ITパスポート 令和8年度 問76:networkに関する問題
IoT デバイスで用いられる LPWA に関する次の記述中の a, b に入れる字句の適切な組合せはどれか。LPWA に分類される無線通信方式の特徴は,通信可能な範囲が無線 LAN に比べて「a」,消費する電力が第4世代移動通信規格(4G)に比べて「b」。
- aa=狭く, b=多い
- ba=狭く, b=少ない
- ca=広く, b=多い
- da=広く, b=少ない正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d(a=広く, b=少ない) です。
LPWAは、IoT機器のための“電池長持ち・遠くまで届く”無線です。名前も「Low Power(低電力)Wide Area(広い範囲)」の頭文字。
たとえば、田畑のあちこちに置いたセンサーが、少ない電池で何年も動きながら、遠くの基地まで「土が乾いてるよ」とポツポツ知らせる——そんな使い方です。スマホの4Gのようにたくさんデータは送れませんが、そのぶん電池をほとんど食わず、届く範囲は無線LAN(Wi-Fi)よりずっと広いのが特長です。
👉 覚え方:「LPWA=Low Power(低電力)=電池少なく、Wide Area(広範囲)=遠くまで」。
だから「範囲は広く(a)、電力は少ない(b)」でdです。
なぜこれが正解か
正解は d(a=広く, b=少ない)。LPWA(Low Power Wide Area)は、その名の通り「低消費電力」かつ「広域通信」を特徴とするIoT向け無線通信方式。通信範囲は無線LAN(数十m〜数百m)に比べて広く(数km〜数十km)、消費電力は4Gなどの携帯通信に比べて少ない。代わりに通信速度は低速で、少量データの間欠送信に向く。
空欄の整理
- a(無線LANと比べた通信範囲):広く。Wide Areaの名のとおり広域をカバー。
- b(4Gと比べた消費電力):少ない。Low Powerの名のとおり省電力で、電池で数年動作する機器も。
覚え方・ひっかけ注意
「LPWA」の文字をそのまま読む:LP=Low Power(電力少ない)、WA=Wide Area(範囲広い)。これで a=広い・b=少ない が一発で決まる。トレードオフとして「通信速度は遅い」点も狙われるので併せて記憶。代表規格にLoRaWAN、SIGFOX、NB-IoTがある。
理論的背景
LPWA(Low Power Wide Area)はIoTデバイス向けに設計された通信規格の総称であり、正解dの「通信可能な範囲が無線LANに比べて広く、消費する電力が4Gに比べて少ない」が正確な特性定義。LPWAはスマートメーター・農業IoT・物流追跡・環境モニタリング等の「低頻度・少量データ・長距離・電池駆動」というユースケースに特化して設計されている。
LPWAの主要方式比較:LoRaWAN(非ライセンス帯域・2〜15km・最大250kbps・電池10年以上)、Sigfox(非ライセンス帯域・10〜50km・最大100bps・超低消費電力)、NB-IoT(Narrowband IoT:3GPP標準・ライセンス帯域・最大250kbps・既存LTEインフラ活用)、LTE-M(LTE-MTC:3GPP標準・最大1Mbps・音声対応可)。日本国内ではソフトバンク・NTT docomoがNB-IoT/LTE-Mを、KDDIがLoRaWANをそれぞれ提供している。
LPWAと他の通信技術の比較表:無線LAN(最大数百m・最大数Gbps・高消費電力)、4G(最大数km・最大100Mbps・中〜高消費電力)、Bluetooth LE(最大100m・最大2Mbps・超低消費電力)、LPWA(最大数十km・最大250kbps・超低消費電力)。
実務での使われ方
スマートシティ・スマートグリッドではLPWAが核心インフラとなっている。東京都のスマートポール(IoT路側インフラ)・農業IoT(土壌センサー・気象観測)・工場設備監視(振動センサー・温度計)・ゴミ箱充填度管理・地下水位モニタリング等の事例が増加している。通信コストの観点では、LPWAデータ通信費用は月数百円以下と極めて安価で、1デバイスあたりの通信コストが問題になるIoTスケールデプロイメント(数千〜数万台)に最適。
LPWAのセキュリティ課題として、LoRaWANのセッション鍵管理・NB-IoTのSIM認証の実装方法・デバイスファームウェア更新(FOTA:Firmware Over The Air)のセキュリティが実務上の重要課題となっている。
試験での位置づけ
LPWAはITパスポートのテクノロジー系「ネットワーク」(IoT通信技術分野)で近年出題頻度が急増しているトピック。本問の2軸比較(通信範囲:無線LANとの比較・消費電力:4Gとの比較)は典型的な出題パターン。LPWAの特性4要素(低消費電力・広域・低速・低コスト)を「LLLL(Low Power, Long Range, Low Rate, Low Cost)」として記憶する方法が有効。BLE・LPWA・LTE・5G・Wi-Fiの通信距離・速度・消費電力の相対比較表を整理しておくと複数の関連問題に対応できる。基本情報技術者試験ではLoRaWAN・NB-IoTの技術仕様・帯域管理・干渉対策・セキュリティ実装・5G/NR-IoTとLPWAの競合・補完関係まで踏み込んだ問題が出題される。
選択肢の発展補足
選択肢aの「狭く・多い」は無線LANと4Gのそれぞれの性質の組み合わせになっており、LPWAの正反対の特性。この誤りはLPWAを「IoTデバイス向け短距離通信(Bluetoothの拡張版)」と誤解した場合に起きる。実際のLoRaWANは都市部で2〜5km、農村部で10〜15km(見通し良好時50km超)の到達距離を持つ。選択肢bの「狭く・少ない」は通信範囲の誤りのみ。選択肢cの「広く・多い」は消費電力の誤りのみ。LPWAが低消費電力を実現する技術的背景:データ送受信時のみ起動し残りは深いスリープモードで電力消費を最小化するデューティサイクル制御(LoRaWANは最大1%duty cycle規制)・シンプルな変調方式(チャープスペクトラム拡散変調)による送信電力削減・最小限のプロトコルオーバーヘッドの組み合わせが電池10年以上の長寿命を実現する。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問76/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。