ITパスポート 令和7年度 問37:service_managementに関する問題
ITサービスマネジメントに関して,次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。「[a]はサービス提供者と顧客との間で合意されたサービス品質に関する合意書である。[a]の遵守状況を確認し,ITサービスの品質を維持・改善させるための活動が[b]である。」[表] ア: a=NDA, b=SCM / イ: a=NDA, b=SLM / ウ: a=SLA, b=SCM / エ: a=SLA, b=SLM
- aa=NDA, b=SCM
- ba=NDA, b=SLM
- ca=SLA, b=SCM
- da=SLA, b=SLM正答
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答えは d「a=SLA, b=SLM」 です。
SLAは「このくらいの品質でサービスしますね」という“約束の紙”(合意書)。SLMはその約束を守れているか“ずっとチェックして良くしていく活動”です。
お店で言えば、SLA=「10分以内に料理を出します」という約束のメニュー表、SLM=「ちゃんと10分で出せてる?遅れてない?」と毎日見直すこと、というイメージです。
👉 覚え方:SLA=Agreement(合意・約束)/SLM=Management(管理・改善)。
ほかの選択肢のNDAは「秘密を守る約束(秘密保持契約)」で、サービス品質とは別物です。
なぜこれが正解か
正解は d。SLA(Service Level Agreement)はサービス提供者と顧客が合意したサービス品質の合意書。SLM(Service Level Management)はそのSLAの遵守状況を継続的に監視・報告・レビューし、品質を維持・改善する管理活動。「合意書=SLA」「それを回す活動=SLM」の対応関係が問われている。
各選択肢の解説
- NDA(Non-Disclosure Agreement):秘密保持契約。品質ではなく機密保持の約束。
- SCM:サプライチェーンマネジメント(部材調達〜供給の最適化)の略として使われ、サービス品質管理ではない。
覚え方・ひっかけ注意
NDAは「秘密の約束」、SLAは「品質の約束」と区別。語尾の A=Agreement(合意書=静的な文書)、M=Management(管理=動的な活動)で役割を見分ける。
SLA・SLMの理論的背景とITILにおける位置づけ
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)とSLM(Service Level Management:サービスレベル管理)はITIL(IT Infrastructure Library)のサービスデザイン・サービス改善フェーズの中核概念である。ITILv4ではSLMは「サービス管理プラクティス」の一つとして、SLAの合意・モニタリング・レビュー・改善のサイクルを継続的に回す活動として定義される。NDA(Non-Disclosure Agreement:秘密保持契約)は守秘義務を取り決めるビジネス文書で、サービスレベルとは無関係である点が本問の核心。
SLAの記載内容と実務上の要件
実際のSLAには次の要素が記載される。(1)サービスの対象範囲:対象業務・システム・ユーザー。(2)可用性目標:例「月間稼働率99.9%以上」。(3)応答時間目標:例「インシデント重大度1の場合、受付後30分以内に初動対応」。(4)対応時間:例「平日9:00〜18:00」。(5)ペナルティ/クレジット条件:SLA違反時の返金・補償規定。(6)レポーティング:月次報告の形式・頻度・内容。SLAはサービス提供者とユーザー間の合意書であるが、さらに内部的にOLA(Operational Level Agreement:運用レベル合意)や外部委託先とのUC(Underpinning Contract)を体系化する場合もある。
SCMとの混同を避ける整理
選択肢cの「SCM(Supply Chain Management)」はNDA・SCMという組み合わせで設問に現れるが、これはサービスマネジメントのSLM(Service Level Management)とは全く別概念である。SCMは「原材料調達から製造・物流・販売に至るモノの流れ(サプライチェーン)を統合管理する手法」であり、ITサービスの品質管理とは無関係である。この「SCM(Supply Chain)」と「SLM(Service Level)」の混同を誘う選択肢構成は定番のひっかけパターンである。
試験での位置づけと出題パターン
マネジメント系「サービスマネジメント」の最頻出問題の一つ。「SLAとSLMの関係を問う穴埋め形式」は過去問に繰り返し登場する。正答確定のポイントは「サービス品質に関する合意書=SLA」「その遵守を確認し改善する活動=SLM」という二対の定義を瞬時に引き出せるか。NDA(守秘)とSLA(サービス品質)の混同は「Aで始まる英略語」という表面的な類似から生じるため、定義の違いを明確に区別する訓練が必要。
選択肢の発展補足
SLAとITSM(ITサービスマネジメント)の文脈では、SLMの他に「可用性管理(Availability Management)」「容量・パフォーマンス管理(Capacity Management)」「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」がITILの主要プラクティスとして並んで出題される。特にインシデント管理(サービス中断・障害の迅速な復旧)と問題管理(根本原因の特定・再発防止)の区別も頻出。基本情報技術者ではITILのサービスライフサイクル全体(サービスストラテジ→サービスデザイン→サービストランジション→サービスオペレーション→継続的サービス改善)の中でSLMがどのフェーズに属するかまで問われる場合がある。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問37/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。