令和5年度98テクノロジ系

ITパスポート 令和5年度 問98:networkに関する問題

IoT機器であるスマートメーターに関する記述として,適切なものはどれか。

  • aカーナビゲーションシステムやゲームコントローラーに内蔵されて,速度がどれだけ変化したかを計測する。
  • b住宅などに設置され,電気やガスなどの使用量を自動的に計測し,携帯電話回線などを利用して供給事業者にそのデータを送信する。正答
  • cスマートフォンやモバイルPCなどのモバイル情報端末に保存しているデータを,ネットワークを介して遠隔地から消去する。
  • d歩数を数えるとともに,GPS機能などによって,歩行経路を把握したり,歩行速度や道のアップダウンを検知して消費エネルギーを計算したりする。
正答:B住宅などに設置され,電気やガスなどの使用量を自動的に計測し,携帯電話回線などを利用して供給事業者にそのデータを送信する。

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答えは b です。

スマートメーターは「賢い(スマート)メーター(計測器)」のこと。家の電気やガスの使った量を自動で測って、その数字を通信で電力会社・ガス会社へ自動送信してくれます。検針員さんが家に来なくても済む、というわけですね。

👉 覚え方:スマートメーター=「自動で測って、自動で会社に送る“賢い検針器”」。

ほかの選択肢:a 速度の変化を測る(加速度センサー)/c 遠くから端末のデータを消す(リモートワイプ)/d 歩数や歩いた道を記録(活動量計・GPS)。どれもスマートメーターとは別の機器の説明です。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は b。スマートメーターは、住宅などに設置して電気・ガスなどの使用量を自動計測し、通信回線(携帯電話回線など)を通じて供給事業者へデータを送信するIoT機器。遠隔検針や使用量の見える化、需要に応じた管理を可能にする。

各選択肢の解説

  • a:速度変化(加速度)を計測するのは加速度センサー(カーナビ・ゲーム機等に内蔵)。
  • c:モバイル端末のデータを遠隔から消去するのはリモートワイプ(MDMの機能)。
  • d:歩数・歩行経路・消費エネルギーを計測するのは活動量計(ウェアラブル端末)

覚え方・ひっかけ注意

スマートメーターは「メーター(計量器)=使用量を測って自動送信」が核。a〜dはどれも“何かを計測する機器”で紛らわしいが、計測対象が「電気・ガスの使用量」で「供給事業者へ送る」のがスマートメーター。計測対象で見分ける。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

スマートメーターはIoT(Internet of Things)の実世界への大規模適用事例であり、従来アナログだった計量インフラをデジタル通信と融合させたインフラシステムである。技術的構成は「センシング層(計量センサ)→通信層(Aルート: 電力会社向け、Bルート: 需要家向けの2系統)→サービス層(クラウド・HEMS/BEMS)」の三層アーキテクチャで成り立つ。Aルートは電力会社のセンターとスマートメーター間の通信を担い、日本ではSUN(Smart Utility Network)と呼ばれる920MHz帯Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)規格(IEEE 802.15.4g準拠)が採用され、マルチホップメッシュ通信によって直接通信できない端末にも中継機能で対応する。Bルートは需要家(消費者・HEMS機器)とメーター間の通信であり、こちらも920MHz帯のBルート認定済みの機器(家庭内エネルギー管理システム・スマートホーム機器)が直接アクセスできる。経済産業省の指針では2030年代に向けた次世代スマートメーター(プログラマブル型)への移行も計画されており、動的電気料金制度・デマンドレスポンス(ピーク時の電力需要調整)との連動が想定されている。

実務での使われ方

スマートメーターの普及により電力産業に根本的な変革が起きている。自動検針(AMI: Advanced Metering Infrastructure)によって検針員の訪問が不要となり、30分単位の消費量データをリアルタイムに把握することで「節電効果の可視化」「異常消費の早期発見(漏電・機器故障の検知)」「時間帯別料金体系(スマートプライシング)」が実現された。再生可能エネルギー(太陽光・蓄電池)の自家発電・余剰電力売電(FIT・FIP制度)においてもスマートメーターが正確な双方向計量の基盤となっている。セキュリティの観点では、スマートメーターが大規模インフラの通信ノードとなることで「大規模サイバー攻撃の標的」になりうるリスクがあり、NIST IR 7628(スマートグリッドサイバーセキュリティ指針)等の規格に基づいた暗号化通信・認証・耐タンパー性(物理的改ざん防止)の確保が要件化されている。

試験での位置づけ

スマートメーターはIoTデバイスの具体例として近年のITパスポートで出題頻度が上がっている。本問のように他のIoTデバイス事例(加速度センサ=選択肢a、リモートワイプ=選択肢c、活動量計=選択肢d)と並べて「これはスマートメーターの記述か」を識別させる設問形式が典型的である。「電気・ガスの自動計測と供給事業者への自動送信」という記述がスマートメーターを特定する決定的なキーワードとなっている。近年の出題トレンドとして、IoTのセキュリティリスク(脆弱なデバイスのボットネット化・DDoS攻撃への悪用)とスマートシティ・スマートグリッドの社会実装が問題の背景として登場している。基本情報技術者ではIoTアーキテクチャ(エッジ・フォグ・クラウドの3層構成)、IoT通信プロトコル(MQTT・CoAP・AMQP)、LPWA技術(LoRaWAN・NB-IoT・Wi-SUN)の特性比較まで踏み込んで問われる。

選択肢の発展補足

選択肢aの「速度変化を計測する」はジャイロスコープ(角速度)ではなく加速度センサ(Accelerometer)の説明であり、カーナビの方位・傾き検知、ゲームコントローラーの動き検知、スマートフォンの画面回転・歩数カウントに広く使われる。IoTの文脈ではウェアラブルデバイス・工作機械の振動モニタリングに活用されるセンサである。選択肢cの「ネットワークを介した遠隔データ消去」はリモートワイプ(Remote Wipe)またはモバイルデバイス管理(MDM: Mobile Device Management)の機能であり、スマートフォン・ノートPCの紛失・盗難時に個人情報・業務データを遠隔から消去する企業セキュリティ対策として標準的に使われる。選択肢dの「歩数・GPS・消費エネルギー計算」は活動量計(フィットネストラッカー:Fitbit・Apple Watch等)の説明である。これらのデバイスはヘルスケアIoTの代表例であり、心拍数・SpO2・睡眠パターンを連続モニタリングして健康管理・疾患早期発見への応用が進んでいる。4選択肢はすべて「IoTデバイス+通信機能」という共通属性を持ちながら、用途(計量・センシング・セキュリティ・ヘルスケア)が全く異なる好問設計である。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度98/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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