基本情報 2022 サンプル問題 問28:テクノロジ系に関する問題
トランスポート層のプロトコルであり,信頼性よりもリアルタイム性が重視される 場合に用いられるものはどれか。
- aHTTP
- bIP
- cTCP
- dUDP - 17 -正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d「UDP」 です。
データ通信を宅配便にたとえると…
- TCP = ちゃんと届いたか確認しながら配達する書留(信頼性◎、でも遅い)
- UDP = とにかく早く投げるハガキ(届かなくてもOK、その代わり速い)
動画配信、オンラインゲーム、ビデオ通話など、「多少データが欠けても、いますぐ届けることが大事」な場面では UDP が選ばれます。1コマ抜けても次のコマがすぐ来るからOKって感じ。
👉 覚え方:TCP=確実重視(書留)/UDP=速さ重視(ハガキ)。動画・音声・ゲーム=UDPと反射で。
ほかの選択肢:a HTTP は Web ページ用(アプリ層)/b IP は住所配達役(ネットワーク層)/c TCP は信頼性重視のプロトコル。
なぜこれが正解か
正解は d。UDP(User Datagram Protocol)はトランスポート層のコネクションレス型プロトコルで、信頼性確保(再送・順序保証・フロー制御)の機能を持たない代わりにオーバーヘッドが少なくリアルタイム性に優れる。VoIP、動画ストリーミング、オンラインゲーム、DNS 等で広く使われる。
各選択肢の解説
- a HTTP:アプリケーション層のプロトコル。TCP(HTTP/1, 2)または UDP/QUIC(HTTP/3)の上で動作。
- b IP(Internet Protocol):ネットワーク層のプロトコル。アドレスとルーティングを担当。
- c TCP(Transmission Control Protocol):トランスポート層だが、信頼性重視(コネクション型・再送制御・順序制御・輻輳制御)でリアルタイム性は劣る。
- d UDP:正解。
覚え方・ひっかけ注意
OSI 参照モデルとプロトコル対応:
- 第7層(アプリ):HTTP、SMTP、DNS、FTP
- 第4層(トランスポート):TCP(信頼性)/UDP(高速)
- 第3層(ネットワーク):IP、ICMP
- 第2層(データリンク):Ethernet、PPP
「リアルタイム」「動画」「音声」「ゲーム」キーワードが出たら UDP と反射的に選ぶ。DNS も基本は UDP(小サイズ・高速重視)。
理論的背景
UDP は RFC 768(1980年)で定義された極めてシンプルなプロトコル。ヘッダは8バイト固定(送信元・宛先ポート各2B、長さ2B、チェックサム2B)。TCP の20バイト固定ヘッダ+オプションと比べ、オーバーヘッドが圧倒的に小さい。
UDP が提供しないもの:
- コネクション確立/切断(3-way handshake 不要)
- 再送制御
- 順序保証
- フロー制御・輻輳制御
これらを必要とするアプリケーションはアプリケーション層で独自実装する(例:RTP がストリーミング順序制御、SRT が再送制御を上位で実現)。
実務での使われ方
- VoIP/ビデオ会議:RTP(Real-time Transport Protocol)+ RTCP、SRTP(暗号化)。Zoom・Teams・WebRTC の基盤。
- DNS:問合せ・応答が小さいため UDP(53番)。512B 超や DNSSEC では TCP フォールバック。
- DHCP:起動時のIP割当(67/68番)。
- オンラインゲーム:FPS など低遅延必須ゲームは独自プロトコルを UDP 上に実装。
- QUIC:HTTP/3 の基盤。UDP 上に TCP 相当の信頼性・TLS 1.3・多重化を再構築し、TCP より低遅延・ヘッドオブラインブロッキング解消を実現。
- ストリーミング:HLS や MPEG-DASH は HTTP(TCP)ベースだが、低遅延配信では QUIC や WebRTC(UDP)が主流化。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報のネットワーク分野で必出。OSI 4層と TCP/IP モデルの対応、ポート番号一覧(Well-Known: 0-1023)、TCP の3-way handshake/4-way handshake、輻輳制御アルゴリズム(Tahoe・Reno・CUBIC・BBR)まで体系で押さえる。ネットワークスペシャリスト試験では QUIC・SCTP・DCCP 等の派生プロトコルや、ヘッドオブラインブロッキング、L4 ロードバランサとの相互作用まで深掘り。
選択肢の発展補足
- a HTTP:HTTP/1.1(テキスト・パイプライン化)→HTTP/2(バイナリ・ストリーム多重化・HPACK)→HTTP/3(QUIC = UDP 基盤)と進化。HTTPS(TLS)と組合せて使用。
- b IP:IPv4(32bit)枯渇問題、IPv6(128bit)への移行、デュアルスタック・トンネリング(6to4、Teredo)。
- c TCP:3-way handshake(SYN→SYN/ACK→ACK)、Nagle アルゴリズム、Selective ACK、SACK、Window Scaling、TCP Fast Open 等の最適化技術が頻出。
- DDoS の文脈:UDP は IP スプーフィング容易で増幅攻撃(DNS Amplification、Memcached Amplification)に悪用されやすい。情報処理安全確保支援士で出題。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問28/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。