基本情報 2022 サンプル問題 問13:テクノロジ系に関する問題
仮想化マシン環境を物理マシン20 台で運用しているシステムがある。次の運用条 件のとき,物理マシンが最低何台停止すると縮退運転になるか。 〔運用条件〕 (1) 物理マシンが停止すると,そこで稼働していた仮想マシンは他の全ての物理マ シンで均等に稼働させ,使用していた資源も同様に配分する。 (2) 物理マシンが20 台のときに使用する資源は,全ての物理マシンにおいて70% である。 (3) 1 台の物理マシンで使用している資源が90%を超えた場合,システム全体が縮 退運転となる。 (4) (1) ~ (3) 以外の条件は考慮しなくてよい。
- a2
- b3
- c4
- d5 - 11 -正答
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答えは d「5台」 です。
仮想化マシンを 20人で運動会の道具を運ぶ イメージで考えます。
- 通常は20人で道具を運び、1人あたりの負担は 70%(まだ余裕)
- 1人脱落するごとに、その人の仕事を残りで均等分担 → 1人の負担が上がる
- 1人の負担が90%を超えたら「もう限界! 縮退運転」 になる
計算式:
- もとの仕事量は 20人 × 70% = 1400(これを残り人数で割る)
- 残り19人: 1400 ÷ 19 = 73.7% → セーフ
- 残り18人: 1400 ÷ 18 = 77.8% → セーフ
- 残り17人: 1400 ÷ 17 = 82.4% → セーフ
- 残り16人: 1400 ÷ 16 = 87.5% → セーフ(まだ90%以下)
- 残り15人: 1400 ÷ 15 = 93.3% → アウト! 90%超!
20 - 15 = 5台停止で縮退運転。
👉 覚え方: 「全部の仕事量(20×70=1400)を残り台数で割って、90を超えたら停止」。
なぜこれが正解か
正解は d「5台」。
総資源使用量は固定: 20台 × 70% = 1400%相当。k 台停止すると残り(20−k)台で均等分担: 1台あたり 1400/(20−k)%。
縮退条件「1台あたり90%超」より `1400/(20−k) > 90` → `20−k < 15.56` → `k > 4.44` → 最小整数 k=5。
検算: k=4 で 1400/16 = 87.5%(セーフ)、k=5 で 1400/15 = 93.3%(縮退)。
各選択肢の解説
- a「2」: 77.8%、不足。
- b「3」: 82.4%、不足。
- c「4」: 87.5%、90%にあと一歩で縮退せず。
- d「5」: 93.3%、初めて90%超 → 正解。
覚え方・ひっかけ注意
「総量保存」: VMは生き残った物理ホストに均等再配置されるため、総需要は不変。これがクラウド冗長設計の基本原理。
境界値: 本問は「90%を超えた場合」なので、ぴったり90%は許容。等号の扱いを問題文から正確に読む。
計算手順: ①総量 = 台数×初期使用率 → ②条件式 → ③整数解の最小値、を機械的に適用。
仮想化基盤の可用性設計
本問は HA(High Availability)クラスタ の典型的キャパシティプランニング問題。仮想化基盤では物理ホスト障害時に VM Live Migration または HA フェイルオーバー で他ホストへ自動再配置される。
N+M 冗長設計
- N+1: 通常Nに予備1台、1台故障まで性能維持。
- N+M: M台故障まで耐性。本問は逆算で、初期負荷率70%なら何台まで耐えるかを計算している。
- 2N: 完全2重化(保守作業中も冗長性維持)。
本問の 70% という設計値は「4台までの障害に耐えうる(87.5%まで)」ことを暗黙に保証。これは「ピーク負荷の70〜80%でクラスタ設計」というベストプラクティスに一致。
主要プラットフォームでの実装
- VMware vSphere DRS: VM 自動再配置で「均等配分」を実現。
- HA Admission Control: N台障害時の余裕を事前検証し、不足ならVM起動拒否。
- vSAN FTT(Failures To Tolerate): ストレージレベルの N+M 冗長。
- Kubernetes: Pod reschedule、ReplicaSet、HPA で類似の動的調整。
縮退運転の意味
「サービス停止ではないが性能・機能が低下した状態」。SLA では完全停止と縮退で課金影響が異なる。90%超は典型的アラート閾値で、Prometheus/Datadog 等の監視と 自動スケールアウト or 人手対応 の運用設計が必須。
試験での位置づけ
システム構成・信頼性領域の頻出単元。基本情報技術者試験では計算 + MTBF/MTTR/可用率算出が定番。応用情報・DB スペシャリスト・SA 試験では Active-Active vs Active-Standby、DR、RPO/RTO、マルチAZ/リージョン設計まで踏み込む。
選択肢の発展補足
- クラウドオートスケーリング: AWS ASG / Azure VMSS / GCP MIG で「閾値超で自動増設」を設定可能。
- 過剰プロビジョニング vs 適正設計: 70%設計は「30%が遊休」とも言えるが、バースト吸収 + 障害耐性 を両立する経済的解。
- アンチアフィニティルール: 同一アプリのVMを別物理ホストに強制配置し、単一障害点を排除。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問13/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。