基本情報 平成26年度 春期 問40:テクノロジ系に関する問題
1 台のファイアウォールによって, 外部セグメント, DMZ, 内部ネットワークの三 つのセグメントに分割されたネットワークがある。このネットワークにおいて, Web サーバと, 重要なデータをもつ DB サーバから成るシステムを使って, 利用者向けの サービスをインターネットに公開する場合,.インターネットからの不正アクセスから 重要なデータを保護するためのサーバの設置方法のうち, 最も適切なものはどれか。
- aWeb サーバと DB サーバを DMZ に設置する。
- bWeb サーバと DB サーバを内部ネットワークに設置する。
- cWeb サーバを DMZ に, DB サーバを内部ネットワークに設置する。 Web サーバを外部セグメントに, DB サーバを DMZ に設置する。正答
- dH さい
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答えは c です。
ネットワーク構成の基本:
- 外部セグメント=インターネット側(無防備)
- DMZ(非武装地帯)=外からアクセスを許可する公開サーバ用の中間ゾーン
- 内部ネットワーク=社内、外からは直接アクセス不可(一番安全)
大事なデータがあるDBサーバは一番安全な内部ネットワークに、外部からアクセスされるWebサーバはDMZに置く。これでDBサーバはインターネットから直接攻撃されません。
👉 覚え方:「重要データは奥に、公開サーバは中間に」。
なぜこれが正解か
正解は c。3セグメント構成のセキュリティ原則:
- 外部セグメント: インターネット直結、無防備
- DMZ(DeMilitarized Zone、非武装地帯): 外部からアクセスを受ける公開サーバ用。FW経由でアクセス可
- 内部ネットワーク: 社内用、外部から直接アクセス不可。最高保護レベル
重要なDBサーバは内部ネットワークに配置し、外部から直接アクセスさせない。一方、ユーザー向けサービス提供のWebサーバはDMZに置き、内部のDBサーバとはFW経由で限定的に通信させる。これで多層防御が成立。
各選択肢の解説
- a Web+DB両方DMZ:DBが外部から攻撃可能になりリスク大。
- b Web+DB両方内部:Webが外部からアクセスできずサービス成立しない。
- c Web→DMZ、DB→内部:多層防御の典型構成(正解)。
- d Web→外部、DB→DMZ:Webが無防備、DBがDMZで外部攻撃にさらされる最悪構成。
覚え方・ひっかけ注意
「公開サーバ=DMZ、データサーバ=内部、外部は通さない」が鉄則。多層防御(Defense in Depth)の基本構成。FWで「外部→DMZ:80/443のみ許可、外部→内部:拒否、DMZ→内部:特定ポート(DB接続のみ)」と細かく制御する。最近はゼロトラスト・アーキテクチャ(ZTA)でセグメント境界に依存しない認証ベース制御も主流化。
理論的背景
ネットワークセグメンテーションは多層防御(Defense in Depth)の中核手法。NIST SP 800-41「ファイアウォール・ファイアウォールポリシーガイドライン」、PCI DSS(カード業界規格)等で標準化。3層構成(インターネット/DMZ/内部)は最も古典的なネットワーク境界設計で、1980-90年代から運用されてきた。
設計原則:
- 最小権限の原則(Principle of Least Privilege): 必要最小限の通信のみ許可
- 多層防御: 単一防御層の突破で全体が破られないよう複数層配置
- デフォルト拒否: 明示許可以外は全て拒否
- ホワイトリスト方式: 許可リスト管理、ブラックリストより安全
DMZ内のWebサーバが侵害されても、FW経由でDBサーバへの通信は特定のSQLポートのみで、攻撃の横展開(Lateral Movement)を制限できる。
実務での使われ方
現代のクラウドアーキテクチャでは:
- AWS VPC: パブリックサブネット(DMZ相当、IGW経由)+ プライベートサブネット(内部相当、NAT Gateway経由)の組合せ
- Azure Virtual Network: 同様の構成 + Network Security Group + Application Gateway(WAF統合)
- GCP VPC: ファイアウォールルール + Cloud Armor(DDoS/WAF)
KubernetesではネットワークポリシーでPod間通信を制御し、サービスメッシュ(Istio、Linkerd)でmTLS通信を強制。
ゼロトラスト・アーキテクチャ(ZTA、NIST SP 800-207)は「Never Trust, Always Verify」原則で、ネットワーク境界に依存せず全通信に認証・認可・暗号化を強制。Google BeyondCorpが2014年に発表、現在は標準的アプローチに進化。SASE(Secure Access Service Edge)、SSE(Security Service Edge)として商品化(Zscaler、Cloudflare、Palo Alto Prisma等)。
試験での位置づけ
FE/AP/SC/NWで必出。①DMZ・内部・外部の役割、②多層防御、③ファイアウォールルール設計、④侵入検知/防御(IDS/IPS、WAF)、⑤VLAN・サブネット分離、⑥ゼロトラスト、が主要論点。本問のような基本構成識別は確実に押さえる。
選択肢の発展補足
DMZ外しの議論: クラウド/SaaS時代では多くの公開サーバがCDN/WAF配下に置かれ、自社DMZでホスティングする必要性が減少。AWSのALB+WAF+ECS構成では「DMZ」の概念が曖昧化。マイクロサービス・サーバレス(Lambda/Cloud Functions)では関数単位のIAM権限制御がセグメンテーションを代替。
コンテナセキュリティではPod間通信制御(NetworkPolicy)、SecurityContext(非root実行・read-onlyルートファイルシステム)、Image scanning(Trivy、Snyk)、Runtime protection(Falco)等の多層防御が重要。マイクロセグメンテーション(VMware NSX、Cisco ACI等のSDNで実現)はPod/VM粒度で通信制御し、東西通信(East-West Traffic)の攻撃を阻止。これらは古典的DMZ概念の現代的進化形であり、基本原理は変わらない。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成26年度 春期 問40/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。