基本情報 平成29年度 秋期 問24:テクノロジ系に関する問題
音声おどのアナログデータをディジタル化するために用いられる PCM において, 音の信号を一定の周期でアナログ値のまま切り出す処理はどれか。
- a逆量子化
- b標本化正答
- c符号化
- d量子化
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答えは b「標本化」 です。
アナログ→デジタル変換は 「標本化 → 量子化 → 符号化」 の3ステップ。
音などの「なめらかな波」を一定間隔でポンポンと点で測るのが標本化(サンプリング)。例えば1秒に4万4100回測る、みたいなイメージです(CDの44.1kHz)。
👉 覚え方:3ステップは「ひょう・りょう・ふごう」(標・量・符)。
ほかの選択肢:a 逆量子化=量子化の逆処理(再生時)/c 符号化=測った値を0と1の並びにする/d 量子化=測った値を段階値に丸める。
なぜこれが正解か
正解は b。PCM(Pulse Code Modulation)におけるアナログ→デジタル変換の3工程は (1) 標本化(sampling)→ (2) 量子化(quantization)→ (3) 符号化(encoding)。標本化は「一定の周期でアナログ信号の値をアナログ値のまま切り出す(瞬時値を取り出す)」工程で、本問の問いに合致する。
各選択肢の解説
- a 逆量子化:再生時に量子化レベルを元の値域に戻す逆処理。
- b 標本化:時間軸方向にアナログ値を切り出す → 正解。
- c 符号化:量子化後の値を2進数等のビット列に変換。
- d 量子化:標本値を有限個の段階値に丸める(振幅軸の離散化)。
覚え方・ひっかけ注意
時間軸の離散化=標本化、振幅軸の離散化=量子化の役割分担を明確に。標本化定理(ナイキスト定理)「サンプリング周波数は信号の最高周波数の2倍以上」も頻出。CD音質は44.1kHz×16bit×2ch、DVD音質は48kHz×16bit、ハイレゾは96kHz/192kHz×24bit。
理論的背景
標本化定理(ナイキスト・シャノンの定理):信号に含まれる最高周波数 f_max のとき、サンプリング周波数 f_s ≥ 2 f_max を満たせば元信号を完全に復元可能(ナイキスト周波数 f_s/2 を超える成分は禁止、超えるとエイリアシング=折り返し雑音が発生)。実用上はアンチエイリアシングフィルタを AD 変換前に挿入する。
量子化の数学
ビット数 n の量子化では 2^n 段階に振幅を離散化。量子化誤差は最大 ±Δ/2(Δ=1段の幅)で、SN比は理論上 SNR = 6.02n + 1.76 [dB](フルスケール正弦波)。16bit→約98dB、24bit→約146dB。実信号は最大振幅未満なのでSN比はさらに低下。
符号化方式
- 直線PCM(LPCM):等間隔量子化。CD、WAVファイル。
- 対数PCM(μ-law/A-law):電話音声、小信号に分解能を集中。G.711規格。
- 差分PCM(DPCM)/ ADPCM:前後差分を符号化、圧縮率向上。G.726等。
- デルタ変調(ΔM):1bit/sampleで差分を表現、シンプル。
- PWM/PDM:1bit Σ-Δ変調、Class-D アンプ、DSDフォーマット。
実用音声・映像規格
- 音声:CD-DA(44.1kHz/16bit/2ch=1411.2kbps)、DVD-Audio、SACD(DSD)、Bluetooth SBC/AAC/aptX/LDAC。
- 映像:BT.601(SD、13.5MHz サンプリング、4:2:2)、BT.709(HD)、BT.2020(4K/8K)。
試験での位置づけ
FE「マルチメディア/基礎理論」分野で頻出。PCM 3工程、ナイキスト定理、量子化ビット数とSN比、データ量計算(時間×サンプリング×ビット×チャネル)はパターン化された得点源。応用情報・エンベデッドでは Δ-Σ ADC、DSP実装まで踏み込む。
選択肢の発展補足
dの量子化は不可逆処理で、ビット数を上げない限り情報損失は復元不能。aの逆量子化は符号→振幅値復元の対応関係を用いるだけで、量子化誤差そのものは消えない。ハイレゾ音源(24bit/96kHz)が支持される理由は、量子化ビット数増による低ノイズフロアと、サンプリング周波数増による超音域成分残存(音色への影響は議論あり)。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成29年度 秋期 問24/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。