基本情報 平成28年度 春期 問55:マネジメント系に関する問題
ITIL によれば, サービスデスク組織の特徴のうち, バーチャル・サービスデスク のものはどれか。
- aサービスデスク・スタッフは複数の地域に分散しているが, 通信技術を利用す ることによって, 利用者からは単一のサービスデスクのように見える。正答
- b専任のサービスデスク・スタッフは置かず, 研究や開発, 営業などの業務の担 当者が兼任で運営する。
- c費用対効果の向上やコミュニケーション効率の向上を目的として, サービスデ スク・スタッフを単一又は少数の場所に集中させる。
- d利用者の拠点と同じ場所か, 物理的に近い場所に存在している。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは a「複数地域に分散したスタッフが、通信技術で単一サービスデスクに見える」 です。
バーチャル=「仮想の/実体は分散してるけど一つに見える」。
たとえば東京・大阪・福岡にスタッフがいても、電話番号は1つに集約。利用者からは「単一のサービスデスクに問い合わせている」感覚。
👉 覚え方:バーチャル=物理的には散らばってるが論理的に一つ。
ほかの選択肢:b 兼任で運営=アタッチド/c 一箇所集中=セントラル/d 利用者拠点と近い=ローカル。
なぜこれが正解か
正解は a。ITILにおけるサービスデスクの組織形態の一つバーチャル・サービスデスクは、スタッフが地理的に分散しているが、通信技術(CTI・チャット・チケットシステム等)により利用者からは単一のサービスデスクとして認識される形態。グローバル展開企業の24時間対応で多用。
各選択肢の解説
- a 分散スタッフ・通信技術で単一に見える:正解。バーチャル・サービスデスク。
- b 専任スタッフなしで業務担当者が兼任:これは特定の組織形態名というより小規模組織の現実。
- c 単一/少数の場所に集中:セントラル・サービスデスク(集中型)。費用対効果重視。
- d 利用者と物理的に近接:ローカル・サービスデスク(分散型)。現地対応力重視。
覚え方・ひっかけ注意
サービスデスクの4形態:
- ローカル:利用者拠点近接(物理的距離小)
- セントラル:1箇所集中(コスト効率重視)
- バーチャル:分散だが論理的に一体(地理的分散・技術統合)
- フォロー・ザ・サン:時差を活用した24時間体制(複数拠点リレー)
「バーチャル=分散+通信技術で統合/フォロー・ザ・サン=時差リレー」を識別。試験ではこの4形態の混同が頻出。
理論的背景
ITIL(IT Infrastructure Library)は英国OGCが体系化したITサービスマネジメントのベストプラクティス集。ITIL v3(2007年)でサービスストラテジ/設計/移行/運用/継続的改善の5巻構成、ITIL 4(2019年)ではサービスバリューシステム(SVS)と4次元(組織・情報技術・パートナ・プロセス)を軸とした統合フレームワークへ進化。サービスデスクは運用段階の機能として位置づけられる。
実務での使われ方
サービスデスク選定基準:
- ローカル:言語・文化・業務特性が地域固有な場合(小売店舗等)
- セントラル:標準化された業務・コスト最小化を優先する場合(コールセンタ集約)
- バーチャル:複数拠点をクラウドCRM/ITSMで統合(ServiceNow・Zendesk・Jira Service Management等で実現)
- フォロー・ザ・サン:グローバル24時間対応(3拠点8時間ずつリレー)
KPIはFCR(First Call Resolution)/AHT(Average Handle Time)/CSAT/NPS/チケット解決時間。
試験での位置づけ
サービスマネジメント分野の頻出テーマ。基本情報・応用情報では組織形態識別、ITサービスマネージャ試験ではSLA設計・インシデント管理・問題管理・変更管理・構成管理(CMDB)等の関連プロセスまで深掘り。ITIL 4のサービスバリューチェーンとの関係理解も近年論点。
選択肢の発展補足
関連プロセス:
- インシデント管理:通常運用への迅速復旧
- 問題管理:根本原因究明と再発防止
- 変更管理:制御された変更実施
- 構成管理(CMDB):構成アイテム(CI)の関係管理
- リリース管理:本番環境への展開
- キャパシティ管理:性能・容量の計画
- 可用性管理:可用性目標達成
現代ではDevOps・SREとITILの融合が論点。Value Stream Mapping・継続的デリバリ等のリーン/アジャイル要素をITILに統合するITIL 4の思想は重要。AIOps(AI活用運用)でサービスデスクも自動化が進行中。試験対策は基本フレームワーク理解+現代運用トレンドへの拡張が上位資格対策に直結。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問55/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。