ITパスポート 令和3年度 問83:ソフトウェアに関する問題
多くのファイルの保存や保管のために,複数のファイルを一つにまとめることを何と呼ぶか。
- aアーカイブ正答
- b関係データベース
- cストライピング
- dスワッピング
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答えは a「アーカイブ」 です。
たくさんのファイルを1つの箱にまとめてしまっておくことをアーカイブといいます。引っ越しのとき、バラバラの小物を1つの段ボールにまとめると運びやすくて整理もしやすいですよね。あのイメージです。ZIPファイルがその代表です。
👉 覚え方:「アーカイブ=まとめて1つの箱に保管」。
ほかの選択肢:b 関係データベース=表でデータを管理する仕組み/c ストライピング=データを複数のディスクに分けて速く読み書きする技術/d スワッピング=メモリが足りないとき一部を別の場所に退避する仕組み。どれも『ファイルをまとめる』話ではありません。
なぜこれが正解か
正解は a(アーカイブ)。複数のファイルを一つにまとめることをアーカイブといい、保存・保管・配布の効率化が目的。圧縮を伴うZIPやtar形式が代表例。まとめる行為そのものを指す。
各選択肢の解説
- b 関係データベース:データを表(テーブル)形式で管理し、表同士を関連付けて扱うデータ管理方式。
- c ストライピング:RAID 0などで、データを複数のディスクに分散して書き込み、読み書きを高速化する技術。
- d スワッピング:主記憶(メモリ)が不足したとき、使用中でない領域を補助記憶に退避させて空きを作る仕組み。
覚え方・ひっかけ注意
キーワードは『複数のファイルを一つにまとめる』。アーカイブは“まとめる”、圧縮(compress)は“小さくする”で本来は別概念だが、ZIPのようにまとめ+圧縮を同時に行うツールが多い。ストライピング(分散して速く)と混同しないこと。
理論的背景
アーカイブ(Archive) は元来「記録書庫・公文書館」を意味するラテン語 archivum に由来し、IT 用語としては「複数のファイルを1つのファイルにまとめて保管する操作・またはその結果ファイル」を指す。まとめる(bundling) と 圧縮(compression) は本来独立した操作だが、日常的には組み合わせて使われることが多い。
主要アーカイブ・圧縮形式と特性:
| 形式 | 拡張子 | 操作 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| tar | .tar | まとめる(圧縮なし) | Unix/Linux でのファイル束ね |
| tar + gzip | .tar.gz / .tgz | まとめ+圧縮 | Linux ソフトウェア配布 |
| tar + bzip2 | .tar.bz2 | まとめ+圧縮(高圧縮) | より高い圧縮率が必要な場合 |
| ZIP | .zip | まとめ+圧縮 | Windows 標準・クロスプラットフォーム |
| 7-Zip | .7z | まとめ+圧縮(高圧縮) | オープンソース・高圧縮率 |
| RAR | .rar | まとめ+圧縮+分割 | 大容量アーカイブの分割配布 |
アーカイブ vs バックアップの違い(実務上重要):
- バックアップ: 障害・誤削除からの回復を目的とした複製。定期的に取得し短〜中期保存。
- アーカイブ: 長期保存・参照・コンプライアンスを目的とした退避。頻繁にアクセスしないデータをコールドストレージへ移動。
実務での使われ方
メールアーカイブ は特に重要な実務用途で、コンプライアンス(証拠保全・電子証拠開示 eDiscovery)・規制対応(金融 FINRA・医療 HIPAA 等)・社内調査のために全送受信メールを自動的に保存する仕組みだ。クラウドでは Microsoft 365 の「コンプライアンス センター」・Google Workspace の「Vault」が標準機能として提供している。
ソフトウェアデプロイ でもアーカイブが核心的な役割を果たす。JAR(Java ARchive)は Java のクラスファイルとリソースをまとめた標準形式で、Docker コンテナイメージも複数のレイヤをまとめた tar アーカイブが基底にある。これらを通じてアーカイブは「ソフトウェアの配布・デプロイの標準単位」として機能している。
試験での位置づけ
ITパスポートのソフトウェア・ファイル管理分野でアーカイブは「複数ファイルをまとめる」というシンプルな定義で問われる。本問の誤答選択肢はいずれもデータ管理・ストレージの重要語なので、アーカイブだけでなく全4語の定義をしっかり整理することが得点力につながる。「まとめる = アーカイブ」という即答を可能にしつつ、残り3語(関係データベース・ストライピング・スワッピング)の定義も関連テーマとして確実に抑えておきたい。
選択肢の発展補足
選択肢 b「関係データベース(リレーショナルデータベース)」 は表(テーブル)形式でデータを管理し、表同士を主キー・外部キーで関連付けて管理する方式。SQL で操作し、ACID 特性のトランザクション管理が可能。Oracle・PostgreSQL・MySQL・SQL Server が代表。「ファイルをまとめる」機能は持たない。E-R 図(本バッチ batch_05 の 3a6dc575)とも密接に関連するテーマだ。
選択肢 c「ストライピング」 はRAID 0 で複数のディスクに分散書き込みする技術で、読み書き速度を向上させる(冗長性はない)。「ファイルをまとめる」ではなく「データを分散する」という逆方向の操作。RAID の種類(0/1/5/6/10)と各特性(ストライピング/ミラーリング/パリティ)の区別は基本情報技術者試験の頻出テーマ。
選択肢 d「スワッピング」 はメモリ不足時に主記憶の使用中でない部分を補助記憶(スワップ領域)へ退避し、主記憶の空きを確保する仮想記憶技術(ページング)の一形態。「ファイルをまとめる」とは全く異なる目的(メモリ管理)の操作。スワッピングが頻発すると HDD/SSD のアクセスが増えてシステムが著しく遅くなる「スラッシング」という問題につながる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問83/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。