基本情報 平成28年度 秋期 問57:マネジメント系に関する問題
T サービスマネジメントのキャパシティ管理プロセスにおける, オンラインシス テムの容量・能力の利用の監視についての注意事項のうち, 適切かものはどれか。
- a応答時間や CPU 使用率などの複数の測定項目を定常的に監視する。正答
- bオンライン時間帯に性能を測定することはサービスレベルの低下につながるの で, 測定はオフライン時間帯に行う。
- cキャパシティ及びパフォーマンスに関するインシデントを記録する。
- d性能データのうちの一定期間内の最大値だけに着目し, 管理の限界を逸脱して いるかどうかを確認する。
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答えは a「応答時間やCPU使用率などの複数項目を定常的に監視する」 です。
キャパシティ管理は「システム容量が足りるかを継続的にチェック」する仕事。
単一指標だけ見ると見落とすので、応答時間・CPU・メモリ・ディスク・帯域など複数の指標を普段から継続的に監視するのが正解。
👉 覚え方:キャパ管理=複数項目を常時監視。
ほかの選択肢:b オフライン時間帯限定=負荷ピークを見逃す/c インシデント記録=それは別プロセス/d 最大値だけ=平均・傾向の把握漏れ。
なぜこれが正解か
正解は a。ITILのキャパシティ管理プロセスでは、サービスのパフォーマンスとリソース利用状況を継続的・複数指標で監視し、傾向分析からキャパシティ計画を策定する。応答時間・CPU使用率・メモリ使用率・ディスクI/O・ネットワーク帯域・トランザクション数等の複数指標を定常的に取得することで、ボトルネック特定・容量予測・拡張計画が可能となる。
各選択肢の解説
- a 応答時間・CPU等複数項目を定常監視:正解。キャパシティ管理の基本。
- b オフライン時間帯のみ測定:負荷の高いオンライン時間帯の実測値が真の評価対象。オフラインでは現実が見えない。
- c インシデント記録:インシデント管理の役割で、キャパシティ管理の主目的ではない(参考情報にはなる)。
- d 最大値だけ着目:平均値・トレンド・パターン分析も必要。最大値偏重は実態誤認の原因。
覚え方・ひっかけ注意
キャパシティ管理の3レベル:
- ビジネスキャパシティ管理:将来ビジネス要件からの容量予測
- サービスキャパシティ管理:サービス単位の性能・容量管理
- コンポーネントキャパシティ管理:個別リソース(CPU等)の管理
「複数指標/定常監視/実利用時間帯」がキャパシティ管理の三原則。性能テスト+本番監視+傾向分析+予測モデリングでPDCA回す。
理論的背景
キャパシティ管理はITIL 4のキャパシティ&パフォーマンス管理プラクティスとして体系化。目的は「サービスのキャパシティとパフォーマンスがビジネスニーズを満たす」こと。プロセスは監視→分析→チューニング→実装→キャパシティ計画策定のサイクル。CMIS(Capacity Management Information System)にデータ集約し、CDB(Capacity Database)として活用。
実務での使われ方
監視指標体系:
- USE Method:Utilization・Saturation・Errors(Brendan Gregg提唱)
- RED Method:Rate・Errors・Duration(マイクロサービス向け)
- Four Golden Signals:Latency・Traffic・Errors・Saturation(Google SRE)
ツール:
- Prometheus + Grafana:時系列メトリクス+可視化
- Datadog/New Relic/Dynatrace:APM統合プラットフォーム
- Zabbix/Nagios/Cacti:従来型監視
- CloudWatch/Azure Monitor/GCP Cloud Monitoring:クラウドネイティブ
- Elastic Stack(ELK):ログ+メトリクス
性能予測手法:
- 時系列分析:ARIMA・指数平滑法
- 機械学習:Prophet・LSTM
- シミュレーション:待ち行列モデル・離散事象シミュレーション
- 負荷テスト:JMeter・Gatling・Locust
試験での位置づけ
ITサービスマネジメント・性能管理分野の頻出テーマ。基本情報・応用情報ではキャパシティ管理の基本、ITサービスマネージャ・データベーススペシャリストでは性能テスト計画・SLA設計・チューニング・スケーリング戦略まで踏み込む。
選択肢の発展補足
スケーリング戦略:
- 垂直スケーリング(スケールアップ):単一サーバの強化、限界あり
- 水平スケーリング(スケールアウト):サーバ追加、分散システム化必要
- オートスケーリング:需要に応じた自動拡縮
- エラスティック設計:クラウドネイティブの基本
クラウド時代のキャパシティ管理:
- コスト最適化との両立:FinOps(Cloud Financial Management)
- リザーブドインスタンス/Saving Plans:長期コミットメント割引
- スポットインスタンス:余剰リソース活用
- サーバレス:従量課金で完全自動キャパシティ
SRE文脈では:
- エラーバジェット:SLOから計算した障害許容範囲
- トイル削減:手作業削減で本質的改善に集中
- カオスエンジニアリング:障害注入で耐性検証(Chaos Monkey等)
- オブザーバビリティ:メトリクス+ログ+トレース+プロファイルの統合
試験対策はキャパシティ管理の基本3原則(複数指標・定常監視・実時間帯)+現代運用プラクティス+クラウド時代のスケーリング戦略の理解で上位資格全般に対応可能。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 秋期 問57/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。