ITパスポート 令和8年度 問44:service_managementに関する問題
あるサービスデスクでは、電子メールによる問合せに対応しており、受付担当者がメールの内容を確認し、回答担当者の割当てをしていた。このたび、割当て業務の効率化を目的に、自動割当てツールを導入した。[表] 導入前: 問合せ件数1,000件/日、割当ての時間2分/件。導入半年後: 問合せ件数1,000件/日、自動割当てができた割合90%(割当ての時間0分/件)、うち割当てミスの割合5%(割当ての時間4分/件)、自動割当てができなかった割合10%(割当ての時間2分/件)。割当ての時間はサービスデスク全体で何%削減できたか。ここで、割当ての時間の削減率(%)は小数第1位を四捨五入するものとする。
- a80
- b81正答
- c85
- d86
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答えは b「81」 です。
もともと割り当てに毎日かかっていた時間と、ツール導入後の時間を比べて、どれだけ減ったかを計算します。
・もともと:1000件 × 2分 = 2000分
・導入後:自動で成功した分は0分、でもミス(45件)は直すのに4分ずつ=180分、自動できなかった100件は2分ずつ=200分。合計 380分
減った割合 = (2000−380) ÷ 2000 = 0.81 = 81%
👉 覚え方:「もとの時間と、減った後の時間を出して、引き算→割り算」。
計算のワナ:自動でできても『ミス分は手直しに4分かかる』のを忘れずに足すのがポイントです。
なぜこれが正解か
正解は b(81)。削減率=(導入前の時間−導入後の時間)÷導入前の時間 で求める。
導入前:1,000件 × 2分 = 2,000分
導入後(1,000件の内訳):
- 自動割当て成功:90% × (1−5%) = 855件 → 0分 → 0分
- 自動割当てミス:90% × 5% = 45件 → 4分 → 180分
- 自動割当て不可:10% = 100件 → 2分 → 200分
- 合計 = 0 + 180 + 200 = 380分
削減率 = (2,000 − 380) ÷ 2,000 = 1,620 ÷ 2,000 = 0.81 = 81%
各選択肢の解説
- a 80:ミスの手直し時間や端数処理を誤ると出やすい近い値だが不正解。
- c 85・d 86:ミス分の4分や不可分の2分を一部数え落とすと過大評価になり出る誤答。
覚え方・ひっかけ注意
『90%が自動』につられて全体の90%が0分と早合点しないこと。自動の中の5%はミスで4分かかるのが最大のひっかけ。割合の掛け算(90%×5%=4.5%=45件)を丁寧に。
理論的背景
本問は自動化ツール導入前後の業務時間を定量比較する計算問題で、IT投資対効果(ROI)分析の基礎能力を問う。計算過程を整理する:導入前の総割当時間=1,000件×2分=2,000分/日。導入後の構成は、自動割当て成功かつミスなし=1,000×0.90×0.95=855件(0分)、自動割当て成功だがミスあり=1,000×0.90×0.05=45件(4分/件=180分)、自動割当て失敗=1,000×0.10=100件(2分/件=200分)。合計=0+180+200=380分。削減率=(2,000-380)/2,000×100=81.0%→四捨五入で81%(選択肢b)。
このような業務自動化効率分析は、RPA(Robotic Process Automation)やAI活用による業務変革の効果測定で日常的に用いられる手法であり、自動化率・エラー率・手動介入率を組み合わせた期待値計算が核となる。
実務での使われ方
ITサービスマネジメントにおけるサービスデスクの自動化は、現在AIトリアージ(問い合わせの自動分類・担当者割当)やNLU(自然言語理解)ベースのチャットボット対応として広く普及している。本問のシナリオは現実の「AI自動割当てシステム」の典型的な性能特性を反映しており、自動化成功率90%・ミス率5%という数値は実プロダクトの品質指標として現実的な範囲内にある。
実務では「完全自動化の幻想」を避け、自動化できないケース(10%)と自動化ミスのフォローアップ(5%×4分)のコストを必ず計上してROI評価を行う。本問の80%超の時間削減は非常に優秀な数値で、一般的な業務自動化プロジェクトでは「人手介入ゼロ化」ではなく「人的コストの最適化」を目標に設計することが重要である。SLA(サービスレベル合意)の観点では、割当てミスによる4分の追加対応が全体応答時間に与える影響も評価指標に含める必要がある。
試験での位置づけ
ITパスポートの計算問題は計算自体の難易度は低いが、条件の読み取り精度と計算ステップの整理が鍵となる。「割合×件数→時間→合計→削減率」という3段階の変換を素早く処理できるかが得点差を生む。近年のITパスポート試験では、DX・AI・RPA活用の効果測定を題材にした計算問題が増加しており、自動化前後の比較・費用対効果・効率化率の算出パターンは繰り返し出題される頻出テーマである。基本情報技術者試験ではより複雑な条件設定(複数ツール・段階的導入・エラー率変動)の問題が出題されるため、本問のような基本的な期待値計算を確実にマスターしておくことが重要。
選択肢の発展補足
各選択肢の数値の由来を検証すると理解が深まる。選択肢a「80%」は割当てミス時の追加時間(180分)を計上せず、自動割当て失敗分(200分)のみで(2,000-200)/2,000=90%と計算ミスした場合か、あるいは別の誤った計算経路の結果である。選択肢c「85%」は(2,000-300)/2,000=85%として、200分か300分の誤集計から生じうる。選択肢d「86%」も同様に計算過程のどこかで誤差が生じた値。試験本番では各選択肢の数値が「よく似た計算ミス」の結果として設定されていることを念頭に置き、自分の計算が正しいと確信できる根拠を持つことが重要。IT投資効果の計算でROI=(利益-投資額)/投資額×100という基本公式も基本情報試験向けに押さえておく。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問44/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。