ITパスポート 令和8年度 問45:project_managementに関する問題
プロジェクトにおいて、新規プロジェクトを正式に認可する文書として、適切なものはどれか。
- aステークホルダ登録簿
- bプロジェクト憲章正答
- cプロジェクトスコープ記述書
- dリスク登録簿
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答えは b「プロジェクト憲章」 です。
プロジェクトを始めるとき、「このプロジェクトを正式にスタートします!責任者は誰々です」と会社が認める書類が必要です。それがプロジェクト憲章。
たとえば、お店を開くときの『開業許可証』のようなもの。これがあって初めて『正式にやっていいよ』となります。
👉 覚え方:「憲章=プロジェクトの開始許可証(最初に作る)」。
ほかの選択肢:a ステークホルダ登録簿=関係者の名簿/c スコープ記述書=どこまでやるか作業範囲を書いた書類/d リスク登録簿=起こりそうな危険をまとめた表。どれも『開始を認可する』書類ではありません。
なぜこれが正解か
正解は b。プロジェクト憲章(Project Charter)は、プロジェクトを正式に認可(オーソライズ)し、プロジェクトマネージャに権限を与える文書。プロジェクトの目的・概要・成果物・主要関係者・予算や期間の概略を記し、立上げプロセスの最初に作成される。
各選択肢の解説
- a ステークホルダ登録簿:プロジェクトに関わる利害関係者の情報を一覧化した文書。認可文書ではない。
- c プロジェクトスコープ記述書:成果物と作業範囲(やること・やらないこと)を定義する文書。憲章より後の計画プロセスで作る。
- d リスク登録簿:洗い出したリスクとその対応策を記録する文書。
覚え方・ひっかけ注意
『正式に認可する=プロジェクト憲章』はワンセットで暗記。憲章は『立上げの一番最初』に作られ、PMに権限を与える点が最大の特徴。スコープ記述書(c)と混同しやすいが、憲章=開始許可、スコープ記述書=範囲定義、と役割が違う。
理論的背景
プロジェクト憲章(Project Charter)はPMI(Project Management Institute)のPMBOK(Project Management Body of Knowledge)における「プロジェクト統合マネジメント」知識エリアで定義される最重要文書である。PMBOKガイド第7版では、プロジェクトの公式な認可と、プロジェクトマネジャーに組織のリソースを活用する権限を付与する文書として位置づけられる。記載事項は一般的に「プロジェクトの目的・目標」「主要デリバラブル」「主要マイルストーン」「予算概算」「主要ステークホルダー」「プロジェクトマネジャーの任命と権限レベル」「スポンサーの署名・承認」を含む。
憲章が存在することで、プロジェクトが組織戦略と正式に紐づけられ、リソース確保の法的根拠が生まれる。これが存在しないと、プロジェクトマネジャーは権限なしに活動することになり、予算・人員・装備の調達において組織内摩擦が生じる。
実務での使われ方
大企業のIT部門では、新規システム開発プロジェクトの開始時にプロジェクト憲章相当の「プロジェクト開始届」「プロジェクト立上げ申請書」を経営層・PMOに提出して承認を得るプロセスが標準化されている。この承認がないと予算コード(会計上のWBS)が発行されず、正式な費用計上ができない。プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)ツールではプロジェクト憲章の承認ステータスがゲートとして機能し、承認前はリソースが配賦されない設計になっているものが多い。
誤り選択肢aのステークホルダー登録簿は、プロジェクト憲章承認後のステークホルダー識別プロセスで作成される文書。選択肢cのプロジェクトスコープ記述書は計画フェーズでWBSと組み合わせて作成する詳細定義文書。選択肢dのリスク登録簿はリスクマネジメント計画立案後に整備される実行フェーズ支援文書。いずれもプロジェクト立上げ後のプロセスで作成される文書であり、「正式認可」機能は持たない。
試験での位置づけ
PMBOKベースのプロジェクトマネジメント問題はITパスポートのマネジメント系で継続的に出題される。5プロセス群(立上げ・計画・実行・監視コントロール・終結)と各プロセス群で作成される主要文書の対応関係は頻出テーマである。プロジェクト憲章=立上げプロセス群の唯一の主要成果物という対応は確実に覚える。近年のITパスポート試験ではアジャイル開発との融合領域(ハイブリッドPM)の問題も出題されており、プロジェクト憲章はアジャイル環境でも立上げフェーズに相当する役割を持つことを理解しておく。基本情報技術者試験ではPMBOKの10知識エリア×5プロセス群の詳細(インプット・ツールと技法・アウトプット)まで出題される。
選択肢の発展補足
ステークホルダー登録簿(選択肢a)は各ステークホルダーの識別情報(氏名・役割・連絡先)・評価情報(影響力・関心度)・分類情報を記載し、コミュニケーションマネジメント計画の基礎データとして機能する。プロジェクトスコープ記述書(選択肢c)はプロジェクト成果物の詳細記述・除外事項の明記・受入基準の定義を含み、スコープクリープ防止の基準文書として機能する。リスク登録簿(選択肢d)はリスクの識別・確率と影響度のマトリックス評価・対応戦略(回避・転嫁・軽減・受容)・リスクオーナーの割当てを管理する生きた文書として、プロジェクト全期間にわたり更新される。これら3文書はプロジェクト憲章の「認可」を受けて初めて正式に作成が許可される関係性にある。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問45/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。