ITパスポート 令和7年度 問96:softwareに関する問題
OSS (Open Source Software) に関する次の記述のうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。a: 個人だけではなく,企業や団体が開発したソフトウェアもある。b: 著作権が放棄されている。c: 入手したソフトウェアは,自由に再配布してもよい。
- aa, b
- ba, b, c
- ca, c正答
- db, c
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答えは c「a, c」 です。
OSS(オープンソースソフトウェア)は、設計図にあたる中身(ソースコード)を公開していて、みんなで自由に使えるソフトです。
a「会社や団体が作ったものもある」→ その通り。趣味の個人だけでなく、大きな会社も作っています。
c「もらったものを人に配り直してOK」→ その通り。これがOSSの大きな特徴です。
b「著作権を捨てている」→ これはマチガイ。作った人の権利(著作権)はちゃんと残っていて、「このルールを守れば自由に使っていいよ」と許可しているだけです。
👉 覚え方:OSSは「権利を捨てた」のではなく「みんなで使える許可をくれた」。
なぜこれが正解か
正解は c(a, c)。OSSは、利用・改変・再配布が認められ、ソースコードが公開されているソフトウェア。
- a:正しい。個人だけでなく企業・団体・コミュニティが開発するOSSも多い(Linux、Firefox等)。
- c:正しい。OSSライセンスでは入手したソフトウェアの再配布が原則認められる。
誤りの選択肢
- b:誤り。著作権は放棄されていない。著作権者が「ライセンス条件を守れば自由に使ってよい」と許諾しているだけで、権利自体は残る。著作権が放棄(パブリックドメイン化)されているわけではない。
ひっかけ注意
「無料だから権利も放棄」と早合点しがち。OSSは"権利を保持したまま自由利用を許諾"がポイント。bが入る選択肢(a,b/a,b,c/b,c)はすべて誤りと判断できる。
理論的背景
OSSはFree Software Foundationが1980年代に提唱した「フリーソフトウェア」運動を出発点とし、1998年にOpen Source Initiativeが「オープンソース」という概念を定義した。OSIの定義(OSD: Open Source Definition)は10箇条からなり、その中核は「ソースコードの自由な入手」「派生物の自由な再配布」「差別なく誰でも利用可能」という三原則である。重要なのは著作権の「放棄」ではなく「ライセンスによる条件付き許諾」であるという点だ。CopyleftライセンスであるGPL(GNU General Public License)は「改変・再配布する場合は同一ライセンスを継承しなければならない」という感染性条項を持ち、著作権を積極的に活用して自由な利用を保護する逆説的な仕組みを採る。一方、MITライセンスやApache License 2.0はPermissiveライセンスと呼ばれ、再配布時の制約が少ない。
実務での使われ方
企業のOSS利用における実務上の最重要課題は「ライセンスコンプライアンス」である。Linuxカーネル(GPL v2)をベースとしたAndroidは商用製品に広く組み込まれているが、各社はGPLの要求する「ソースコード開示義務」に従った対応が求められる。Redhat、Canonical(Ubuntu)、HashiCorpのような企業はOSSのコアを無償公開しつつ、サポート・エンタープライズ版・クラウドサービスで収益化するビジネスモデルを確立している。ソフトウェア開発現場ではBlack Duckやfossaなどのライセンス管理ツールを導入し、依存ライブラリのライセンス互換性を自動チェックする体制が標準化されている。
試験での位置づけ
ITパスポートでは「OSSとは何か」という定義問題と「ライセンスの扱い」問題が頻出で、本問はその典型例である。誤りの選択肢として「著作権が放棄されている」(b)と「入手したソフトウェアは自由に再配布してもよい」(c単体)が繰り返し使われる。近年のシラバス改訂でAI・IoT分野での活用事例(PyTorch・TensorFlow等のOSS AIフレームワーク)が加わり、「OSS活用のメリット・リスク」が複合的に問われる傾向にある。基本情報技術者ではGPL・MITライセンスの差異、派生物へのCopyleft適用可否まで踏み込んだ出題がある。応用情報・情報セキュリティマネジメントではOSSのセキュリティリスク管理(CVE対応・依存ライブラリの脆弱性)も問われる。
選択肢の発展補足
選択肢bの「著作権放棄」はパブリックドメイン(CC0宣言等)の説明であり、OSSとは別概念。著作権が存在するからこそライセンス条件に法的拘束力が生まれる。選択肢cの「自由に再配布してよい」は一部のライセンス(MIT等)では条件付きで正しいが、GPL系ではソースコード開示・同一ライセンス継承が条件となるため「無条件に」は誤り。aとcの組み合わせが正解となるのは、「個人・企業どちらも開発者になれる」かつ「ライセンス条件を満たせば再配布可能」という点で両者が共に正しいからである。実務的にはOSSに追加機能を加えた「プロプライエタリOSSミックス」製品のライセンス境界管理が訴訟リスク上の重要課題となっている。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問96/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。