労働衛生(有害業務以外)12採光照明

衛生管理者 労働衛生(有害業務以外) 問12:採光照明

事務所衛生基準規則(事務所則)の照度基準に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 令和4年12月に施行された事務所則の改正により、事務室の照度基準は「一般的な事務作業は150ルクス以上、付随的な事務作業は100ルクス以上」の2区分に改められた。
  • 令和4年12月の改正前の事務所則では、照度基準は「精密な作業300ルクス以上・普通の作業150ルクス以上・粗な作業70ルクス以上」の3区分であった。
  • 令和4年12月施行の事務所則改正後、事務室の照度基準は「一般的な事務作業300ルクス以上・付随的な事務作業150ルクス以上」の2区分となっており、「付随的な事務作業」とは主に資料の検索・受付・打合せなどの補助的な作業を指す。正答
  • 照度の計測は、日本産業規格(JIS)が定める高輝度照度計を用いて行うことが事務所則によって義務付けられており、一般的な照度計では代用できない。
  • 事務所則の照度基準は、労働者が常時使用する照度計を自席の床面上で計測した値が基準を満たしていることが求められる。
正答:令和4年12月施行の事務所則改正後、事務室の照度基準は「一般的な事務作業300ルクス以上・付随的な事務作業150ルクス以上」の2区分となっており、「付随的な事務作業」とは主に資料の検索・受付・打合せなどの補助的な作業を指す。

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正しいのはウです。令和4年12月施行の事務所則第10条改正により、事務室の照度基準は一般的な事務作業=300ルクス以上・付随的な事務作業=150ルクス以上の2区分となりました。「付随的な事務作業」には資料の検索・受付応対・打合せなどが含まれます。

ア→正しい数値は300/150(150/100ではない)。イ→改正前3区分の記述は正しいが、本問の正答はウです。イ自体は「正しい記述」ですが、イが正しいかどうかはウとどちらが「より正しいか」ではなく、5択のうち「正しいもの」を選ぶ問題であり、ウが最も正確に現行法令を記述しています(イは旧法令の説明として正確だが、現行基準の説明ではない)。エ・オは誤った付加条件が含まれています。

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各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 令和4年12月施行の改正後の照度基準は「一般的な事務作業=300ルクス以上・付随的な事務作業=150ルクス以上」です。選択肢の「150ルクス以上・100ルクス以上」は誤った数値です。
  • イ(誤): イの内容自体(改正前の旧3区分:精密300・普通150・粗70)は事実として正しい歴史的記述ですが、これは改正前の旧基準であり、現行の事務所則の説明としては不正確です。本問は「現行基準について正しいもの」を問うており、ウが正解です。なお安衛則第604条(製造業等の作業場)は現在も精密300・普通150・粗70の3区分を維持しています。
  • ウ(正): 事務所則第10条第1項(令和4年12月施行)の規定を正確に記述しています。「付随的な事務作業」の例示(資料検索・受付・打合せ)も通達の趣旨に沿った正確な内容です。
  • エ(誤): 事務所則に「高輝度照度計の義務付け」という規定はありません。照度計測には一般的な照度計を使用します。JIS規格(JIS C 1609)に準拠した照度計が推奨されますが、特別な機器の義務付けはありません。
  • オ(誤): 照度の計測は「作業面(作業台の面・デスク面)」での計測が基本です。「床面上」での計測が義務付けられているわけではなく、実際の作業が行われる高さでの計測が求められます。
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【理論的背景】

令和4年12月の事務所衛生基準規則(事務所則)改正は、事務室の労働環境基準を現代の働き方・作業内容の実態に合わせて見直したものです。改正前の「精密・普通・粗」という3区分は、製造業の作業分類を事務室に適用した体系であり、情報機器作業(デスクワーク)が主体となった現代の事務室環境には適合しにくい分類でした。

改正の背景:

  • テレワーク・情報機器作業の普及により、従来の「精密作業」の概念が曖昧化
  • 事務作業を「一般的な事務作業(主たる業務)」と「付随的な事務作業(補助的業務)」の2区分に整理することで実態に即した基準化
  • 改正前の300/150/70の区分は製造業(安衛則604条)では維持され、事務室(事務所則)のみ2区分化

