危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法98アルコール類(S6・エタノール・別角度)

危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問98:アルコール類(S6・エタノール・別角度)

エタノール(エチルアルコール)の性状に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • エタノールはアルコール類に分類され、引火点は約13℃である。
  • エタノールはメタノールと同様に水溶性で、火災の消火には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が必要である。
  • エタノールの蒸気をメタノールの蒸気と同程度(少量)吸入した場合、失明や死亡に至る重篤な毒性が現れる。正答
  • エタノールの液比重は約0.79で水より軽く、蒸気比重は約1.59(空気より重い)である。
  • エタノールは炭素数2の飽和1価アルコールであり、アルコール類(消防法上)の定義を満たす。
正答:エタノールの蒸気をメタノールの蒸気と同程度(少量)吸入した場合、失明や死亡に至る重篤な毒性が現れる。

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誤っているのはウです。エタノールの毒性はメタノールよりはるかに低く、少量吸入で失明・死亡に至るような重篤な急性毒性はありません。メタノールが失明・死亡の毒性を持つのと対照的です。

  • ア(正): アルコール類・引火点約13℃。
  • イ(正): 水溶性→耐アルコール泡が必要。
  • ウ(誤): エタノールの毒性はメタノールより大幅に低い(失明・死亡の急性毒性はない)。
  • エ(正): 液比重0.79・蒸気比重約1.59。
  • オ(正): 炭素数2の飽和1価アルコール→アルコール類の定義を満たす。

「メタノール=毒性強(失明・死亡)、エタノール=毒性低い(飲用可)」の対比を押さえます。

標準試験対策の基準レベル

エタノールの性状とメタノールとの比較:

  • ア(正): エタノール(C₂H₅OH)はアルコール類(炭素数1〜3の飽和1価アルコール)に分類。引火点約13℃(確定値)。常温(20℃)より低く常温で引火し得る蒸気を発生。
  • イ(正): エタノールは水溶性(水に任意の割合で混ざる)。消火には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が必要(通常泡は溶けて消泡)。メタノールと同様の消火上の注意点。
  • ウ(誤): エタノールの毒性とメタノールの毒性は根本的に異なります。メタノールは体内でホルムアルデヒド→ギ酸に代謝されて視神経を侵し、少量摂取・吸入でも失明・死亡に至る重篤な毒性を持ちます。一方エタノールは食品・医薬用アルコール(飲用)として使われる物質で、急性中毒の原因にはなりますが、同量の蒸気吸入でメタノールと同程度の失明・死亡が起きるわけではありません。「メタノールと同程度の毒性(失明・死亡)」は誤り。
  • エ(正): 液比重0.79(水より軽い)・蒸気比重46÷29≒1.59(空気より重い・低所滞留)。設計書§1-2確定値。
  • オ(正): 炭素数2・飽和・1価アルコール(-OH基1つ)→アルコール類(消防法)の定義「炭素数1〜3の飽和1価アルコール」を完全に満たす。正しい。

メタノールとエタノールの毒性比較(核心):

| 物質 | 毒性の特徴 | 飲用可否 |

|---|---|---|

| メタノール | 少量で失明・死亡の急性毒性 | 不可(有毒) |

| エタノール | 食品・飲料アルコール(急性中毒はあるが毒性は大幅に低い) | 可(適量) |

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

エタノール(エチルアルコール・C₂H₅OH・分子量46)はアルコール類の代表で、メタノール(炭素数1)の次の炭素数2の1価アルコールです。乙4試験では「エタノールとメタノールは同じアルコール類だが毒性が根本的に異なる」という対比が頻出論点です。毒性の差は代謝経路の違いによります。

【エタノールの詳細性状】

  • 区分: アルコール類(炭素数1〜3の飽和1価アルコール)・指定数量400L
  • 引火点: 約13℃(確定値。常温より低い)
  • 発火点: 約363〜423℃(教科書でレンジ)
  • 液比重: 0.79(水より軽い)
  • 蒸気比重: 46÷29≒1.59(空気より重い・低所滞留)
  • 燃焼範囲: 約3.3〜19 vol%
  • 水溶性: 水に任意の割合で混ざる(完全水溶性)
  • 外観: 無色・特有の芳香
  • 毒性: 低(飲用可能なアルコール)

