基本情報 平成24年度 秋期 問53:マネジメント系に関する問題
設計書の作成状況が表のとおりであるとき, 3 種類の設計書全ての作成を完了させ るために必要な今後の工数 (人時) は幾らか。 9講 作成枚数 | 1枚当たりの所要工数 | 現在までの作成済み枚数 (枚) (人時) (枚) 基本設計書 80 5 80 概要設計書 300 2 200 詳細設計書 500 2 50
- a550
- b900
- c1100正答
- d2000
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答えは c「1,100」人時 です。
計算は「残り枚数 × 1枚あたりの工数」を3種類分足すだけ。
- 基本設計書:80枚 中 80枚済 → 残り0枚 → 0人時
- 概要設計書:300枚 中 200枚済 → 残り100枚 × 2人時 = 200人時
- 詳細設計書:500枚 中 50枚済 → 残り450枚 × 2人時 = 900人時
- 合計:0 + 200 + 900 = 1,100人時
👉 覚え方:「残り工数 = 残り枚数 × 単価」を分類ごとに計算して合計。
ほかの選択肢:550, 900, 2000は計算ミスや既作業分も含めた誤答です。
なぜこれが正解か
正解は c 1,100。今後必要な工数は「(作成枚数 − 作成済み枚数) × 1枚当たり所要工数」を全種別で合計する。
- 基本設計書:(80 − 80) × 5 = 0
- 概要設計書:(300 − 200) × 2 = 200
- 詳細設計書:(500 − 50) × 2 = 900
- 合計 = 0 + 200 + 900 = 1,100人時
各選択肢の解説
- a 550:詳細設計書を250枚分しか残っていないと誤算したケース。
- b 900:概要設計書(200人時)を計算漏れしたケース。
- d 2000:完了済み分も含めた全工数の合計(80×5 + 300×2 + 500×2 = 400+600+1000=2000)。問題は今後必要な工数なので不適。
覚え方・ひっかけ注意
「残工数 = 全工数 − 既消化工数」または「(全枚数 − 済枚数) × 単価」で計算。「既消化分を引く」がひっかけ対策の核心。プロジェクト管理ではEVM(Earned Value Management)のEAC・ETC計算と同じ発想。
理論的背景
本問はETC(Estimate To Complete:残工数見積)の典型計算問題。PMBOKのEVM(Earned Value Management)では、ETC = EAC − AC(完成時総コスト見積 − 実コスト)で算出し、進捗管理の指標とする。本問は単価×残量で素朴に計算できるが、実プロジェクトでは生産性の変動(学習曲線効果:作業を重ねるごとに効率向上)、技術的負債、要件変更などで補正が必要となる。
実務での使われ方
ソフトウェア開発の工数見積手法は (1) ボトムアップ法(タスク分解して積算、本問はこれ)、(2) パラメトリック法(FP法、COCOMO法)、(3) アナロジー法(過去事例比較)、(4) エキスパート法(プランニングポーカー、デルファイ法)に分類。アジャイル開発ではストーリーポイントとベロシティで見積もる。プロジェクト管理ツール(Jira、MS Project、Asana)で残工数を可視化し、バーンダウンチャートで進捗を追跡。
試験での位置づけ
FE・APマネジメント分野で頻出。EVMの基本指標(PV/EV/AC、CPI/SPI、EAC/ETC)、各見積手法の特徴、リスクバッファ(PERT法の3点見積:楽観値・最頻値・悲観値)と併せて押さえる。応用情報・PM試験ではモンテカルロシミュレーション、CCM(クリティカルチェーン法)、トレンド分析、稼働率を考慮した工数→工期換算まで踏み込む。
関連事項・発展補足
単価×数量モデルの限界は、規模の経済(大量生産で単価低下)と規模の不経済(人数増でコミュニケーションコスト増大、ブルックスの法則「遅れているプロジェクトに人員追加すると、より遅れる」)の両方が現実に存在すること。WBS(Work Breakdown Structure)で作業を末端まで分解し、各葉ノードに工数見積を付与してロールアップする方式が王道。クリティカルパス上のタスクは重点管理し、リソースの平準化(リソースヒストグラム作成)で過負荷を回避する。本問のように既完了分を引いて残工数を計算する設問は、進捗報告書や見積書の実務スキルそのもの。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成24年度 秋期 問53/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。