令和3年度80テクノロジ系

ITパスポート 令和3年度 問80:ネットワークに関する問題

IoTデバイス,IoTゲートウェイ及びIoTサーバで構成された,温度・湿度管理システムがある。IoTデバイスとその近傍に設置されたIoTゲートウェイとの間を接続するのに使用する,低消費電力の無線通信の仕様として,適切なものはどれか。

  • aBLE正答
  • bHEMS
  • cNUI
  • dPLC
正答:ABLE

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは a「BLE」 です。

BLEは「ブルートゥース・ロー・エナジー」の略で、電池が長持ちする近距離の無線です。スマートウォッチやワイヤレスイヤホンでおなじみのBluetoothの“省エネ版”だと思えばOK。温度や湿度のセンサーは近くの機器に少しのデータを送るだけなので、省エネ無線がぴったりです。

👉 覚え方:「BLEの“E”はエナジー(電力)をLow(低く)=省電力」。

ほかの選択肢:b HEMS=家庭の電気を見える化・管理する仕組み/c NUI=声やジェスチャーで操作する自然な使い方/d PLC=電線でデータを送る技術。どれも近距離の省電力無線ではありません。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は a(BLE)。BLE(Bluetooth Low Energy)はBluetooth 4.0で追加された低消費電力の近距離無線通信規格。ボタン電池で長期間動作するため、IoTデバイスと近傍のゲートウェイ間のような小容量・省電力通信に最適。

各選択肢の解説

  • b HEMS(Home Energy Management System):家庭のエネルギー使用を可視化・最適化するシステムであり、無線通信規格ではない。
  • c NUI(Natural User Interface):音声やジェスチャーなど自然な操作を実現するユーザインタフェースの概念。
  • d PLC(Power Line Communication):電力線を通信に使う有線技術。無線ではない。

覚え方・ひっかけ注意

設問のキーワードは『低消費電力』『無線』『近傍』。これを満たすのはBLEのみ。HEMS・NUIは『〜システム』『〜インタフェース』で通信規格ではないと切れる。PLCは『線』が付く=有線、と判断する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

IoT デバイスに使われる無線通信規格は「通信距離」「消費電力」「データ転送速度」「コスト」の4軸でトレードオフがあり、用途によって使い分けられる。

| 規格 | 通信距離 | 消費電力 | 主な用途 |

|---|---|---|---|

| BLE(Bluetooth Low Energy) | 〜100m | 極低 | センサ〜近傍GW間の近距離IoT |

| Wi-Fi(IEEE 802.11) | 〜100m | 中〜高 | 高速データ転送・スマートホーム |

| Zigbee | 〜100m | 低 | スマートホーム・産業センサ |

| LoRaWAN | 〜15km | 極低 | 農業・水道・広域IoT(LPWA) |

| Sigfox | 〜50km | 極低 | 広域・低頻度センシング(LPWA) |

| NB-IoT / LTE-M | 〜数km | 低 | セルラーIoT(LPWA) |

| 5G | 〜1km(密度) | 中 | 高速・低遅延・多数同時接続 |

本問の設定は「IoT デバイス ⇔ 近傍の IoT ゲートウェイ(近距離)・低消費電力」であり、BLE が最適解だ。BLE は Bluetooth 4.0(2010年)で追加された省電力プロファイルで、接続していない待機時の消費電力を極小化する「間欠通信」設計により、コイン電池(CR2032)で数か月〜数年の動作が可能。GATT(Generic Attribute Profile)でデータ構造を定義し、センサの測定値を定期的に通知(Notify)する用途に最適だ。

実務での使われ方と規格進化

BLE の最新動向

  • Bluetooth 5.0(2016年): 最大通信速度が 2Mbps(LE 2M PHY)、距離は Bluetooth 4.2 の最大4倍(Long Range / Coded PHY)へ向上
  • Bluetooth Mesh: 多数のデバイスがメッシュ状に通信できる構成。スマートビルの照明制御・工場センサネットワークに活用
  • Bluetooth LE Audio(2021年): 補聴器・TWS イヤホン向けの低遅延高品質音声伝送規格。Auracast(ブロードキャスト)も定義

IoT の二段階アーキテクチャ:本問が示す「IoT デバイス ↔(BLE)↔ IoT ゲートウェイ ↔(インターネット)↔ IoT サーバ」という構成は現実の IoT 設計の標準だ。電池駆動のセンサデバイスは BLE で省電力通信し、ゲートウェイで Wi-Fi/LTE/有線に変換してクラウドへ送る二段階方式が普及している。

試験での位置づけ

ITパスポートのテクノロジ系ネットワーク・IoT 分野で出題が急増している領域。近年は「低消費電力の無線通信=BLE」「広域の低消費電力=LPWA(LoRaWAN・Sigfox)」「高速・低遅延・多数同時接続=5G」という用途×規格の対応づけが問われる。本問のひっかけは選択肢 b の HEMS(ホームエネルギー管理システム)・c の NUI(自然ユーザーインタフェース)・d の PLC(電力線通信)で、いずれも「無線通信規格」ではない点を見抜くことが肝。略語の展開(Full Spell)と「何を指すか(規格 vs システム vs インタフェース vs 有線技術)」の区別が得点力を決める。

選択肢の発展補足

選択肢 b「HEMS(Home Energy Management System)」 は家庭内の電力・エネルギー使用を見える化・最適化するシステムの名称。太陽光発電・蓄電池・エアコン等を統合管理する。HEMS は「システム」の名前であり、通信規格の名前ではない。HEMS の宅内通信には BLE・Zigbee・Wi-Fi・PLC など複数の規格が組み合わせて使われることがあり、HEMS と BLE・PLC は「システム」と「手段」の関係。

選択肢 c「NUI(Natural User Interface)」 は声・ジェスチャー・タッチなど人間の自然な動作でコンピュータを操作する UI の概念。音声アシスタント(Siri・Alexa)・体感型ゲーム・タッチスクリーンが代表例。無線通信技術とは全く異なるカテゴリ(UI/UX の概念)であり、即座に除外できる。

選択肢 d「PLC(Power Line Communication: 電力線通信)」 は既存の電力線を通信媒体に使う技術。新規の配線工事が不要なメリットがあり、HEMS の宅内通信や EV 充電器の通信等で使われる。「無線ではなく有線技術」であることが除外理由で、本問の設定「近距離の無線通信」に合わない。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度80/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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