【メタノールとエタノールの代謝経路と毒性の違い(詳細)】

メタノールとエタノールはどちらもアルコール脱水素酵素(ADH)によって代謝されますが、生成する中間体と最終代謝物が異なります。

  • メタノール(CH₃OH):

CH₃OH → ホルムアルデヒド(HCHO)→ ギ酸(HCOOH)

ギ酸が視神経・網膜を傷害 → 失明・代謝性アシドーシス・死亡

  • エタノール(C₂H₅OH):

C₂H₅OH → アセトアルデヒド(CH₃CHO)→ 酢酸(CH₃COOH)

酢酸はCO₂・H₂Oに代謝されて体外に排出される → 毒性は大幅に低い

エタノールのアセトアルデヒドも一時的な毒性があり、二日酔いの原因になりますが、ギ酸のような失明・死亡を引き起こす毒性はありません。

【消火上の共通点(水溶性)】

メタノールとエタノールは毒性は大きく異なりますが、消防法上はともにアルコール類・水溶性で、消火における注意点は共通です:

  • 消火: 耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が必要(通常泡は溶けて消泡)
  • 引火点: 両者ともに常温より低く常温でも引火し得る
  • 燃焼炎: 両者ともに薄い青色で視認しにくい

【試験での位置づけ】

エタノールの出題核心は(1)アルコール類・引火点約13℃(メタノール11℃との2℃の差)、(2)水溶性→耐アルコール泡が必要、(3)液比重0.79・蒸気比重約1.59(設計書確定値)、(4)毒性はメタノールより大幅に低い(失明・死亡の急性毒性はメタノール特有)です。引っかけはエタノールの毒性をメタノールと同程度とする(本問ウ)です。メタノール(引火点11℃・毒性強・失明死亡)とエタノール(引火点13℃・毒性低・飲用可)の対比を整理します。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): アルコール類・引火点約13℃(確定値・メタノール11℃より2℃高い)。
  • イ(正): 水溶性→耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が必要。メタノールと同様の消火上の注意。
  • ウ(誤): エタノールの毒性はメタノールより大幅に低い(失明・死亡の急性毒性はメタノール特有の代謝毒)。
  • エ(正): 液比重0.79(水より軽い)・蒸気比重約1.59(空気より重い→低所滞留)。設計書§1-2確定値。
  • オ(正): 炭素数2・飽和・1価アルコール→消防法アルコール類定義(炭素数1〜3・飽和・1価)を満たす。

【根拠】確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S6)。

【補足】エタノール:アルコール類400L・引火点約13℃・液比重0.79・蒸気比重約1.59・燃焼範囲3.3〜19 vol%・水溶性(耐アルコール泡必要)・毒性はメタノールより低い(失明・死亡の急性毒性なし)。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): エタノール引火点13℃・液比重0.79・蒸気比重46/29≒1.59・燃焼範囲約3.3〜19 vol%・アルコール類400L・水溶性は設計書§1-2確定値と一致。メタノール(ギ酸代謝→失明・死亡)とエタノール(酢酸代謝→毒性低)の差も正確。正答ウ一意(エタノールがメタノールと同程度に失明・死亡の急性毒性=誤。ア・イ・エ・オは正記述)。物性是正なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S6)。エタノール(C₂H₅OH・分子量46)はアルコール類。引火点**13℃**(確定値)。水溶性→耐アルコール泡必要。液比重0.79・蒸気比重46÷29≒1.59(設計書§1-2確定値)。炭素数2の飽和1価アルコール→アルコール類定義を満たす。**毒性はメタノールほど強くない**(失明・死亡を引き起こす急性毒性はメタノール特有)→ウが誤り。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

エタノールの引火点・水溶性・アルコール類・メタノールとの比較頻出度A

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法の他の問題

1
第4類の共通性状
2
消火方法
3
品名分類
4
ガソリン
5
灯油・軽油
6
重油

科目別に解いて、危険物乙四に合格

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