基本情報 令和7年度 科目A 問10:テクノロジ系に関する問題
WAF の説明はどれか。
- aWeb サイトに対するアクセス内容を監視し,攻撃とみなされるパターンを検知し たときに当該アクセスを遮断する。正答
- bWi-Fi アライアンスが認定した無線LAN の暗号化方式の規格であり,AES 暗号に 対応している。
- c様々なシステムの動作ログを一元的に蓄積,管理し,セキュリティ上の脅威とな る事象をいち早く検知,分析する。
- dファイアウォール機能を有し,マルウェア対策機能,侵入検知機能などの複数の セキュリティ機能を連携させ,統合的に管理する。 - 7 -
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答えは a です。
WAF は Web Application Firewall(ウェブアプリケーション・ファイアウォール)の略。「Web サイト専用の門番」と思ってください。
お客さんがサイトに来るとき、ふつうの人は通すけど、「変な袋を持ってる人(=攻撃っぽい通信)」が来たらブロックする…そんな役割です。具体的には「SQL インジェクション」や「クロスサイトスクリプティング」といった攻撃パターンを見つけて遮断します。
👉 覚え方:Web + Application + Firewall = Web専用の防火壁。
ほかの選択肢:b は Wi-Fi の暗号化「WPA」/c は色んなログをまとめて監視する「SIEM」/d は色んなセキュリティ機能を1つにした「UMT(統合脅威管理)」のこと。全部セキュリティ用語ですが別物です。
なぜこれが正解か
正解は a。WAF(Web Application Firewall) は、HTTP/HTTPS 通信のペイロード(アプリケーション層)を検査し、Web アプリケーション特有の攻撃パターン(SQL インジェクション、XSS、コマンドインジェクション、CSRF 等)を検知・遮断するセキュリティ機器・サービス。シグネチャベース検知・ふるまい検知・ホワイトリスト方式を組み合わせる。
各選択肢の解説
- a:「Web サイトへのアクセスを監視し、攻撃パターンを検知して遮断」が WAF の定義。正解。
- b:Wi-Fi アライアンス認定の暗号化方式は WPA/WPA2/WPA3。AES 対応は WPA2 以降。
- c:複数システムのログを集約・分析するのは SIEM(Security Information and Event Management)。Splunk、QRadar 等が代表。
- d:ファイアウォール+IDS/IPS+アンチウイルス等を統合した機器は UTM(Unified Threat Management)。中小企業向けに普及。
覚え方・ひっかけ注意
セキュリティ機器の区分:
- FW(ファイアウォール):ネットワーク層・トランスポート層(IP/ポート)でフィルタ
- IDS/IPS:パケット内容を検査し攻撃検知(IDSは検知のみ、IPSは遮断も)
- WAF:Web アプリ層に特化、HTTP/HTTPS のリクエスト内容を検査
- UTM:複数機能を1筐体に統合
- SIEM:ログ集約・相関分析
の5つを必ず区別。試験では a/c/d の入れ替えひっかけが多い。WAF は 「Web アプリの脆弱性対策」 という目的に紐づけて覚える。
理論的背景
WAF の検知方式:
1. ネガティブセキュリティモデル(ブラックリスト):既知の攻撃パターン(シグネチャ)に一致する通信を遮断。誤検知(偽陰性)リスク。
2. ポジティブセキュリティモデル(ホワイトリスト):許可された入力パターンのみ通過。運用負荷高いが堅牢。
3. 機械学習・異常検知:通常通信を学習しベースラインから逸脱を検出。誤検知(偽陽性)対策が課題。
対象は OWASP Top 10 を中心とした Web アプリ脆弱性:A01 アクセス制御不備、A02 暗号化失敗、A03 インジェクション、A07 認証不備等。WAF は多層防御の1層であり、アプリ側の入力検証・出力エスケープを置き換えるものではない。
実務での使われ方
- 配置形態:
- リバースプロキシ型(オンプレ/クラウド:F5 BIG-IP ASM、Imperva、Akamai Kona)
- エージェント型(Web サーバに組み込み:ModSecurity)
- クラウド WAF(AWS WAF、Azure Front Door、Cloudflare、Google Cloud Armor)
- ルールセット:OWASP Core Rule Set(CRS)が業界標準。各クラウドベンダがマネージドルール提供。
- 誤検知対策(チューニング):ログ分析→ホワイトリスト追加→段階的に Block モードへ移行(Detection-only → Block)。
- DDoS 対策との組合せ:L7 DDoS(HTTP Flood)対策で WAF+CDN+Bot Management が定番構成。
- PCI DSS 要件:要件6.6 で WAF または定期的なアプリケーション脆弱性診断を要求。
試験での位置づけ
科目A「セキュリティ」「ネットワーク」の頻出。基本情報・高度試験では:
- WAF・IDS・IPS・SIEM・SOAR の機能比較
- OWASP Top 10 の各脆弱性と対策(WAF で防げるもの/アプリ修正必須のもの)
- ゼロトラスト・SASE・CASB との関係性
- セキュリティ運用(SOC、CSIRT、PSIRT)の中での位置づけ
- インシデント対応(NIST SP 800-61、JPCERT 6W2H)におけるログ活用
まで深掘り。
選択肢の発展補足
- WPA3(選択肢 b の発展):SAE(Simultaneous Authentication of Equals)でオフライン辞書攻撃耐性、192ビット鍵対応、Wi-Fi Easy Connect で IoT 機器設定簡略化。
- SIEM(選択肢 c の発展):ログ正規化・相関分析・SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)連携で自動対応。Splunk、Elastic Security、Microsoft Sentinel、QRadar、ArcSight が代表。XDR(Extended Detection and Response)はエンドポイント・ネットワーク・クラウドを統合した次世代版。
- UTM(選択肢 d の発展):中小企業向けに普及(Fortinet FortiGate、Sophos UTM、Cisco Meraki)。NGFW(Next-Gen Firewall) はアプリ識別・ユーザ識別・脅威インテリジェンス連携を加えた発展形。
- WAF の限界:暗号化された通信(TLS終端していない場合)、業務ロジックの脆弱性、ゼロデイ攻撃には弱い。RASP(Runtime Application Self-Protection) が次世代代替として注目。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和7年度 科目A 問10/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。