結論:法令の数字は「保安距離(住宅10m・学校病院30m・高圧ガス20m・文化財50m)」と「許可は設置・変更/届出は品名数量変更(10日前)」の2軸で整理すると、15問科目の暗記量が一気に減ります。
法令(15問)は危険物乙4で配点が最も大きく、得点源にすべき科目です。落としやすいのは数字の暗記——保安距離・許認可・免状・点検が混ざりやすいのです。この記事では法令の頻出数値を1ページに集約し、表で一括暗記できるようにします。指定数量そのものは指定数量の覚え方・倍数計算ガイドで詳述しているので、本記事は「数量以外の数字」を中心に扱います。
保安距離(最頻出の数値)
保安距離は、火災や延焼から周囲の建物・人を守るために、製造所等と特定の施設との間に確保する距離です。代表値は次のとおりです。
| 対象となる施設 | 保安距離 |
|---|---|
| 一般の住宅 | 10m以上 |
| 高圧ガス・液化石油ガスの施設 | 20m以上 |
| 学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 | 30m以上 |
| 重要文化財・重要有形民俗文化財など | 50m以上 |
| 使用電圧7,000Vを超え35,000V以下の特別高圧架空電線 | 水平距離3m以上 |
| 使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線 | 水平距離5m以上 |
出典:危険物の規制に関する政令 第9条第1項第1号。特別高圧架空電線(7,000V超〜35,000V以下=水平距離3m以上/35,000V超=5m以上)は他の保安物件より出題頻度はやや下がりますが、数値は上表のとおり確定です。
保安距離が必要な施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所です。給油取扱所や移動タンク貯蔵所などは保安距離の対象外という点も頻出です。
保有空地との違い
保安距離と混同しやすいのが保有空地です。保有空地は、消火活動や延焼防止のために製造所等の周囲に確保する「空き地」で、指定数量の倍数に応じて幅が決まります。「保安距離=対象施設までの距離」「保有空地=周囲に空ける幅」と区別します。
許可と届出(手続きの区別)
法令では「これは許可か、届出か」が繰り返し問われます。整理して覚えます。
| 手続き | 内容 | 区分 | 期限・申請先 |
|---|---|---|---|
| 設置 | 製造所等を新設する | 許可 | 市町村長等の許可(事前) |
| 位置・構造・設備の変更 | 施設そのものを変更する | 許可 | 市町村長等の許可(事前) |
| 品名・数量・倍数の変更 | 扱う危険物の中身を変える | 届出 | 変更の10日前までに届出 |
| 廃止 | 製造所等をやめる | 届出 | 遅滞なく届出 |
| 譲渡・引渡し | 所有者・占有者が変わる | 届出 | 遅滞なく届出 |
ポイントは「施設を変える=許可」「中身(品名・数量)を変える=届出(10日前)」という対比です。「品名変更を許可」「設置を届出」のような入れ替えが誤り選択肢として頻出します。
危険物取扱者免状にまつわる手続き
免状そのものの手続きも数字・申請先が問われます。
| 手続き | いつ | 申請先 |
|---|---|---|
| 書換え | 氏名・本籍など記載事項に変更が生じたとき | 交付・書換えをした都道府県知事等 |
| 再交付 | 免状を亡失・滅失・汚損・破損したとき | 交付・書換えをした都道府県知事等 |
亡失して再交付を受けた後に、失った免状を発見したときは10日以内に再交付を受けた都道府県知事へ提出します(危険物の規制に関する規則第51条第3項)。この「発見後10日以内提出」は数字の引っかけとして出題されることがあります。
免状の種類と扱える範囲
| 免状 | 扱える危険物 | 保安監督者 |
|---|---|---|
| 甲種 | 全類(第1〜6類) | なれる |
| 乙種(第4類) | その類のみ(乙4は第4類) | なれる(実務6か月以上) |
| 丙種 | 第4類のうち指定された品目のみ | なれない |
丙種は保安監督者になれない点、丙種が扱えるのは第4類の一部(ガソリン・灯油・軽油・重油など)に限られる点が頻出です。
定期点検・予防規程
施設の維持管理にも数字が登場します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定期点検 | 一定の製造所等で原則1年に1回以上実施し、記録を3年間保存 |
| 予防規程 | 一定の製造所等で定め、市町村長等の認可を受ける |
| 保安検査 | 大規模な屋外タンク貯蔵所等で定期的に受ける(タンクの区分により周期が異なる) |
出典:定期点検の実施頻度・記録保存は危険物の規制に関する規則 第62条の4・第62条の8(原則1年に1回以上・記録は3年間保存)。乙4では「年1回以上・記録3年」をセットで押さえれば十分で、保安検査の細かい周期(タンク区分別)まで問われることはまれです。
保安監督者・保安統括管理者など
| 役割 | 選任要件 |
|---|---|
| 危険物保安監督者 | 甲種または乙種+実務経験6か月以上(丙種は不可) |
| 危険物施設保安員 | 一定規模の施設で保安監督者を補佐 |
| 危険物保安統括管理者 | 大量に扱う事業所で全体を統括 |
乙4で最重要なのは保安監督者の「乙種+実務6か月以上、丙種は不可」です。
法令の数字を覚えるコツ
数字は単体で丸暗記せず、意味とセットで覚えると定着します。
- 保安距離は「人が多い・大切なものほど遠ざける」(住宅10<高圧ガス20<学校病院30<文化財50)
- 手続きは「施設=許可/中身=届出(10日前)」の対比
- 免状は「記載が変わる=書換え/失う=再交付」
語呂を使った暗記は危険物乙4 語呂合わせ集にまとめています。覚えたら法令の問題で数字を試しましょう。
まとめ
- 保安距離は住宅10m・高圧ガス20m・学校病院30m・文化財50m
- 手続きは「施設の設置・変更=許可」「品名・数量の変更=届出(10日前)」
- 免状は記載変更=書換え/亡失=再交付
- 保安監督者は乙種+実務6か月以上、丙種は不可
- 数字は意味とセットで覚えると混同しない
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※ 本記事は現行の消防法令に基づくオリジナル解説です。数値・期限は試験対策上の代表値であり、施設・取扱いの個別判断は所属事業所の保安担当・所轄消防にご確認ください。