ITパスポート 令和7年度 問71:networkに関する問題
携帯電話で用いられる電波に関する次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。「電波には,周波数が[a]ほど回り込みやすくなり障害物の裏にも届きやすいという性質がある。日本国内の携帯電話で使用される周波数のうち,700[b]帯〜900[b]帯の周波数帯域はこの性質をもちつながりやすいことなどから,プラチナバンドと呼ばれている。」[表] ア: a=高い, b=GHz / イ: a=高い, b=MHz / ウ: a=低い, b=GHz / エ: a=低い, b=MHz
- aa=高い, b=GHz
- ba=高い, b=MHz
- ca=低い, b=GHz
- da=低い, b=MHz正答
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答えは d(a=低い、b=MHz) です。
電波には、周波数が低いほど障害物の裏側に回り込みやすい性質があります。声でいうと、低い音は壁の向こうにも届きやすいのと似ています。
だから低い周波数の電波はビルの陰や室内でもつながりやすく、これを「プラチナバンド(=とても価値の高い帯)」と呼びます。その範囲が700〜900のMHz帯です。
👉 覚え方:「低い電波は回り込んでよくつながる=プラチナ」。単位はMHz。
ほかの選択肢:a・bは「高い」が誤り、cは単位GHzが誤りです。
なぜこれが正解か
正解は d。電波は周波数が低い[a]ほど波長が長く、回折(障害物の裏側へ回り込む)しやすい。よって建物の陰や屋内でもつながりやすい。日本の携帯電話で700〜900のMHz[b]帯がこの性質をもち、つながりやすさから「プラチナバンド」と呼ばれる。
各選択肢の解説
- ア a=高い, b=GHz:両方とも誤り。
- イ a=高い, b=MHz:aが誤り(高い→回り込みにくい)。
- ウ a=低い, b=GHz:bが誤り。プラチナバンドは数百MHz帯。
覚え方・ひっかけ注意
「低い周波数=波長が長い=回り込む=つながりやすい=プラチナ」と一直線で覚える。単位は700〜900という数字に「MHz」が付く(GHzだと70万〜90万MHz相当で桁が違う)。逆に高周波(GHz帯)は直進性が強く高速だが届きにくい、と対で押さえる。
理論的背景
電波の回り込み特性(回折:Diffraction)は電磁波の物理的性質であり、一般に波長が長い(周波数が低い)ほど障害物の回り込みが強くなる。正解はd(a=低い, b=MHz)である。
電波の物理的特性を詳述する。電波の回折能力はホイヘンスの原理で説明される。障害物のエッジに電波が当たると、そのエッジが新たな波源となって影になる領域にも電波が届く。この回折の強さは「フレネルゾーン」の概念で定量化され、低周波ほど大きな回折が生じる。700MHz〜900MHz帯(波長約33〜43cm)はビルや山岳地形の裏側にも電波が届きやすく、「プラチナバンド」と呼ばれる所以がここにある。
日本でのプラチナバンドの歴史的経緯も重要である。700MHz帯・800MHz帯・900MHz帯は地上アナログテレビ放送(2011年停波)・防衛省・特定省庁が使用していた周波数帯であり、アナログ停波後に再割り当てが行われた。NTTドコモが800MHz帯・SoftBankが900MHz帯・KDDIが800MHz帯・Rakuten Mobile(後に楽天モバイル)が再割り当て交渉を経て取得した。楽天モバイルは2023年にプラチナバンド(700MHz帯)の割り当てを受け、長年の課題だった屋内・農村部のカバレッジ改善に向けて展開中である。
実務での使われ方
携帯電話のネットワーク設計ではバンドプランニング(周波数帯の役割分担)が通信品質の核心となる。低周波数帯(プラチナバンド)はカバレッジ(面的な通信エリア)に優れ、高周波数帯は通信容量(ビット/秒)に優れるという特性の使い分けが基本戦略である。
5G(第5世代移動通信)の周波数体系はこの特性を最大限に活用した設計となっている。Sub-6GHz帯(FR1:3.4〜4.2GHz・4.4〜5.0GHz):広域カバレッジと適度な通信容量のバランス。ミリ波(FR2:28GHz・39GHz帯):超高速・超大容量だが減衰が大きく主に密集した商業施設・スタジアム等の屋内での超高密度通信に使用。また5Gのエンジニアリング課題として「プラチナバンド(700MHz帯)での5G展開が広域カバレッジに不可欠」という認識があり、各キャリアがプラチナバンドでの5G展開を加速させている。
試験での位置づけ
電波の周波数と回り込み特性はITパスポートのネットワーク分野(無線通信・IoT関連)で出題される概念であり、「低周波数=長波長=回り込みやすい」「高周波数=短波長=直進性強・大容量」という対比を整理しておくことが正答への鍵である。本問の穴埋め形式では「低い」「MHz」という2つの組合せを問うており、プラチナバンドが「MHz帯(GHzではない)」であることの認識も必要となる。700MHz帯と700GHz帯を混同しないこと、GHzはMHzの1000倍という単位換算も押さえておく。
基本情報技術者試験ではIEEE 802.11シリーズの各規格(Wi-Fi 4/5/6/6E/7に対応する802.11n/ac/ax/ax/be)の周波数帯・通信速度・特徴、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術の概念まで出題される。
選択肢の発展補足
選択肢aの「高い, GHz」という組合せは誤りであるが、5GのミリWave(28GHz等)という文脈を知っていると「高い周波数がある」と混同しやすい落とし穴である。高い周波数(GHz帯)は「直進性が強く・大容量だが障害物に弱い」という真逆の特性を持つ。選択肢bの「高い, MHz」も同様で、高周波数MHzは低周波数帯のGHzと比較して「高い」という表現が指す対象に注意が必要である。プラチナバンドの700MHz帯は高周波数帯の2.4GHz(2400MHz)と比較すれば明らかに「低い」周波数であり、本問の文脈では700MHz〜900MHzという絶対値を「低い」と判断することが必要である。選択肢cの「低い, GHz」は、700MHzをGHz単位で表記すると0.7GHzになり技術的には表現可能だが、実際の周波数規格の文書では「700MHz帯」と表記されるためMHzが正確である。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問71/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。