基本情報 平成25年度 秋期 問55:マネジメント系に関する問題
サービスデスク組織の構造とその特徴のうち, ローカルサービスデスクのものはど れか。
- aサービスデスクを 1 拠点又は少数の場所に集中することによって, サービス要員 を効率的に配置したり, 大量のコールに対応したりすることができる。
- bサービスデスクを利用者の近くに配置することによって, 言語や文化が異なる利 用者への対応, 専用要員による VIP 対応などができる。正答
- cサービス要員は複数の地域や部門に分散しているが, 通信技術を利用することに よって, 単一のサービスデスクであるかのようなサービスが提供できる。
- d分散拠点のサービス要員を含めた全員を中央で統括して管理することによって, 統制の取れたサービスが提供できる。
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは b です。
「ローカルサービスデスク」とは利用者の近くに配置するサービスデスクのこと。
例えば「東京支店専用の問合せ窓口」「ニューヨーク支社専用の窓口」など、現場に近いから言語や文化、VIPへの対応が得意。
👉 覚え方:「ローカル=地元密着」。
ほかの選択肢:a 集中型(1ヶ所に集めて効率重視)/c バーチャル(分散だけど統合に見せる)/d フォロー・ザ・サン(時差利用で24時間対応)。
なぜこれが正解か
正解は b。ITILで定義されるサービスデスクの構成形態は4種類:
- ローカル:利用者の近くに配置、地域・部門特化対応
- 中央集約:1拠点に集中、効率と統制重視
- バーチャル:物理的に分散しているが、通信技術で単一窓口に見せる
- フォロー・ザ・サン:時差を活かして地理的に分散した拠点で24時間対応
bは「利用者の近く」「言語・文化対応」「VIP専用」が含まれておりローカルサービスデスクの典型特徴。
各選択肢の解説
- a:1拠点に集中=中央集約型サービスデスク。
- c:分散しているが単一に見せる=バーチャルサービスデスク。
- d:分散拠点を中央統括=中央統括型またはフォロー・ザ・サンの派生形。
覚え方・ひっかけ注意
「ローカル=地元密着、中央=効率、バーチャル=見せかけ統合、Follow the Sun=時差利用24h」で4型を整理。ITIL v3/v4のサービスオペレーション領域で定義。なお現代ではAIチャットボット・セルフサービスポータルが「Zero Tier」として加わり、ティア構造(Tier 0→1→2→3)の再設計が進む。
理論的背景
サービスデスクはITILのサービスオペレーション機能の中核で、ユーザーとIT組織の単一窓口(SPOC: Single Point of Contact)を提供する。ITIL v4ではプラクティス「サービスデスク」として再定義され、インシデント管理・要求実現・問題管理・変更実現の起点となる。
4配置形態の選定は以下の要因で決まる:
- 組織規模・地理的分散度
- サービス対象言語・文化の多様性
- 24時間サポート要件
- コスト効率
- VIP・特殊業務要件
KPIとしてFCR(First Call Resolution、初回解決率)、MTTR(Mean Time To Resolve)、CSAT(顧客満足度)、AHT(Average Handle Time)等で評価する。
実務での使われ方
グローバル企業の典型構成: 北米HQ・欧州・APACの3地域拠点でFollow the Sun運用→各拠点はローカル/バーチャルのハイブリッド→AIチャットボット(ServiceNow Virtual Agent、Zendesk AI等)でTier 0自動化→人間Tier 1は標準対応→Tier 2/3はエスカレーション。クラウド時代のSREチームは「ユーザー(社内開発者)」を顧客とするサービスデスクとして機能。
ITSM プラットフォーム: ServiceNow、Zendesk、Jira Service Management、Freshservice、PagerDuty(インシデント管理特化)等。各種チケット管理、SLA監視、自動化ワークフロー、ナレッジベース、AIアシスタント統合が標準機能。
試験での位置づけ
FE/AP/SM(サービスマネージャ)のマネジメント系で頻出。①サービスデスクの4形態、②インシデント管理プロセス、③SLA・OLA・UC、④CMDB、⑤ITIL v3/v4の主要概念、が主要論点。本問の4形態識別はマネジメント基礎問題で必修。
選択肢の発展補足
Follow the Sun方式は時差を活用してインドの夜→米国の昼→欧州の朝とリレーすることで24時間対応を実現。コストは高いがミッションクリティカルサービスで採用。インシデントの引き継ぎ品質(Handover Quality)が成功要因で、構造化された引き継ぎテンプレート・SOPが必要。ローカルサービスデスクの逆の極限はSelf-Service(セルフサービスポータル)+ AIエージェントで、KB記事の自動マッチング・解決提案・チケット自動分類でTier 1負荷を50-70%削減可能。最新のSRE/DevOps組織では「You build it, you run it」原則によりサービスデスクをチームに分散する逆方向の動きもある。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成25年度 秋期 問55/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。