサーバが、データ管理はDBサーバが担う。これによりシンクライアント化が実現する。
各選択肢の解説
- a HTML記述プログラムをサーバ動作:HTMLはマークアップ言語であってプログラムではない。サーバ動作するのはPHP・Java等のサーバサイド言語。
- b 業務処理アプリをクライアント送付:これは2層C/S(ファットクライアント)の特徴で、3層Webシステムの利点と矛盾する。
- c 業務処理はサーバ、クライアントはHTML表示:正解。3層Webの本質。
- d クライアントにHTTP要求待受サービス常駐:要求するのはクライアントで、待ち受けるのはサーバ側。役割が逆。
覚え方・ひっかけ注意
「3層=表示・処理・データの分離」。2層C/Sはクライアントに業務ロジック配備で更新が大変、3層WebはHTML表示のみで更新不要=保守性向上が最大メリット。bは2層C/S、dはサーバ役割の混同で誤り。
理論的背景
3層アーキテクチャは1990年代後半にMVC(Model-View-Controller)と並んで提唱された分散システムの基本設計思想。各層は明確な責務分離(SoC: Separation of Concerns)と疎結合化を実現し、各層を独立にスケール・更新可能にする。プレゼンテーション層(UI)/ビジネスロジック層(業務ルール)/データアクセス層(永続化)の3分割が標準。
実務での使われ方
現代のWebアーキテクチャでは:
- プレゼンテーション層:React/Vue/Next.js(ブラウザ)+CDN/API Gateway
- アプリ層:Node.js/Spring/Rails/FastAPI(ロードバランサ配下に水平スケール)
- データ層:PostgreSQL/MySQL+Redis(キャッシュ)+S3(オブジェクトストレージ)
さらにマイクロサービスアーキテクチャでアプリ層を機能別に分割、CQRSでRead/Write分離、イベント駆動で疎結合化、と進化している。サーバレス(Lambda等)ではアプリ層を関数粒度で分解する設計も普及。
試験での位置づけ
システム構成分野の頻出テーマ。基本情報では3層C/Sの基本理解、応用情報・データベーススペシャリスト・ネットワークスペシャリストでは負荷分散・冗長化・セッション管理・キャッシュ戦略まで踏み込む。SPA(Single Page Application)・SSR(Server-Side Rendering)・JAMstack等の現代Webアーキテクチャ用語も近年出題。
選択肢の発展補足
各層の典型課題:
- プレゼンテーション層:CDN活用・画像最適化・Core Web Vitals
- アプリ層:水平スケール・サーキットブレーカー・バルクヘッド
- データ層:シャーディング・レプリケーション・Read Replica
セキュリティ面では各層に異なる脅威モデルが存在:プレゼンテーション層はXSS/CSRF、アプリ層は認証・認可・SQLインジェクション、データ層は暗号化・アクセス制御。ゼロトラストアーキテクチャでは層間通信も常に認証・暗号化する設計が主流化。基本情報の知識を起点に、現代的アーキテクチャへの拡張理解が応用情報以上で問われる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問13/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。