令和4年度39マネジメント系

ITパスポート 令和4年度 問39:ITサービスマネジメントに関する問題

提供するITサービスの価値を高めるためには,サービスの提供価格,どのようなことができるかというサービスの機能,及び可用性などを維持するサービスの保証の三つのバランスを考慮する必要がある。インスタントメッセンジャのサービスに関する記述のうち,サービスの保証に当たるものはどれか。

  • a24時間365日利用可能である。正答
  • bゲームなどの他のソフトウェアと連携可能である。
  • c無料で利用可能である。
  • d文字の代わりに自分で作成したアイコンも利用可能である。
正答:A24時間365日利用可能である。

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答えは a です。

この問題は『サービスの保証=ちゃんと使える状態を保つこと』を選ぶ問題。『24時間365日いつでも使える』は、まさに『いつでも止まらず使えますよ』という約束なので、保証にあたります。

お店でいうと『年中無休・24時間営業』みたいなもの。いつ行っても開いてる安心感ですね。

👉 覚え方:保証=『止まらず使える』約束(可用性)。

ほかの選択肢:b 他のソフトとつなげられる=機能の話/c 無料=価格の話/d 自作アイコンが使える=これも機能の話。価格や機能は『保証』ではありません。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は a。問題文はサービスの価値を『価格・機能(ユーティリティ=何ができるか)・保証(ワランティ=使える状態の維持)』の3要素で整理している。『24時間365日利用可能』は可用性を表し、サービスがいつでも使えることを維持する『保証』に該当する。

各選択肢の解説

  • b 他ソフトとの連携可能:『何ができるか』=機能(ユーティリティ)。
  • c 無料で利用可能:『いくらか』=提供価格。
  • d 自作アイコンが使える:『何ができるか』=機能(ユーティリティ)。

覚え方・ひっかけ注意

『保証(ワランティ)=可用性・性能・継続性・セキュリティなど“ちゃんと使えること”を守る側』、『機能(ユーティリティ)=“何ができるか”』と二分して覚える。『24時間365日』『止まらない』『○○%稼働』は保証のサイン。連携・カスタマイズ系は機能なので混同しないこと。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

本問はITIL(IT Infrastructure Library)v3/v4のサービス価値の概念「ユーティリティ(Utility)とワランティ(Warranty)」に基づく。ITIL v3(2007年)でサービス価値は「顧客の成果を促進する機能性(Utility=fit for purpose)」と「その機能を継続して使える状態の保証(Warranty=fit for use)」の積として定義された。ITIL 4(2019年)ではサービス価値システム(SVS)の概念に発展しているが、ユーティリティとワランティの二軸は継承されている。

正解aの「24時間365日利用可能」はワランティの中の「可用性(Availability)」に相当する。ワランティは具体的に①可用性(止まらず使えること)②容量/キャパシティ(十分な性能を保てること)③継続性(障害時の事業継続)④セキュリティ(安全に使えること)の4側面で保証される。SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)にはこれらの目標値が数値で記載される。

可用性の計算式は「稼働率=稼働時間 ÷(稼働時間+停止時間)」であり、業界標準の可用性目標として99.9%(「スリーナイン」:年間ダウンタイム約8.7時間)、99.99%(「フォーナイン」:年間約52分)、99.999%(「ファイブナイン」:年間約5分)が用いられる。ミッションクリティカルシステム(金融・医療・航空など)ではファイブナインが要求されることもある。

実務での使われ方

SLAは顧客とサービスプロバイダ間の正式な合意文書であり、可用性目標・障害時の応答時間(RTO:Recovery Time Objective)・データ復旧時点目標(RPO:Recovery Point Objective)・ペナルティ規定などを定量化して記載する。サービスプロバイダ内部では、協力会社との間でOLA(Operational Level Agreement:運用レベル合意)を締結し、SLAを支える各コンポーネントの稼働保証を連鎖させる仕組みを持つ。

クラウドサービスのSLAとして有名な例として、AWS EC2の可用性SLA(月間99.99%保証)やAzureのSLA(サービスごとに99.9%〜99.99%)がある。SLA違反が発生した場合は「サービスクレジット(料金の一部返還)」でペナルティが実行される。

選択肢b「他のソフトウェアとの連携可能」と選択肢d「自作アイコンの利用可能」はいずれもユーティリティ(何ができるか)に分類される機能的な特性である。機能の豊富さと稼働の確実さは独立した品質軸であり、機能が多くても頻繁に停止するサービスは保証が低いと評価される。

試験での位置づけ

ITサービスマネジメント分野でユーティリティ・ワランティの区別は、ITパスポートの重頻出テーマである。「24時間365日」「SLA」「稼働率99.9%」「可用性」というキーワードは保証(ワランティ)の文脈で登場するものとして条件反射できるレベルに仕上げることが目標となる。

基本情報技術者(FE)・ITサービスマネージャ試験では、MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)・MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)の計算、フォールトトレランス(障害発生時も稼働を継続する設計思想)、フェイルオーバー・フェイルセーフ・フールプルーフの概念が出題される。特に「稼働率=MTBF ÷(MTBF+MTTR)」の計算式はFE以降で必須となる数式である。

選択肢の発展補足

選択肢cの「無料で利用可能」という価格要素は、ITIL v3では価値の3要素の一つに位置づけられ、「コスト(何を犠牲にするか)」と「リスク(何が失われるか)」として整理された。ITIL 4では「価値の共創(Value Co-creation)」の概念が加わり、価格と機能と保証の単純な三分類よりも顧客とサービスプロバイダが共同で価値を生み出すという関係性が強調されている。

ワランティの可用性と継続性の違いについて補足すると、可用性は「通常運用における稼働率の維持」を指し、継続性(IT Service Continuity Management:ITSCM)は「大規模障害・自然災害・サイバー攻撃などの重大インシデント後に事業を復旧させる計画・能力」を指す。BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)やDR(Disaster Recovery)サイトの整備がITSCMの具体的手段であり、RPO・RTO目標をSLAに落とし込む形で保証水準が合意される。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度39/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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