ITパスポート 令和7年度 問36:service_managementに関する問題
合意したサービス提供時間帯のうち,実際に顧客がITサービスを利用できた時間の割合で表されるものはどれか。
- a可用性正答
- b機能性
- c効率性
- d使用性
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答えは a「可用性」 です。
お店に例えると、「朝9時〜夜6時まで開けます」と約束したのに、急に休んだら困りますよね。約束した時間のうち、ちゃんと“開いていてサービスを使えた割合”が可用性です。
たとえば10時間使えるはずが、故障で1時間止まったら「9÷10=90%」という感じ。高いほど「いつでも使えて安心」ということです。
👉 覚え方:「可用性」=“使える率”。止まらないほど高い。
ほかの選択肢:b 機能性=必要な機能がちゃんとあるか/c 効率性=少ない資源でテキパキ動くか/d 使用性=使いやすさ(迷わず操作できるか)。
なぜこれが正解か
正解は a。可用性(Availability)は、合意したサービス提供時間帯のうち、実際に利用できた時間の割合を指す。計算式は「稼働時間 ÷(稼働時間+停止時間)×100」で表され、ITサービスマネジメント(SLA)の代表的な指標。
各選択肢の解説
- b 機能性:要求された機能を備えているかという品質特性。
- c 効率性:投入した資源(時間・コスト・処理量)に対する成果の度合い。
- d 使用性:利用者にとっての使いやすさ・分かりやすさ。
覚え方・ひっかけ注意
b〜dはソフトウェアの品質特性で、可用性とは別の軸。問題文に「利用できた時間の割合」とあれば即「可用性」。「割合」「時間」のキーワードに反応する。
可用性の定量的定義と計算
可用性(Availability)はITIL・ISO/IEC 20000においてサービスマネジメントの中核指標の一つとして定義されており、公式的には次の式で算出される。
可用性(%)=(合意したサービス提供時間 - ダウンタイム)÷ 合意したサービス提供時間 × 100
たとえばSLAで「月720時間のサービス提供時間を保証」と合意している場合、実際のダウンタイムが7.2時間であれば可用性は(720-7.2)÷720×100=99.0%となる。設問の定義「合意したサービス提供時間のうち実際に顧客が利用できた時間の割合」はこの公式と一致している。
高可用性(HA)設計の実務的手法
実務で99.9%・99.99%等の高可用性(HA:High Availability)を実現するための技術的手法は多岐にわたる。(1)冗長化(Redundancy):サーバー・ネットワーク・ストレージを二重化(デュアル構成)または多重化し、単一障害点(SPOF)を排除する。(2)フェイルオーバー:主系障害時に自動で副系へ切り替える仕組み。(3)ロードバランサー:複数サーバーへのトラフィック分散で負荷を均等化し、単一サーバー過負荷のリスクを下げる。(4)BCP(事業継続計画)/DR(ディザスタリカバリー):データセンター災害時のバックアップサイトへの切り替え手順。クラウドサービスでは「マルチAZ(複数の可用性ゾーン)」や「マルチリージョン」構成でHAを実現するのが標準的。
誤答選択肢の正確な位置づけ
- 選択肢b(機能性):製品・システムが必要な機能を持っているか(機能の充足度)を示す品質特性。ISO/IEC 25010の品質モデルの「機能適合性」に対応。「何ができるか」の問い。
- 選択肢c(効率性):資源(CPU・メモリ・時間等)に対してどれだけの性能を発揮するかを示す品質特性。ISO/IEC 25010の「性能効率性」に対応。「速く・少ない資源で動くか」の問い。
- 選択肢d(使用性):ユーザーが使いやすいか・習得しやすいかを示す品質特性。ISO/IEC 25010の「使用性(Usability)」に対応。アクセシビリティもこの下位特性として含まれる。
試験での位置づけとSLAとの関係
テクノロジ系「サービスマネジメント・システム品質」の頻出テーマ。可用性はSLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)に記載される代表的な指標であり、「SLAに記載される指標として適切なものはどれか」という形式でも出題される。ITIL(Information Technology Infrastructure Library)のサービス継続管理・可用性管理・キャパシティ管理との関係も押さえておくと応用問題に対応できる。「利用できた時間の割合」というシンプルな定義が可用性の確実な識別子。
選択肢の発展補足
可用性(Availability)はRAS(Reliability・Availability・Serviceability)という品質属性の三要素の一つとして、ハードウェアおよびシステムの信頼性評価に使われる概念でもある。信頼性(Reliability)は「故障せずに動作し続ける能力」、保守性(Serviceability)は「故障した場合に素早く修復できる能力」を指し、MTBFおよびMTTRという指標で定量化される。可用性の高い値(99.999%=「ファイブナイン」)を達成するためにはMTBF(平均故障間隔)を長くし、MTTR(平均修復時間)を短くする設計が必要であることも基本情報技術者以上では問われる重要知識である。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問36/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。