基本情報 令和5年度 科目A 問12:テクノロジ系に関する問題
アジャイル開発手法のスクラムにおいて,開発チームの全員が1 人ずつ“昨日やっ たこと”,“今日やること”,“障害になっていること”などを話し,全員でプロジェク トの状況を共有するイベントはどれか。
- aスプリントプランニング
- bスプリントレビュー
- cデイリースクラム正答
- dレトロスペクティブ - 8 -
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答えは c「デイリースクラム」 です。
スクラム(アジャイル開発の一種)では、毎朝チーム全員が立ったまま短い会議をします。これがデイリースクラム(朝会・スタンドアップミーティングとも)。
話す内容は3つだけ:
- 昨日やったこと
- 今日やること
- 困っていること
👉 覚え方:“デイリー=毎日/スクラム=チーム集合”で毎日の朝会。
他の選択肢:a スプリントプランニング=期間(スプリント)開始時の計画会議/b スプリントレビュー=スプリント終わりの成果発表/d レトロスペクティブ=スプリント終わりの振り返り(反省会)。
なぜこれが正解か
正解は c。デイリースクラム(Daily Scrum)は、スクラム開発において開発チームが毎日15分以内で実施する同期ミーティング。各メンバが「昨日やったこと」「今日やること」「障害・課題」を共有し、スプリントゴール達成への進捗を確認・調整する。
各選択肢の解説
- a スプリントプランニング:スプリント開始時に、プロダクトバックログから今回扱う項目を選定し、作業計画を立てるイベント。
- b スプリントレビュー:スプリント終了時に、完成した成果物(インクリメント)をステークホルダーへデモし、フィードバックを得るイベント。
- d スプリントレトロスペクティブ:スプリント終了時、チームのプロセスを振り返り改善策を議論するイベント。
覚え方・ひっかけ注意
スクラムの5イベント=スプリント本体/プランニング/デイリー/レビュー/レトロ。「デイリー=毎日/プランニング=最初/レビューとレトロ=最後」と位置で覚える。レビュー(成果物に対する評価)とレトロ(プロセス改善)の区別は頻出。チーム外(プロダクトオーナー・ステークホルダー)が参加するのはプランニングとレビューのみ。
理論的背景:スクラムガイド
スクラムはJeff SutherlandとKen Schwaberが提唱(1995年)、スクラムガイド(最新2020年版)に定義される経験的プロセス制御フレームワーク。透明性・検査・適応の3本柱と、確約・集中・公開・尊敬・勇気の5つの価値基準で構成される。デイリースクラムは「検査と適応」を毎日行う高頻度フィードバックループの中核。
役割・成果物・イベント
- 3つの役割:プロダクトオーナー(PO)/スクラムマスター(SM)/開発者(Developers)
- 3つの成果物:プロダクトバックログ/スプリントバックログ/インクリメント
- 5つのイベント:スプリント/スプリントプランニング/デイリースクラム/スプリントレビュー/スプリントレトロスペクティブ
実務での運用
デイリースクラムはThree Questions形式が伝統的だが、2020年版スクラムガイドではスプリントゴール達成への進捗議論に焦点を当てるよう緩和。Walk the Board(カンバンボードを右から左に確認)形式も普及。リモートワーク環境ではSlack/Teamsで非同期化(async daily)するチームも増加し、本来の同期性を再評価する議論がある。
試験での位置づけ
プロジェクトマネジメント分野の頻出。基本情報技術者試験ではPMBOKとの対比、SAFe(Scaled Agile Framework)・LeSS(Large-Scale Scrum)等の大規模アジャイル手法、XP(エクストリームプログラミング)のプラクティス(ペアプログラミング・TDD・継続的インテグレーション)と組み合わせた出題が増加。アジャイル宣言の4価値・12原則も背景として理解必須。
選択肢の発展補足
- スプリントプランニングはWhat/How/Whyの3部構成(2020年版)。Whyでスプリントゴールを定義。
- レビューはインクリメント検査、レトロはプロセス検査で、「物」と「やり方」を分けて改善する設計思想。
- スクラムマスターはサーバントリーダーシップを発揮し、プロセス遵守と障害除去を担う。POと開発者の間の調整役ではなくコーチである点が誤解されやすい。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和5年度 科目A 問12/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。