ITパスポート 令和8年度 問68:networkに関する問題
メールソフトが電子メールの送受信に用いるプロトコルの組合せとして,適切なものはどれか。[表: 送信プロトコル/受信プロトコル: ア IMAP4/POP3, イ IMAP4/SMTP, ウ POP3/SMTP, エ SMTP/IMAP4]
- a送信: IMAP4, 受信: POP3
- b送信: IMAP4, 受信: SMTP
- c送信: POP3, 受信: SMTP
- d送信: SMTP, 受信: IMAP4正答
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは d です。
メールには「送る係」と「受け取る係」のルール(プロトコル)が分かれています。
送るときに使うのがSMTP、受け取って読むときに使うのがIMAP4(やPOP3)です。だから組合せは「送信=SMTP/受信=IMAP4」になります。
手紙を出すポストがSMTP、届いた手紙を取り出す郵便受けがIMAP4、というイメージです。
👉 覚え方:送るS=SMTP(SはSend/送信の合図)。受信は別の係。
ほかの選択肢:a・b は送信にIMAP4を、cは送信にPOP3を当てており、どれも受信用を送信に使っているので不適切です。
なぜこれが正解か
正解は d。電子メールは送信と受信でプロトコルが異なる。送信にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、受信にはPOP3またはIMAP4を使う。選択肢のうち「送信=SMTP/受信=IMAP4」の組合せが正しい。
各選択肢の解説
- a 送信IMAP4/受信POP3:IMAP4は受信用で、送信に使わない。
- b 送信IMAP4/受信SMTP:送受信が逆。SMTPは送信、IMAP4は受信。
- c 送信POP3/受信SMTP:POP3は受信用、SMTPは送信用で、両方とも逆。
- d 送信SMTP/受信IMAP4:送信SMTP・受信IMAP4で正しい(正解)。
覚え方・ひっかけ注意
送信は常にSMTPと固定で覚える(SはSend)。受信はPOP3かIMAP4の二択。POP3は端末にダウンロードして管理、IMAP4はサーバ上で管理し複数端末で同期できる、という違いも頻出。送受信の役割を逆にした選択肢が定番の引っかけ。
理論的背景
電子メールの送受信プロトコルは機能別に明確に分離されており、正解dの「SMTP(送信)/ IMAP4(受信)」が現代の電子メールシステムの標準的な構成である。SMTP(Simple Mail Transfer Protocol、RFC 5321)はメールサーバ間のリレー転送およびメールクライアント→メールサーバへの送信に使われる。IMAP4(Internet Message Access Protocol version 4、RFC 3501)はメールクライアントがメールサーバ上のメールを操作するプロトコルで、メールはサーバに残されたまま複数デバイスから同期アクセスが可能。
POP3(Post Office Protocol version 3、RFC 1939)はIMAP4の前身プロトコルで、サーバからメールをダウンロードしてローカルに保存し(通常はサーバから削除する)、オフラインでの閲覧を主目的とする。IMAP4との主要な違い:IMAP4はサーバ上でフォルダ管理・検索・フラグ管理が可能で複数デバイス同期に適している。POP3は単純なダウンロード方式でスマートフォン・PC・タブレットからの同時利用に不適。これがスマートフォン時代にIMAP4がPOP3を実質的に置き換えた理由である。
SMTP拡張:現代のSMTPはSMTP over TLS(ポート587・STARTTLS、またはポート465・SSL/TLS)での暗号化、SMTP AUTH(認証)、SPF/DKIM/DMARCによる送信ドメイン認証を組み合わせた構成が標準。
実務での使われ方
企業メールシステム(Microsoft 365・Google Workspace)はIMAP4/SMTPを標準サポートしつつ、より高機能なMicrosoft Exchange ActiveSync(EAS)・Google API等のプロプライエタリプロトコルも提供している。メールセキュリティの観点では送信ドメイン認証(SPF:送信者IPの検証・DKIM:電子署名による送信者認証・DMARC:SPF/DKIMの結果に基づくポリシー適用)の3つ全ての実装がフィッシング対策・なりすまし防止のベストプラクティスとなっている。BEC(Business Email Compromise:ビジネスメール詐欺)対策としてDMARCの導入率向上が業界全体の課題となっている。
試験での位置づけ
SMTP・POP3・IMAP4の3プロトコルの機能識別はITパスポートのネットワーク分野で毎年出題される最頻出問題の一つ。「送信=SMTP・受信=POP3またはIMAP4」という大原則の上で、POP3とIMAP4の違い(ダウンロード保存 vs サーバ管理・単一デバイス vs 複数デバイス)を押さえることが重要。本問の誤り選択肢a〜cはIMAP4を送信プロトコルとして設定しているが、IMAP4は受信専用プロトコルであることが明確な識別基準となる。近年のITパスポート試験ではメールセキュリティ(SPF・DKIM・DMARC)・迷惑メール対策の文脈でSMTPの拡張機能が問われるケースも増えている。基本情報技術者試験ではSMTPのメール中継(MTA:Mail Transfer Agent)の動作フロー・SPFレコードの仕組み・DMARC設定の効果まで踏み込んだ問題が出題される。
選択肢の発展補足
IMAP4が送信プロトコルとして誤って選ばれやすい理由として、「IMAP」という名称にはサーバとの「やりとり」という双方向性が含意されるため混同が起きる。しかしIMAP4は厳密に「メールボックスへのアクセスプロトコル」であり、新規メールの送信機能は含まれない。メール送信は常にSMTPが担う。実装上では、GmailのWebインタフェースを使う場合はGoogleのAPIが全プロトコルを内部処理するためユーザーがプロトコルを意識しないが、サードパーティメールクライアント(Thunderbird・Apple Mail等)の設定では送受信プロトコルを明示的に選択する必要があり、その際にSMTP/IMAPの理解が直接役立つ。ポート番号も覚えておくと実務で便利:SMTP=25(サーバ間)/587(クライアント→サーバ、STARTTLS)/465(SSL/TLS)、IMAP4=143(平文)/993(SSL/TLS)、POP3=110(平文)/995(SSL/TLS)。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問68/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。