令和3年度86テクノロジ系

ITパスポート 令和3年度 問86:ネットワークに関する問題

店内に設置した多数のネットワークカメラから得たデータを,インターネットを介してIoTサーバに送信し,顧客の行動を分析するシステムを構築する。このとき,IoTゲートウェイを店舗内に配置し,映像解析処理を実行して映像から人物の座標データだけを抽出することによって,データ量を減らしてから送信するシステム形態をとった。このようなシステム形態を何と呼ぶか。

  • aMDM
  • bSDN
  • cエッジコンピューティング正答
  • dデュプレックスシステム
正答:Cエッジコンピューティング

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは c「エッジコンピューティング」 です。

ふつうはカメラの映像をそのまま遠くのサーバへ送りますが、それだとデータが重すぎます。そこで手元(カメラの近く)でいったん処理して、必要な情報だけに減らしてから送るやり方がエッジコンピューティング。『端っこ=エッジ』で先に下ごしらえするイメージです。

👉 覚え方:「エッジ=端っこ(現場側)。現場で処理して軽くして送る」。

ほかの選択肢:a MDM=会社のスマホ等をまとめて管理する仕組み/b SDN=ネットワークをソフトで柔軟に制御する技術/d デュプレックスシステム=予備機を用意して止まらないようにする構成。『現場で処理して減らす』はエッジです。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は c(エッジコンピューティング)。データの発生源(カメラ)の近くに配置した機器(IoTゲートウェイ)で処理を行い、必要なデータだけにしてからサーバへ送る形態。本問では映像解析で座標データだけ抽出し、通信量を削減している点がまさにエッジコンピューティング。

各選択肢の解説

  • a MDM(Mobile Device Management):スマートフォン等のモバイル端末を一元管理する仕組み。
  • b SDN(Software Defined Networking):ネットワーク機能をソフトウェアで柔軟に制御・構成する技術。
  • d デュプレックスシステム:現用系と待機系を用意し、障害時に切り替えて信頼性を高めるシステム構成。

覚え方・ひっかけ注意

キーワードは『発生源の近くで処理』『データ量を減らしてから送信』。これがエッジの定義。対義的な概念がクラウド(中央集約)。負荷分散・低遅延・通信量削減がエッジの利点と覚える。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

エッジコンピューティング(Edge Computing) は、データ処理をクラウド(中央のデータセンター)に集約するモデルから離れ、データ発生源に物理的に近い場所(エッジ) で前処理・解析を行うアーキテクチャだ。

エッジコンピューティングの利点:

| 利点 | 理由 |

|---|---|

| 低遅延 | ネットワーク往復遅延(RTT)がなく、リアルタイム制御が可能 |

| 通信量削減 | 生データでなく抽出・集約後のデータのみ送信 |

| プライバシー保護 | 映像等の生データを外部クラウドに送らずにローカル処理 |

| 可用性向上 | インターネット断時もローカルで処理継続可能 |

| コスト削減 | クラウドへの通信コスト・ストレージコストを低減 |

本問の具体例を分析すると:

  • 問題: 多数のネットワークカメラ映像を IoT サーバへ直接送ると膨大なデータ量・コストが発生する
  • 解決策: IoT ゲートウェイをエッジとして店舗内に設置し、映像解析で座標データだけ抽出してから送信する
  • 効果: データ量大幅削減(生映像 vs 座標データ)+映像の外部流出を防ぐプライバシー保護

この構成が「エッジコンピューティング」の教科書的なユースケースだ。

実務での使われ方と発展動向

MEC(Multi-access Edge Computing): 5G 基地局の近傍にコンピューティングリソースを配置する ETSI 標準アーキテクチャ。自動運転・工場自動化・AR/VR など超低遅延が必要なアプリケーションを支える。

エッジ AI: DeepMind や NVIDIA の TensorRT、Google の Edge TPU など、エッジデバイス向けの AI 推論チップが普及し、カメラ・IoT センサ上でリアルタイムに画像認識・異常検知ができるようになった。本問の「映像解析で人物座標を抽出」もまさにエッジ AI の典型応用だ。

フォグコンピューティング(Fog Computing): Cisco が提唱したクラウドとエッジの中間概念。ゲートウェイ・ルータなど「ネットワークの霧(Fog)」の中で処理するという比喩。エッジコンピューティングとほぼ同義で使われることが多い。

試験での位置づけ

ITパスポートのテクノロジ系ネットワーク・IoT システム構成分野で「エッジコンピューティング」は近年の頻出語だ。本問のように「現場近くで処理してからデータを送る」という具体シナリオから名称を答えさせる事例問題形式が最も多い。対義概念は「クラウドコンピューティング(中央集約)」で、「エッジ vs クラウド」の用途使い分けが問われる。本バッチの IoT ゲートウェイ問(c88ed07a)・アクチュエータ問とも密接に関連するため、IoT システムの全体アーキテクチャとして統合的に理解しておくのが効果的だ。

選択肢の発展補足

選択肢 a「MDM(Mobile Device Management)」 はスマートフォン・タブレット・ノートPC等の業務端末を一元管理する仕組み。端末へのポリシー適用・アプリ配布・紛失時の遠隔消去(リモートワイプ)が主機能。端末管理の概念であり、データを現場で処理するエッジコンピューティングとは目的・仕組みが異なる。

選択肢 b「SDN(Software Defined Networking)」 はネットワーク機器のデータ転送(データプレーン)と制御(コントロールプレーン)を分離し、ソフトウェアで集中的にネットワーク構成を管理する技術。OpenFlow が代表的なプロトコル。ネットワーク構成の柔軟な変更・自動化が目的で、データを現場で処理するエッジの概念とは異なる(ただし SDN とエッジを組み合わせたアーキテクチャも実在する)。

選択肢 d「デュプレックスシステム(Duplex System)」 は現用系と待機系を用意し、現用系に障害が発生した場合に待機系へ切り替えてサービスを継続する高可用性構成。常時両系で同一処理を行い結果を照合するデュアルシステムと対比して、信頼性設計の代表的な構成として頻出。「処理の冗長化・可用性向上」が目的であり、「データを現場で処理する」エッジコンピューティングとは目的カテゴリが異なる。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度86/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

テクノロジ系の他の過去問

55
security
56
database
57
database
58
technology_element
59
network

あなたの弱点を診断して、合格までの最短ルートを

この分野を連続演習し、AIがあなたの弱点を分析。合格ナビならITパスポートの過去問を解きながら学べます。