ITパスポート 令和3年度 問16:経営戦略に関する問題
マーチャンダイジングの説明として,適切なものはどれか。
- a消費者のニーズや欲求,購買動機などの基準によって全体市場を幾つかの小さな市場に区分し,標的とする市場を絞り込むこと
- b製品の出庫から販売に至るまでの物の流れを統合的に捉え,物流チャネル全体を効果的に管理すること
- c店舗などにおいて,商品やサービスを購入者のニーズに合致するような形態で提供するために行う一連の活動のこと正答
- d配送コストの削減と,消費者への接触頻度増加によるエリア密着性向上を狙って,同一エリア内に密度の高い店舗展開を行うこと
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは c です。
マーチャンダイジングは、お店で「お客さんが欲しいと思う形」で商品やサービスをそろえて売るための、いろいろな工夫のことです。
たとえばコンビニで、おでんが冬に前のほうに並んでいたり、おにぎりが入口の近くにあったりしますよね。あれは「お客さんが買いたくなるように」考えて並べているんです。それ全体がマーチャンダイジングです。
👉 覚え方:「マーチャン=商品(merchandise)」を、売れるようにそろえる工夫。
ほかの選択肢:a はお客さんをグループ分けする話(ねらいを絞る)/b は商品を運ぶ流れの管理(宅配の流れみたいな)/d は同じ地域にお店をたくさん出す作戦。
なぜこれが正解か
正解は c。マーチャンダイジング(商品化計画)は、店舗などで顧客のニーズに合致する形態で商品・サービスを提供するために行う一連の活動を指す。「適切な商品を・適切な時期に・適切な数量・価格・場所で」提供するための品揃え、陳列、価格設定、販促などを含む。
各選択肢の解説
- a:市場をニーズで分割し標的を絞る → マーケットセグメンテーションの説明。
- b:出庫から販売までの物の流れを統合管理 → ロジスティクス(物流管理)の説明。
- d:同一エリアに高密度で出店 → ドミナント戦略の説明。
覚え方・ひっかけ注意
語源 merchandise(商品)から「商品を売れる形にそろえる活動」と覚える。a のセグメンテーション、d のドミナント戦略は別の頻出用語なので混同しないこと。
理論的背景
マーチャンダイジング(MD)は小売業の中核管理機能で、一般に「5つの適正(5R)」=Right Product(適正商品)・Right Time(適正時期)・Right Quantity(適正数量)・Right Price(適正価格)・Right Place(適正場所)で顧客に提供することと整理される。単なる陳列や販促施策にとどまらず、商品ライフサイクル全体(仕入計画・品揃え計画・在庫管理・売価設定・棚割り(プラノグラム)・廃番判断)を一貫して扱う戦略的活動。プラノグラムとは商品を棚のどの位置にどの向きで何フェース(面)並べるかを設計した配置計画書で、消費者心理(ゴールデンゾーン・視線誘導)を反映して売上最大化を狙う。
実務での使われ方
小売・流通ではMD(マーチャンダイザー)部門がPOSデータやID-POS(個人ID紐付き購買データ)を分析して死に筋・売れ筋を判定し、棚割りや発注サイクルに反映する。近年はデジタルサイネージと連動した「デジタルMD」、ECサイト上での商品表示順・バンドル販売・レコメンド設計を指す「デジタル・マーチャンダイジング」も重要領域になっている。オムニチャネル戦略においては実店舗と EC の在庫・価格・品揃えを統合管理する「シームレスMD」が課題となる。
上位資格への接続
基本情報技術者ではマーケティング用語群(4P:Product・Price・Place・Promotion、STP:Segmentation・Targeting・Positioning、CRM・SCM等)との整合的な理解が求められ、MDは4PのProduct(品揃え)・Price(価格設定)・Place(チャネル・陳列)にまたがる横断的活動として位置づけられる。応用情報以上では小売業の情報システム(POSシステム・EDI・需要予測AIとの連携)の文脈で出題されることがある。
選択肢の発展補足
選択肢aのセグメンテーション(市場細分化)はSTPの第一ステップで、年齢・性別・ライフスタイル・購買行動などで市場を分割する。これを踏まえてMDは「どのセグメント向けにどんな品揃えをするか」を決定する関係にある。選択肢bのロジスティクスはSCM(サプライチェーンマネジメント)の物流サブセットで、調達物流・販売物流・回収物流を包含する。選択肢dのドミナント戦略は特定地域への集中出店で物流効率・認知度・競合排除を同時に狙う手法で、コンビニチェーン(セブン-イレブン等)が典型。ドミナント戦略の有効性を支える物流最適化がロジスティクス、各店舗の品揃えを管理するのがマーチャンダイジングという役割分担になる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問16/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。