基本情報 平成30年度 春期 問21:テクノロジ系に関する問題
DRAM の説明として, 適切なものはどれか。
- a1 バイト上単位でデータの消去及び書込みが可能な不揮発性のメモリであり, 電 源遮断時もデータ保持が必要な用途に用いられる。
- b不揮発性のメモリで NAND 型又は NOR 型があり, SSD に用いられる。
- cメモリセルはフリップフロップで構成され, キャッシュメモリに用いられる。
- dリフレッシュ動作が必要なメモリであり, PC の主記憶として用いられる。正答
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答えは d です。
DRAM(ディーラム)=Dynamic Random Access Memory=PCの主記憶(メインメモリ)に使われる半導体メモリ。
コンデンサに電荷を貯める仕組みで、放っておくと電荷が逃げてデータが消えるので、定期的に書き直し(リフレッシュ)が必要なのが特徴。安くて大容量にできるので主記憶に最適です。
👉 覚え方:DRAM=忘れっぽいから定期リフレッシュ!PCのメモリ!
ほかの選択肢:a 1バイト単位書込みの不揮発性=EEPROM/b NAND/NOR型不揮発性=フラッシュメモリ/c フリップフロップ=SRAM(キャッシュメモリ)。
なぜこれが正解か
正解は d。DRAM(Dynamic RAM)はメモリセルを1トランジスタ+1コンデンサで構成し、コンデンサに蓄積された電荷でデータを保持する揮発性メモリ。コンデンサの電荷は時間とともにリークするため、定期的なリフレッシュ動作(典型的に数十ms周期)で電荷を再充電する必要がある。SRAMより集積度が高く安価で、PCの主記憶に標準採用される。
各選択肢の解説
- a 1バイト単位の不揮発性メモリ:EEPROM。マイクロコントローラの設定値保存等で使用。
- b NAND/NOR型不揮発性、SSD用:フラッシュメモリ。NANDはストレージ、NORはコード実行向け。
- c フリップフロップ構成、キャッシュ用:SRAM(Static RAM)。高速だが集積度低・高コスト、L1/L2キャッシュ。
- d リフレッシュ動作必要、PC主記憶 → DRAM(正解)。
覚え方・ひっかけ注意
揮発性 vs 不揮発性、Dynamic(リフレッシュ要)vs Static(不要)の2軸で整理:
- SRAM:高速、Static、揮発性、CPU内キャッシュ。
- DRAM:標準速、Dynamic(要リフレッシュ)、揮発性、主記憶。
- EEPROM/フラッシュ:低速、不揮発性、ストレージ・ファームウェア。
DRAM のメモリセル構造
1T1C構造(1Transistor + 1Capacitor):データはコンデンサの電荷で表現、トランジスタはアクセスゲートとして動作。1ビット辺りの面積が小さく高集積化可能。FinFET、3D構造(HBM)等で微細化進行。
リフレッシュ動作
- 典型周期:64ms以内に全セルを再書き込み(JEDEC仕様)。
- 方式:Auto Refresh(メモリコントローラが管理)、Self Refresh(DRAM内部回路)、Partial Array Self Refresh(PASR)(モバイル省電力用)。
- オーバーヘッド:リフレッシュ中はアクセス不可、性能の数%を消費。
DRAM の世代
| 世代 | 帯域 | 特徴 |
|---|---|---|
| SDRAM | 100-133MHz | クロック同期 |
| DDR | 200-400MT/s | Double Data Rate(立下りでも転送) |
| DDR2 | 400-800MT/s | 内部クロック半減、消費電力減 |
| DDR3 | 800-1600MT/s | 電圧1.5V |
| DDR4 | 1600-3200MT/s | バンク群並列化 |
| DDR5 | 3200-8400MT/s | チャネル分割、On-die ECC |
| HBM | 数百GB/s | 3D積層、GPUやAI加速器 |
| LPDDR | モバイル特化 | 低電圧、省電力 |
SRAM との比較
| 項目 | SRAM | DRAM |
|---|---|---|
| セル | 4-6T | 1T1C |
| アクセス時間 | 0.5-10ns | 10-100ns |
| 集積度 | 低 | 高 |
| コスト/bit | 高 | 低 |
| リフレッシュ | 不要 | 必要 |
| 用途 | キャッシュ、レジスタファイル | 主記憶 |
不揮発性メモリ(NVRAM)の台頭
- 3D XPoint(Intel Optane):DRAMとフラッシュの中間、不揮発でDRAM並みの速度を狙ったが商業終了。
- MRAM(磁気抵抗):STT-MRAMが組込み・キャッシュ用途で実用化。
- ReRAM(抵抗変化):低消費電力、IoT向け。
- PCM(相変化):書換え耐性。
- NVDIMM:DDRスロット互換の不揮発DIMM。
試験での位置づけ
FE「ハードウェア/メモリ」分野で毎期出題の頻出領域。SRAM/DRAM/EEPROM/フラッシュの特徴判別、アクセス時間計算、キャッシュ階層の理解は確実な得点源。応用情報・エンベデッドではECC(誤り訂正符号)、メモリインタリービング、NUMA、ヘテロメモリアーキテクチャまで踏み込む。
セキュリティ脅威
- Rowhammer 攻撃:隣接行への高頻度アクセスでビット反転を誘発、特権昇格が可能になる脆弱性(2014発見)。
- Cold Boot 攻撃:DRAM の残留電荷で電源OFF後も短時間データ保持、メモリ吸い出し攻撃。
- 対策:DDR4のtRR、ハードウェアECC、メモリ暗号化(AMD SME、Intel TME)。
選択肢の発展補足
cのSRAMはCPU内にL1(数十KB、1サイクル)、L2(数百KB、10サイクル)、L3(数MB〜、数十サイクル)として階層配置。Tightly Coupled Memory(TCM)は組込みCPUのSRAM領域。bのNANDフラッシュはSLC/MLC/TLC/QLCでビット/セル数が増えるほど大容量化するが書換え耐性は低下、ウェアレベリングで寿命を延長。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成30年度 春期 問21/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。