憲法7国会・唯一の立法機関・例外

行政書士 憲法 問7:国会・唯一の立法機関・例外

国会の地位及び立法に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 国会が「国の唯一の立法機関」(憲法41条)であるとは、国会が実質的立法権を独占するという国会中心立法の原則を意味し、例外として条約・議院規則・最高裁判所規則・地方議会条例などがある。
  • 参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
  • 衆議院と参議院が異なった議決をした場合、衆議院が両院協議会を開くよう求めれば、参議院は必ず応じなければならない。正答
  • 国会は、国政調査権として、証人の出頭・証言及び記録の提出を求めることができる。
  • 一般の立法手続きによって制定された法律と同一の手続き・多数決によって憲法を改正することはできない。
正答:衆議院と参議院が異なった議決をした場合、衆議院が両院協議会を開くよう求めれば、参議院は必ず応じなければならない。

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ウが誤りです。両院協議会については、衆議院が求めた場合でも参議院が必ず応じなければならないとは限りません。憲法59条3項は「前項(衆議院の再議決)の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両院協議会を開くことを求めることを妨げない」と定めるにとどまり、参議院に強制する規定ではありません。アは正しく(唯一の立法機関の原則と例外)、イは正しく(憲法59条4項の60日みなし否決)、エは正しく(62条の国政調査権)、オは正しい(硬性憲法の原則)。

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「国会の唯一の立法機関(憲法41条)」の例外について整理します。国会中心立法の原則(実質的意味の立法は国会のみ)の例外は以下の通りです。①議院規則(憲法58条2項)、②最高裁判所規則(憲法77条)、③地方公共団体の条例(憲法94条)、④内閣の政令(憲法73条6号・但し法律の委任が必要な場合の独立命令は不可とされる)です。なおアで言及される「条約」は立法行為ではなく国際合意であり、正確には「唯一の立法機関の例外」とは別に論じるべき点はありますが、選択肢ア全体として「例外が存在する」という命題は概ね正しいです。ウの両院協議会について:法律案の場合、衆議院が両院協議会を求めることは「妨げない」(任意的)と規定されており(憲法59条3項)、参議院はこれに応ずる義務を憲法上持ちません。「必ず応じなければならない」という表現は誤りです(予算・条約の場合は自動的に開かれる点との区別も重要)。

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【理論的背景】

憲法41条が国会を「国の唯一の立法機関」とする趣旨は、①国会中心立法の原則(実質的意味の立法=国民の権利義務に関わるルールは国会のみが制定できる)と、②国会単独立法の原則(国会の意思のみで立法でき、他機関の参与が不要)の二つから成ります。民主主義・権力分立の観点から、立法権の帰属を国民代表機関たる国会に集中させる趣旨です。

【実務・条文構造】

両院協議会(憲法59条3項)の論点を詳細に分析します。

  • 予算・条約の場合: 衆議院の優越(60条・61条)により、両院協議会が自動的に開かれる(強制開催)。
  • 法律案の場合: 衆議院が参議院に両院協議会を求めることは「できる」(任意的)。参議院には応ずる義務はない。
  • 衆議院の再議決(59条2項): 参議院が否決した場合、衆議院が出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立する。

憲法96条(改正手続)について:各議院の総議員の3分の2以上の賛成による発議→国民投票(過半数の賛成)という手続きが必要です。通常の法律と異なる厳格な手続きを要求する「硬性憲法」の性格(オが正しい理由)。

【試験での位置づけ】

行政書士試験の統治機構問題では、衆議院の優越の場面(予算・条約・内閣総理大臣指名・条約・内閣不信任)とその手続きの細部(日数・多数決要件)が問われます。典型的な引っかけは「両院協議会は常に必須」「参議院は求めに応ずる義務がある」という誤記述です。また「法律と同じ手続きで憲法を改正できる」(硬性憲法の否定)も頻出の誤りです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 概ね正しい。国会中心立法の原則の例外(議院規則・最高裁判所規則・地方議会条例)は定番論点。「条約」を例外として挙げる点については議論があるが(条約は立法行為でなく国際合意であるため「例外」概念に馴染まないとも言える)、選択肢全体の趣旨は正しい。
  • イ: 正しい。憲法59条4項。「国会休会中の期間を除いて60日以内」「みなすことができる」という文言を正確に把握することが重要。「必ず否決とみなす」ではなく「みなすことができる(衆議院の権能として)」であることに注意。
  • ウ: 誤り(正答)。法律案の場合の両院協議会開催は任意的であり、参議院に強制力はない。
  • エ: 正しい。憲法62条「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」。国政調査権の内容(証人喚問・記録提出要求)をそのまま表現している。
  • オ: 正しい。憲法96条の硬性憲法条項。通常立法より厳格な手続き(各院総議員3分の2以上の発議+国民投票)が必要。「同一の手続き・多数決では改正できない」は96条の趣旨に合致。

【根拠条文】

日本国憲法 第41条(国会の地位)、第59条(法律案の議決・両院協議会・再議決)、第62条(国政調査権)、第96条(憲法改正の発議)

【補足】

両院協議会が必須(予算・条約)と任意(法律案)の場合を区別して整理することが試験頻出。数字(60日・3分の2)も正確に暗記すること。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 日本国憲法 第41条(国会の地位)、第59条(法律案の議決)、第62条(国政調査権)、第96条(憲法改正手続) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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