基本情報 平成22年度 秋期 問59:マネジメント系に関する問題
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち, 可用性に該当するものはど れか。
- aマスタファイルが置かれているサーバを二重化し, 耐障害性の向上を図っている こと正答
- bマスタファイルのデータを複数件まとめて検索・加工するための機能が, システ ムに盛り込まれていること
- cマスタファイルのメンテナンスは, 特権アカウントを付与された者だけに許され ていること
- dマスタファイルへのデータ入力チェック機能が, システムに盛り込まれていること
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは a です。
「可用性」とは「いつでも止まらず使えること」。サーバを2台用意して片方が壊れてももう片方が動くようにする=可用性を高める仕事。倉庫を2つ用意して片方が燃えても大丈夫にするイメージです。
👉 覚え方:「可用性=使えるように」。
ほかの選択肢:b 検索・加工は機能(有効性)/c 特権者だけメンテ=機密性/d 入力チェック=完全性(データの正しさ)。
なぜこれが正解か
正解は a。情報セキュリティの3要素CIA(機密性Confidentiality・完全性Integrity・可用性Availability)のうち、可用性は「必要なときに必要な情報・サービスにアクセスできる」性質。サーバ二重化は片方の障害時にも継続稼働を可能にするので、可用性向上の典型策。
各選択肢の解説
- b:検索・加工機能はシステム監査では有効性(業務要件の達成)の観点。
- c:特権アカウント限定は機密性・アクセス制御の観点。
- d:入力チェックはデータの正確性確保で完全性の観点。
覚え方・ひっかけ注意
CIA=機密性(誰が見られるか)・完全性(正しいか)・可用性(使えるか)。「二重化・バックアップ・UPS・冗長化」は全て可用性。「暗号化・アクセス制御・認証」は機密性。「ハッシュ・チェックサム・入力検証」は完全性。
理論的背景
情報セキュリティの3要素CIAに加え、JIS Q 27000(ISO/IEC 27000)では真正性(Authenticity)・責任追跡性(Accountability)・否認防止(Non-repudiation)・信頼性(Reliability)を加えた7要素モデルが定義される。可用性の定量指標はMTBF(平均故障間隔)・MTTR(平均修復時間)・稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)。SLA(サービスレベル合意)で99.9%(スリーナイン、年間ダウンタイム約8.76時間)等と数値化される。
実務での使われ方
可用性向上策はクラスタリング(HA: High Availability)、ロードバランサ、DR(Disaster Recovery)サイト構築、データセンタの地理的分散(マルチリージョン)、UPS・自家発電、バックアップ+RTO(目標復旧時間)/RPO(目標復旧時点)設計。クラウドではマルチAZ・マルチリージョン・オートスケーリングが標準的に使われる。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報のセキュリティ・システム監査分野で必出。システム監査基準・システム管理基準では「予防的コントロール・発見的コントロール・是正的コントロール」の分類も問われる。可用性監査の観点はBCP(事業継続計画)と密接に関連し、上位資格のシステム監査技術者試験では中心テーマ。
選択肢の発展補足
b の「複数件まとめて検索・加工」はバッチ処理機能で、システム監査では「業務要件への適合性(有効性監査)」観点。c の「特権アカウントのみメンテ」は職務分掌(SoD:Segregation of Duties)と機密性確保の観点で内部統制(J-SOX)でも重要。d の「入力チェック」は完全性確保の入力統制で、業務統制(IT全般統制・IT業務処理統制)の代表例。これら4観点はシステム監査で必ず4択化される定番論点。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成22年度 秋期 問59/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。