令和3年度92テクノロジ系

ITパスポート 令和3年度 問92:ネットワークに関する問題

IoT機器からのデータ収集などを行う際の通信に用いられる,数十kmまでの範囲で無線通信が可能な広域性と省電力性を備えるものはどれか。

  • aBLE
  • bLPWA正答
  • cMDM
  • dMVNO
正答:BLPWA

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは b「LPWA」 です。

IoTの機器(センサーなど)は、電池1本で何年も動かしたいし、遠くまで電波を飛ばしたい。でもデータは「気温は20度」くらいの少しでいい。

そういう“遠くまで届く+電池長持ち、でもデータは少しだけ”という都合のいい無線がLPWAです。名前のとおり Low(低)Power(電力)Wide(広い)Area(範囲)=「省エネで広いエリア」。

👉 覚え方:LPWA=Low Power Wide Area=省エネで遠くまで

ほかの選択肢:a BLE=数mのお手元用(イヤホンやスマートウォッチ)/c MDM=会社のスマホを管理する仕組み/d MVNO=格安SIMの会社。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は bLPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力で数km〜数十kmの広域通信ができる無線技術の総称。通信速度は遅いが、電池で長期間動く省電力性が特徴で、IoTのセンサーデータ収集に最適。LoRaWAN・Sigfox・NB-IoT などが代表例。

各選択肢の解説

  • a BLE(Bluetooth Low Energy):低消費電力だが通信距離は数m〜十数mと近距離。広域には不向き。
  • c MDM(Mobile Device Management):スマホ・タブレットを一元管理する仕組みで、無線技術ではない。
  • d MVNO:自前回線を持たず大手から借りて通信サービスを提供する事業者(格安SIM)。技術ではない。

覚え方・ひっかけ注意

「広域+省電力=LPWA」を直結で暗記。BLEは“近距離省電力”で対比して覚える。MDM・MVNOは「無線技術ではない」ので即除外できる。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

LPWA(Low Power Wide Area)は「低消費電力・広域カバレッジ・低速・低コスト」という4つの特性を兼備する無線通信技術の総称であり、2010年代中盤にIoTの普及とともに注目された。通信規格は大きく2系統に分類される。

ライセンスバンド系(セルラーLPWA):携帯通信キャリアが管理する周波数帯を使用。LTE-M(Cat-M1)とNB-IoT(Narrowband IoT)がITU-R IMT仕様に準拠した代表格で、既存のLTE基地局を流用できる利点がある。通信速度はLTE-Mが最大1Mbps、NB-IoTは数十kbpsに限定されるが、セキュリティと安定性は高い。

アンライセンスバンド系(非セルラーLPWA):免許不要の特定小電力周波数帯を使用。LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)はSemtech社のLoRa変調技術を採用し、最大通信距離は郊外で約10〜15km、都市部でも数km。Sigfoxはフランス発の超狭帯域(Ultra Narrow Band)方式で、送信データは1回12バイト以下に制限されるが消費電力が極めて少なく電池寿命10年超も実現できる。Suicaや電力メーターに使われるWi-SUN(IEEE 802.15.4g)も日本では普及している。

電池寿命を延ばす仕組みとしてPSM(Power Saving Mode:省電力スリープ)とeDRX(拡張非連続受信)があり、センサーが必要な時だけ起動して大半の時間は休眠するため、単3電池2本で5〜10年動作する機器も珍しくない。

実務での使われ方

電力・ガス・水道のスマートメーター自動検針が最大の導入事例で、日本では東京電力や東京ガスが大規模展開している。農業IoTでは土壌水分・気温・日照センサーを畑に設置し、遠隔地のサーバーでデータを集約して最適な灌漑タイミングを自動判定する。物流ではLPWA対応GPS発信機を荷物に取り付けた位置追跡が実用化されており、コールドチェーン(低温物流)では温度センサーと組み合わせた品質監視にも使われる。

都市インフラでは駐車場空き情報の自動収集(駐車スペースに磁気センサーを設置)、橋梁・トンネルの振動監視、河川水位の遠隔監視など、電源供給が困難な屋外設置用途でLPWAの省電力性が活かされる。

試験での位置づけ

ITパスポートのネットワーク・IoT分野で頻出。問題文に「数十km」「省電力」「IoT機器」のキーワードが揃えばLPWAが正解の最有力候補となる。近年は5G・Wi-Fi 6など高速通信技術の普及とともに「用途別の使い分け」を問う比較問題が増加している。

主要な無線技術の特性比較として整理しておくべき対比軸は「通信距離×消費電力×通信速度」の3軸。BLEは数m・超省電力・中速(ウェアラブル向け)、Wi-Fiは数十m・中電力・高速(屋内向け)、LTE/5Gは広域・高電力・高速(スマホ向け)、LPWAは広域・超省電力・低速(IoTセンサー向け)という4象限で整理すると上位資格でも応用が利く。

選択肢の発展補足

選択肢a(BLE):Bluetooth Low Energyはバージョン4.0(2010年)から採用された省電力モード。通信距離は通常10m以内で、心拍センサー・スマートロック・ビーコン(位置情報告知)・オーディオデバイスに使われる。Bluetooth 5.0以降はLong Rangeモードで最大400m程度まで延伸可能だが、LPWAの数十kmには遠く及ばない。IoT向けメッシュネットワーク規格「Bluetooth Mesh」も登場している。

選択肢c(MDM):Mobile Device Managementはスマートフォン・タブレットをIT部門が一元管理する仕組みで、無線通信技術ではなくソフトウェアプラットフォームである。アプリ配布・設定の強制・紛失時のリモートワイプなどが主機能。近年はPC・IoT機器まで対象を広げたUEM(Unified Endpoint Management)へ発展している。

選択肢d(MVNO):Mobile Virtual Network Operatorは、自社では無線基地局を保有せずにMNO(NTTドコモ等の大手キャリア)から帯域を借りてサービス提供する事業者(格安SIM)を指す。技術規格ではなく事業形態の区分。LPWAを活用したIoT接続をMVNOが提供するケースもあり、両者が同じ文脈で登場することがあるが、役割(通信技術 vs 事業者モデル)は全く異なる。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度92/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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