基本情報 平成26年度 春期 問34:テクノロジ系に関する問題
次のネットワークアドレスとサブネットマスクをもつネットワークがある。このネ ットワークを利用する場合, PC に割り振ってはいけない IP アドレスはどれか。 ネットワークアドレス : 200.170.70.16 サブネットマスク :・ 255.255.255.240
- a200.170.70.17
- b200.170.70.20
- c200.170.70.30
- d200.170.70.31正答
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答えは d「200.170.70.31」 です。
サブネットマスク 255.255.255.240 は、ネットワーク部分が末尾の 4ビットを1つの単位として区切る設定(16個のIPアドレスのグループ)。
200.170.70.16〜.31 の16個のうち:
- .16:ネットワークアドレス(グループの名前用)→使えない
- .17〜.30:PCに割り振れる(14個)
- .31:ブロードキャストアドレス(全員に送る用)→使えない
だから .31 はPCに割り当て不可。
👉 覚え方:「先頭はグループ名、末尾は全員呼び出し。中の14個だけがPC用」。
なぜこれが正解か
正解は d。サブネットマスク255.255.255.240 = /28 はホスト部4ビット(2⁴=16アドレス)。ネットワーク200.170.70.16/28 の範囲は .16〜.31:
- .16: ネットワークアドレス(ホスト部全0)→ホスト割当不可
- .17〜.30: 14個の割当可能ホスト
- .31: ブロードキャストアドレス(ホスト部全1)→ホスト割当不可
よって200.170.70.31はブロードキャストアドレスであり、PCに割り振ることはできない。
各選択肢の解説
- a 200.170.70.17:先頭から2番目、PC割当可。
- b 200.170.70.20:中間値、PC割当可。
- c 200.170.70.30:割当可能最後のアドレス、PC割当可。
- d 200.170.70.31:ブロードキャスト、割当不可(正解)。
覚え方・ひっかけ注意
「ネットワーク内の最初=NW、最後=ブロードキャスト、間がホスト」。/28なら2⁴=16個、ホスト割当可能数は16-2=14。プレフィックス長と利用可能数の早見:
- /24: 256-2=254
- /25: 128-2=126
- /26: 64-2=62
- /27: 32-2=30
- /28: 16-2=14
- /29: 8-2=6
- /30: 4-2=2
- /31: 0(特殊用途、RFC 3021でP2Pリンクのみ可)
理論的背景
IPv4のサブネットはネットワーク部とホスト部を分割するビット境界で定義される。CIDR(Classless Inter-Domain Routing、RFC 1519、1993)以降はクラスフル(A/B/C)から脱却し任意のプレフィックス長で表記。サブネットマスク255.255.255.240(11111111.11111111.11111111.11110000)は上位28ビットがNW、下位4ビットがホスト。
VLSM(Variable Length Subnet Mask、RFC 1878)でネットワークを階層的に分割でき、アドレス空間を効率利用。サブネット内の特殊アドレス:
- ネットワークアドレス(ホスト部全0): そのサブネットを識別
- ブロードキャストアドレス(ホスト部全1): サブネット内全ホスト宛て
- ホスト割当可能アドレス: その間
/31(RFC 3021)はP2Pリンク用に2アドレス両方使う特殊運用、/32はループバック・ホストルート用。
実務での使われ方
企業ネットワークでは部門・拠点・VLAN・DMZ等の論理単位でサブネット分割。AWS VPCではサブネット作成時にAWS側が4アドレスを予約(NW・VPC ルータ・DNS・将来用 + ブロードキャスト)し利用可能数が-5。Azure/GCPも同様の予約。クラウド時代はサブネット設計がIaC(Terraform、CloudFormation)で管理される。
IPv6(RFC 4291)ではアドレス空間が128ビットと膨大で、/64がインターフェース識別子用標準、/56や/48が企業/個人配布の標準サイズ。サブネット計算の概念は変わらないが、ブロードキャストは廃止されマルチキャスト(ff02::1=All Nodes)に置き換え。
ネットワーク監視・侵入検知ではサブネット境界をベースに通信パターン分析。BGP/OSPF/EIGRPルーティングでサブネット情報を交換し最適経路を決定。
試験での位置づけ
FE/AP/NW(ネットワークスペシャリスト)で必出。①IPアドレスとサブネットマスクの2進数変換、②CIDR表記とサブネットマスクの相互変換、③サブネットの分割と統合(サマリーアドレス)、④NW/ブロードキャスト/ホスト割当数の計算、⑤ルーティング理論、が主要論点。本問は基本中の基本。
選択肢の発展補足
IPv4枯渇(ARIN 2015、APNIC 2011)以降、企業内ではプライベートIPアドレス(RFC 1918: 10.0.0.0/8, 172.16.0.0/12, 192.168.0.0/16)+ NAT/PATで対応。CGN(Carrier Grade NAT)ではISP側でさらに大規模NATし、グローバルIP不足を緩和。リンクローカル(169.254.0.0/16、APIPA)はDHCP失敗時の自動割当。
IPv6移行は遅々として進まないが、5G/IoT時代に再加速の動き。デュアルスタック・トンネル(6to4、Teredo、6in4)で混在運用。クラウド事業者はIPv6対応を積極推進(AWS、Google Cloud、Azure全社で対応)。本問のような古典的サブネット計算は依然として必須スキルで、ネットワーク設計・トラブルシューティングの基礎となる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成26年度 春期 問34/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。