基本情報 令和6年度 科目A 問17:テクノロジ系に関する問題
マーケティング戦略におけるブルーオーシャンの説明として,適切なものはどれか。
- a競争が存在していない未知の市場正答
- bコモディティ化が進んだ既存の市場
- c新事業のアイディアを実際のビジネスに育成するまでの期間
- d製品開発したものを市場化する過程に横たわっている障壁
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答えは a「競争が存在していない未知の市場」 です。
海をイメージしてみてください。赤い海(レッドオーシャン) は、すでにライバルが血を流して戦っている激戦市場。青い海(ブルーオーシャン) は、まだ誰もいない静かな新しい市場のこと。
たとえば任天堂のWii Fitは「家でゲーム=男の子向け」だった世界に「家族の運動」という新しい青い海を作り出した例です。
👉 覚え方:青い海=新しい市場で1人勝ち、赤い海=血まみれ激戦。
ほかの選択肢:b コモディティ化=どこも似たり寄ったり(=レッドオーシャン側)/c 新事業育成期間/d 市場化の壁(キャズム/死の谷)はマーケティングの別概念。
なぜこれが正解か
正解は a。ブルーオーシャン戦略はキム&モボルニュ(2005)が提唱した、競争のない未開拓市場を創造する戦略。低コスト化と差別化を同時実現し競争自体を無意味にする。対義語はレッドオーシャン(競争激化の既存市場)。
各選択肢の解説
- b コモディティ化が進んだ既存市場 → レッドオーシャンの説明。差別化困難で価格競争に陥る。
- c 新事業アイディアをビジネスに育成する期間 → インキュベーション期間の説明。
- d 製品開発→市場化の障壁 → 死の谷(Valley of Death)・キャズム(Chasm) の説明。
覚え方・ひっかけ注意
「青=未開拓・平和」「赤=競争・血」の色イメージで対比記憶。戦略キャンバスとERRCグリッド(Eliminate/Reduce/Raise/Create)が分析ツールとして応用情報で出題される。bは紛らわしいので“既存/未知”のキーワードで識別。
理論的背景
キム&モボルニュ『Blue Ocean Strategy』(初版2005、拡張版2015、Blue Ocean Shift 2017)で体系化。従来のポーター流ポジショニング論が「差別化 or コストリーダーシップ」のトレードオフを前提としたのに対し、ブルーオーシャンはバリューイノベーションにより両立を狙う。分析ツールは(1)戦略キャンバス(競合と自社の価値曲線可視化)、(2)4つのアクション(ERRC)、(3)6つのパス(代替産業/戦略グループ/購買者グループ/補完財/機能感性訴求/トレンド)、(4)非顧客の3層(もうすぐ離れる/離れた/未開拓)の探索。
実務での使われ方
代表事例: シルク・ドゥ・ソレイユ(サーカス×演劇)、QBハウス(理容のセルフ化)、任天堂Wii(ライトユーザー)、Yellow Tail(ワイン参入障壁の除去)、Netflix(郵送→ストリーミング)。スタートアップではPMF(Product Market Fit)探索のフレーム、大企業ではジョブ理論(Jobs-To-Be-Done)と組み合わせて新規事業創出に活用される。逆にdigital age では「青い海」もネットワーク効果と高速模倣により短命化しがちで、Continuous Blue Ocean Renewalが課題。
試験での位置づけ
FE科目Aではストラテジ系『マーケティング戦略』の定番。応用情報・ITストラテジスト試験では、PPMの“問題児・花形・金のなる木・負け犬”、アンゾフの成長マトリクス(市場浸透/新市場/新製品/多角化)、ポーターの3つの基本戦略との比較、リーンスタートアップ(エリック・リース)・MVP・ピボットとの組み合わせ問題が増加傾向。
選択肢の発展補足
c新事業育成期間は“インキュベーション”あるいは“スタートアップフェーズ”の概念で、アクセラレーター(Y Combinator等)の役割と紐づく。dの“障壁”はムーア『キャズム』のメインストリーム市場移行困難・スティーブ・ブランクの“死の谷”・“ダーウィンの海”として技術経営(MOT)で頻出。これらを混同しないよう、各概念のオリジネーターと典型図(キャズム図/採用者カテゴリ図/ハイプ・サイクル)をセットで覚える。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和6年度 科目A 問17/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。