ITパスポート 令和3年度 問11:経営戦略に関する問題
RPA(Robotic Process Automation)の特徴として,最も適切なものはどれか。
- a新しく設計した部品を少ロットで試作するなど,工場での非定型的な作業に適している。
- b同じ設計の部品を大量に製造するなど,工場での定型的な作業に適している。
- cシステムエラー発生時に,状況に応じて実行する処理を選択するなど,PCで実施する非定型的な作業に適している。
- d受注データの入力や更新など,PCで実施する定型的な作業に適している。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは d です。
RPAは、パソコンで毎日くり返す"決まりきった作業"を、ソフトのロボットが自動でやってくれる仕組みです。
たとえば「受注データを入力する」「同じ場所に毎日コピペする」みたいな、いつも同じ手順の事務作業が得意。逆に、その場で考えて判断するような作業は苦手です。
👉 覚え方:RPA=PCの事務ロボット。「決まった事務作業を自動化」!
ほかの選択肢:a・b =工場のモノづくりの話(RPAはPC作業向け)/c =その場で考えて選ぶ作業はRPAは苦手("決まった作業"じゃないから)。
なぜこれが正解か
正解は d。RPA(Robotic Process Automation)は、PC上で行う定型的な事務作業(ルールが決まった繰り返し作業)をソフトウェアロボットで自動化する技術。受注データの入力・更新、複数システム間の転記、定期レポート作成などが典型用途。
各選択肢の解説
- a:工場での非定型・少ロット試作はFA(工場自動化)/産業用ロボットの領域で、PC事務作業ではない。
- b:工場での定型的な大量製造もFAの話。RPAは"PC上の処理"が対象。
- c:状況に応じて処理を選択する非定型作業は、ルールが固定されないためRPA単体には不向き(判断を要する)。
覚え方・ひっかけ注意
キーは「PC上の/定型/繰り返し」の3点セット。aもbも"工場"でひっかける(RPAは事務系ソフトウェアロボット、工場のロボットとは別物)。cは"非定型"という語が決め手。
仕組みと技術的背景
RPAは人間がPCで行う操作(画面要素の認識・クリック・テキスト入力・ファイル操作・コピー&ペースト)を「シナリオ」として記録・定義し、ソフトウェアロボット(bot)が自律的に実行する。技術的にはGUI自動化が基盤で、画面上の要素をXPath・CSS Selector・画像認識で特定する。UIPath・Blue Prism・Automation Anywhereが世界3大ベンダーで、WinActor(NTT AT)は日本の官公庁・金融機関に多く導入されている。成熟度は3段階で整理される:Class 1=RPA(ルールベース定型作業自動化)・Class 2=EPA(Enhanced Process Automation)(OCR・自然言語処理・機械学習を組み合わせて非定型データも処理)・Class 3=CA(Cognitive Automation)(AIによる自律的意思決定・例外処理の自己解決)。現状の多くの導入はClass 1で、Class 2・3への進化が「インテリジェント自動化(IA)」として注目される。
実務での使われ方と課題
主要適用領域はバックオフィス業務(経理の請求書処理・経費精算・銀行振込データ作成、人事の勤怠集計・給与計算前処理、購買の発注データ転記など)と、レガシーシステム統合(APIが整備されていない古いシステムをGUI経由で連携)。導入効果として工数削減70-90%・24時間稼働・ヒューマンエラーゼロが挙げられる一方、典型的な失敗パターンとして①対象画面のレイアウト変更でbotが停止する脆弱性、②IT部門管理外の「野良ロボット」によるガバナンス崩壊、③効率の悪いプロセスをそのまま自動化する「無駄の高速化」がある。成功するRPA導入は必ずBPR(Business Process Reengineering)でプロセス自体を見直してから自動化する。
上位資格への接続
基本情報技術者ではAI・機械学習との違い(RPAはルールベースで「判断」しない)・FA(工場自動化)との違い・DX推進との関係が問われる。応用情報以上ではRPA導入の失敗要因分析・ROI計算・CoE(Center of Excellence)によるガバナンス体制・生成AIとの組み合わせ(LLMが自然言語で指示してRPAが実行する「AIエージェント」構成)まで視野に入る。
選択肢の発展補足
選択肢aの「非定型・少ロット試作」はフレキシブル生産システム(FMS)や3Dプリンティングの領域で、産業用ロボットでも特殊なプログラムが必要。選択肢bの定型・大量製造はFA(Factory Automation)でPLC(プログラマブルロジックコントローラ)・産業用ロボット(FANUC・安川電機製など)が担う。これらはPC上の事務処理を扱うRPAとは物理的・概念的に全く別の技術カテゴリ。選択肢cの「状況に応じた判断を要する非定型作業」はRPAの限界領域で、これをAIで補完するのがIntelligent Document Processing(IDP)やAIエージェントの役割。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問11/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。