基本情報 平成30年度 秋期 問48:テクノロジ系に関する問題
ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち, 最も適切かがものはど れか。 稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し, テストデータを作成する。 機能仕様から同値クラスや限界値を識別し, テストデータを作成する。 業務で発生するデータの発生頻度を分析し, テストデータを作成する。 プログラムの流れ図を基に, 分岐条件に基づいたテストデータを作成する。 H へ 問49 プログラムの流れ図で示される部分に関するテストデータを, 判定条件網羅 ( decision coverage) によって設定した。このテストデータを複数条件網羅 (multiple condition coverage) による設定に変更するとき, 加えるべきテストデータ のうち, 適切なものはどれか。
- aここで, ( )で囲んだ部分は, 一組みのテストデー タを表すものとする。
- b・判定条件網羅によるテストデータ (A=テ4, B=1), (A=テ5, B=テ0)正答
- c(A=ニ3, B=0), (Aー7, Bテ2) (A=ニ3, Bーク2), (A三8, B=テ0) (A=テ4, B=0), (Aテ8, B=テ0) (Aニ7, B=0), (A8, B三2)
- dH ざヽ
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答えは b です(※選択肢ラベルは資料上のものを採用)。
ブラックボックステストは、プログラムの中身を見ずに「入力に対する出力が仕様通りか」だけをチェックします。中身がブラックボックス(見えない箱)だからこの名前。
テストデータの作り方は「仕様書を見て、入力をグループ分け(同値クラス)したり、境目の値(限界値)を選ぶ」のが定番。
👉 覚え方:中身は見ない、仕様だけ見る=ブラックボックス。
ほかの選択肢:稼働中の実データ無作為抽出→偏りすぎ/頻度分析→負荷テスト的/流れ図ベース→ホワイトボックステスト。
なぜこれが正解か
正解は b。ブラックボックステストは仕様書を入力に、内部実装を見ずに入出力関係を検証する手法。テストデータ作成の代表技法が同値分割(入力範囲を妥当・無効のクラスに分け、各代表値でテスト)と境界値分析(クラス境界の値で誤りを検出)であり、機能仕様からこれらを抽出するのが標準。
各選択肢の解説
- 稼働中の実データ無作為抽出:偏りや異常値網羅の保証がない。
- 発生頻度分析:負荷/性能テストの考え方で、機能の正当性検証ではない。
- 流れ図(フローチャート)ベース:ホワイトボックステストの手法(命令網羅・分岐網羅・条件網羅)。
覚え方・ひっかけ注意
「仕様から作る=ブラック/コードから作る=ホワイト」が大原則。同値分割と境界値分析はセットで出題されることが多く、境界値は「最小・最小+1・最大-1・最大」のように境目を狙うことを忘れない。
理論的背景
ブラックボックステスト技法はISTQB(国際ソフトウェアテスト資格)で体系化されており、同値分割、境界値分析、デシジョンテーブルテスト、状態遷移テスト、ユースケーステスト、ペアワイズ(直交表)テストなどがある。テスト工数最適化のため、全網羅は不可能という前提で「等価性を仮定して代表値で代用」する考え方が根底にある。
実務での使われ方
- 要件由来:ユーザストーリーや受け入れ基準(Given-When-Then)をテストケース化するATDD/BDD(Cucumber、SpecFlow)。
- モデルベーステスト:状態遷移図から自動生成。
- 組合せ爆発対策:ペアワイズ法(PICT、ACTS)で全組合せの平方根オーダーに削減し、80%程度の欠陥を検出。
- ファジングテスト:境界値を超えるランダム/異常入力で堅牢性検証。
ホワイトボックステストとの相補性
命令網羅C0、分岐網羅C1、条件網羅C2、複数条件網羅、MC/DC(航空ソフト等)はブラック単独では検出困難な内部分岐の見落としを補う。実務では両者併用が前提。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報のソフトウェア工学分野で頻出。直近は自動テスト(JUnit、pytest)、TDD(テスト駆動開発)、E2Eテスト(Selenium、Playwright)、CI/CDパイプラインとの結合論点も増えている。
選択肢の発展補足
ホワイトボックステストでは判定条件網羅(C1)と条件網羅の関係が問われやすい。「複数条件網羅⊇判定条件網羅⊇命令網羅」の包含関係を理解しておくと、判定条件網羅から複数条件網羅へ拡張する追加テストデータを問う応用問題(本問の元設問のような流れ図問題)も解ける。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成30年度 秋期 問48/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。