【実務・条文構造】

照度基準の法令構造の整理(令和4年12月以降):

| 適用場所 | 根拠法令 | 基準 |

|---|---|---|

| 事務室 | 事務所則第10条第1項 | 一般的な事務作業: 300lx以上 / 付随的な事務作業: 150lx以上 |

| 製造業等の作業場 | 安衛則第604条 | 精密な作業: 300lx以上 / 普通の作業: 150lx以上 / 粗な作業: 70lx以上 |

「一般的な事務作業」の例(通達の例示):

  • パソコンへの文字入力・文書作成
  • 書類・帳簿への記入
  • 計算・集計作業
  • 読書・校正作業

「付随的な事務作業」の例(通達の例示):

  • 資料・書類の整理・検索
  • 電話・受付応対
  • 打合せ・会議(資料を精読しない場合)
  • コピー・スキャン操作

情報機器作業ガイドライン(令和元年)と照度の関係:

  • ディスプレイ画面の照度(輝度): 画面上の照度は最大500lx以下推奨(過剰照度は画面の見えにくさを招く)
  • 書類・キーボード面: 300lx以上推奨
  • ディスプレイと周囲の輝度比: 適切な範囲に保つこと(コントラスト比10:1以内が目安)

照度の測定方法(実務):

  • 測定位置: 作業が行われる面(デスク面・作業台面)での計測
  • 測定時間: 安定した点灯状態で(蛍光灯は点灯後30分以上経過してから)
  • 測定点: 作業面の複数点(四隅・中央など)を測定して平均値または最低値で評価
  • 計器: JIS C 1609(照度計)に適合した照度計を使用

【試験での位置づけ】

照度基準の問題は「令和4年12月の事務所則改正後の数値(300lx/150lxの2区分)」が最重要です。改正前の旧3区分(精密300・普通150・粗70)と改正後の2区分(一般的な事務作業300・付随的な事務作業150)の違いが試験で直接問われます。特にアのような「数値を誤った(150/100)」選択肢はよく出題されます。また安衛則604条の製造業等の3区分(精密300・普通150・粗70)は現在も有効であり、事務所則の2区分化とは別の規定として理解しておく必要があります。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 「150ルクス以上・100ルクス以上」という誤った数値は、旧基準の「普通150・粗70」や「付随的な150lx」を混乱して記憶していることから生じる典型的な誤りパターンです。「一般的な事務作業=300・付随的=150」という組み合わせを正確に記憶することが必要です。
  • イ: 安衛則第604条は令和4年12月の事務所則改正の影響を受けておらず、現在も「精密300・普通150・粗70」の3区分が維持されています。試験では「事務所則」と「安衛則604条」のどちらの規定を問うているかを確認することが重要です。
  • ウ: 「付随的な事務作業」という分類は令和4年12月改正で新たに設けられた区分です。単に照度値が低い(150lx以上)ということを意味するのではなく、作業の性質・目的が「主たる事務作業を補助する」性格を持つものです。実務では作業の特性に応じて適切な区分を判断する必要があります。
  • エ: 照度計については、JIS C 1609(照度計)に適合した計器の使用が推奨されますが、「高輝度照度計の義務付け」という規定は事務所則には存在しません。適切なレンジ・精度の照度計を用いて作業面での計測を行うことが求められます。
  • オ: 「床面上」という誤りは、光が届きやすい(高い位置で計測すると値が高くなる)という性質から、実際の作業面(デスク面・腰高程度)での計測が重要であることを理解しておくと混同を防げます。

【根拠法令】事務所衛生基準規則(事務所則)第10条第1項(令和4年12月1日施行)。

【補足】事務所則改正後(令和4年12月施行)の2区分: 一般的な事務作業=300lx以上・付随的な事務作業=150lx以上。安衛則604条の製造業等の3区分(精密300・普通150・粗70)は変更なし(現在も有効)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 事務所衛生基準規則(事務所則)第10条第1項(令和4年12月施行)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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