令和5年度74テクノロジ系

ITパスポート 令和5年度 問74:aiに関する問題

ニューラルネットワークに関する記述として,最も適切なものはどれか。

  • aPC,携帯電話,情報家電などの様々な情報機器が,社会の至る所に存在し,いつでもどこでもネットワークに接続できる環境
  • b国立情報学研究所が運用している,大学や研究機関などを結ぶ学術研究用途のネットワーク
  • c全国の自治体が,氏名,生年月日,性別,住所などの情報を居住地以外の自治体から引き出せるようにネットワーク化したシステム
  • dディープラーニングなどで用いられる,脳神経系の仕組みをコンピュータで模したモデル正答
正答:Dディープラーニングなどで用いられる,脳神経系の仕組みをコンピュータで模したモデル

AI解説(初心者・標準・上級)

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは d です。

私たちの脳の中では、「神経細胞(ニューロン)」という小さな部品が手をつなぐようにつながって、情報をリレーしながら「考える・覚える」をしています。

この“脳のつながり方をマネして”コンピュータの中に作ったものがニューラルネットワークです。名前も「ニューロン(=神経)」からきています。AIが写真を見て「これは猫だ!」と当てられるのも、この仕組みのおかげです。

👉 覚え方:「ニューラル=脳の神経」=脳をマネした技術。

ほかの選択肢:a はユビキタス(どこでもネットにつながる環境)/b は学術ネットワーク(SINET)/c は住民基本台帳ネットワーク。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。ニューラルネットワークは、脳の神経細胞(ニューロン)の結合構造をコンピュータ上で模した数理モデル。入力層・中間層・出力層のノードを重み付きでつなぎ、ディープラーニング(深層学習)の基盤として画像・音声・自然言語処理に広く使われる。

各選択肢の解説

  • a:ユビキタスネットワーク(いつでもどこでも機器がネットに接続できる環境)。
  • b:SINET(国立情報学研究所が運用する学術研究用ネットワーク)。
  • c:住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)。

覚え方・ひっかけ注意

選択肢に“ネットワーク”が並ぶが、d だけ「脳神経系の模倣=AI技術」。「ニューラル=神経」と直結させれば即答できる。階層関係 AI ⊃ 機械学習 ⊃ ディープラーニング も合わせて押さえる。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

ニューラルネットワーク(NN)は、1943年にMcCullochとPittsが人工ニューロンの数学モデルを発表したことに端を発する。各ニューロンは入力 x_i に重み w_i を乗じた総和にバイアス b を加え(線形結合 z = Σw_i x_i + b)、さらに非線形な活性化関数 f(z) を通して次層へ出力 a = f(z) を伝える。複数の隠れ層(中間層)を持つ構造が「ディープニューラルネットワーク(DNN)」であり、これを用いる学習手法がディープラーニングと呼ばれる。ディープラーニングの実用化を支えた技術的転換点は、2012年のImageNetコンペティションでAlexNetが圧倒的精度で優勝した「AIの冬の終わり」であり、GPU並列計算・大規模データセット・ReLU活性化関数・ドロップアウト正則化の組み合わせが成功要因だった。学習における重みの更新は誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)と確率的勾配降下法(SGD)の組み合わせで実現され、Adam・AdaGrad等の最適化アルゴリズムがその発展形として広く使われている。

実務での使われ方

ニューラルネットワークの応用は構造のバリエーションによって分野が分かれる。CNN(畳み込みNN)は空間的局所パターンを捉える特性から画像認識・医療画像診断・自動運転の物体検出に使われ、X線画像からのがん検出精度が専門医水準を超えた事例が複数報告されている。RNN(再帰型NN)とその発展形LSTM(長短期記憶)は時系列・言語データを扱い、機械翻訳・音声認識の基盤となった。現在の生成AI(ChatGPT、Claude等)はTransformerアーキテクチャ(2017年、Vaswaniらが"Attention is All You Need"で発表)に基づく大規模言語モデル(LLM)であり、自己注意機構(Self-Attention)で長距離依存を捉える。これらはいずれもニューラルネットワークの一形態である点を把握することが技術動向理解の要となる。

試験での位置づけ

ITパスポートにおけるAI分野は、2020年代に入って出題比率が急上昇しており、2024〜2025年度のシラバス改訂でも生成AI・LLMが新規追加された。本問のように「AIの階層(AI⊃機械学習⊃ディープラーニング)」とニューラルネットワークの位置づけを問う問題は安定頻出であり、合わせて「教師あり・教師なし・強化学習」「学習データ・訓練・テスト」「過学習(オーバーフィッティング)」も関連キーワードとして押さえておく必要がある。選択肢a〜cはユビキタス・学術NW・住基ネットという"ネットワーク系"用語を並べることで「neural networkという名前からネットワーク関連では?」という連想を誘うひっかけ設計になっている。基本情報技術者では活性化関数の具体的な種類と特性、過学習と正則化(ドロップアウト・L1/L2正則化)まで出題される。

選択肢の発展補足

選択肢aのユビキタスコンピューティングはMark Weiserが1991年に提唱した概念で、コンピューターが環境に溶け込み意識せずに使える状態を指す。IoT時代の理念的基盤となっており、ITパスポートでは独立した用語として別途問われることがある。選択肢bのSINET(Science Information NETwork)は国立情報学研究所(NII)が運営する日本の学術研究用バックボーンネットワークであり、全国約1000の大学・研究機関を高速接続する。選択肢cの住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)は2002年に稼働した自治体間情報連携システムで、マイナンバー制度(2015年〜)の前身的役割を担った。これら3選択肢はすべて「ネットワーク」に関連するが、AI・機械学習技術とは全く異なる領域の用語であり、名称の語感による混同を防ぐ意識が重要である。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度74/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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