令和4年度62テクノロジ系

ITパスポート 令和4年度 問62:ネットワーク・無線LANに関する問題

アドホックネットワークの説明として、適切なものはどれか。

  • aアクセスポイントを経由せず、端末同士が相互に通信を行う無線ネットワーク正答
  • bインターネット上に、セキュリティが保たれたプライベートな環境を実現するネットワーク
  • cサーバと、そのサーバを利用する複数台のPCをつなぐ有線ネットワーク
  • d本店と支店など、遠く離れた拠点間を結ぶ広域ネットワーク
正答:Aアクセスポイントを経由せず、端末同士が相互に通信を行う無線ネットワーク

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは a「アクセスポイントを経由せず、端末同士が相互に通信」 です。

ふつうの無線(Wi-Fi)は、親機(アクセスポイント)という“中継ぎ役”を通してつながります。でもアドホックネットワークは、その親機なしで端末同士が直接つながる仕組みです。

たとえばゲーム機を2台、近くで直接つないで通信プレイするイメージ。間に何も置かず“その場限り”でつなぐ感じです。

👉 覚え方:アドホック=『その場限り・親機なしで直接つなぐ』。

ほかの選択肢:b 安全なトンネルを作るのはVPN/c サーバと複数PCの有線はふつうの社内LAN/d 遠い拠点同士を結ぶのはWAN。どれもアドホックの説明ではありません。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は a。アドホックネットワークは、アクセスポイント(基地局)を介さず、無線端末同士が直接(ピアツーピアで)相互に通信する無線ネットワークの形態。インフラ(固定設備)に依存せず、その場で臨時に構築できるのが特徴。

各選択肢の解説

  • b:『インターネット上にセキュアなプライベート環境を作る』はVPN(Virtual Private Network)の説明。
  • c:『サーバと複数PCをつなぐ有線』は一般的なクライアントサーバ型の有線LANの説明。
  • d:『遠く離れた拠点間を結ぶ』はWAN(Wide Area Network)の説明。

覚え方・ひっかけ注意

『アドホック=アクセスポイント“なし”で端末が直接つながる』が核心。アクセスポイント経由で接続する通常のWi-Fiは『インフラストラクチャモード』と呼び、対義語の関係。“親機なしの直接通信”というキーワードで判別する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

アドホックネットワーク(Ad-hoc Network)の正解aは「アクセスポイントを経由せず、端末同士が相互に通信を行う無線ネットワーク」である。「アドホック(ad hoc)」はラテン語で「この目的のために」を意味し、インフラ(固定したアクセスポイント・基地局)なしに必要に応じて臨時に形成されるネットワーク構成を指す。

無線ネットワークのトポロジは大きく2種類に分類される。①インフラストラクチャモード(Infrastructure Mode):固定したアクセスポイント(AP)を介してすべての端末が通信する。一般的なWi-Fiルータ経由の家庭・企業ネットワークがこれに相当する。②アドホックモード(Ad-hoc Mode):APなしで端末同士がP2P(Peer-to-Peer)で直接通信する。IEEE 802.11規格ではIBSS(Independent Basic Service Set)として定義されている。

アドホックネットワークを発展させた概念として「メッシュネットワーク(Mesh Network)」がある。各端末がルータ機能を持ち、パケットをリレーして到達範囲を拡大する動的自律ルーティングが特徴で、OLSR(Optimized Link State Routing)・AODV(Ad-hoc On-Demand Distance Vector)等のプロトコルが使われる。Wi-Fi 6のWi-FiメッシュシステムやZigBeeネットワークもこの考え方に基づく。

実務での使われ方

アドホックネットワークが実用的に使われる場面として以下がある。①軍事・緊急時通信:被災地や遠隔地でインフラが使えない状況でスマートフォン・特定端末間の直接通信が必要な場面。Bluetoothのアドホック接続や、Android・iOS の「Wi-Fi ダイレクト(Wi-Fi Direct)」がこれに相当する。②産業IoT:工場内のセンサーネットワーク(ZigBee・Zigbeeメッシュ等)で各センサーが中継機能を持ちつつデータを収集する構成。③一時的なファイル共有:AirDrop(Apple)やNearby Share(Android)は技術的にはアドホック的な直接通信でファイルを転送する。

選択肢bの「インターネット上にセキュリティが保たれたプライベートな環境を実現するネットワーク」はVPN(Virtual Private Network)の説明である。VPNはIPsec・TLS・WireGuardなどの暗号化トンネルプロトコルを使い、公衆インターネット上に仮想的な専用線を構築する技術で、リモートワーク時の企業ネットワーク接続や地理的制限の回避に使われる。

選択肢dの「遠く離れた拠点間を結ぶ広域ネットワーク」はWAN(Wide Area Network)の説明である。本社・支社間をMPLS・専用線・SD-WANで接続する企業ネットワークがこれに当たる。WANは通信事業者(NTT・KDDI等)が提供する回線サービスを利用して構成される。

試験での位置づけ

ITパスポートのネットワーク・無線LAN分野で「ネットワーク形態の識別(LAN・WAN・VPN・アドホック)」は頻出テーマである。本問のアドホックネットワークの核心的特徴は「アクセスポイントなし」「端末同士が直接通信」であり、VPN(b)・有線ネットワーク(c)・WAN(d)の定義との混同を排除する設問構造になっている。4種類の定義を「通信インフラの有無」「規模」「暗号化の目的」という3つの軸で整理することが得点につながる。

基本情報技術者(FE)では、IEEE 802.11シリーズ(Wi-Fi規格)の世代(802.11b/g/n/ac/ax)・周波数帯(2.4GHz・5GHz・6GHz)・セキュリティ規格(WEP・WPA・WPA2・WPA3)の詳細が問われる。さらにBluetooth・NFC・ZigBee・LPWA(LoRa・Sigfox・NB-IoT)などの近距離・IoT向け無線通信規格との特性比較が重要な出題領域となる。応用情報(AP)では5G・Wi-Fi 6Eの技術的特徴、SDN(Software Defined Networking)との組み合わせ、無線LAN設計のセル配置・チャネル干渉対策まで問われる。

選択肢の発展補足

選択肢cの「サーバと複数台のPCをつなぐ有線ネットワーク」はLAN(Local Area Network)の説明として概ね正確だが、LANは有線に限らず無線LAN(Wi-Fi)も含む概念である。クライアント・サーバモデルでのLAN構成では、L2スイッチ(イーサネットスイッチ)がMACアドレスベースのフレーム転送を行い、L3スイッチまたはルータがIPアドレスベースのルーティングを行う。VLANを使ったネットワーク論理分割、PoE(Power over Ethernet)による機器への電力供給、STP(Spanning Tree Protocol)によるループ防止など、企業LANの詳細設計技術は基本情報・ネットワークスペシャリスト試験の主要テーマである。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度62/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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