令和3年度18ストラテジ系

ITパスポート 令和3年度 問18:経営戦略に関する問題

戦略目標の達成状況を評価する指標には,目標達成のための手段を評価する先行指標と目標達成度を評価する結果指標の二つがある。戦略目標が"新規顧客の開拓"であるとき,先行指標として適切なものはどれか。

  • a売上高増加額
  • b新規契約獲得率
  • c総顧客増加率
  • d見込み客訪問件数正答
正答:D見込み客訪問件数

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは d「見込み客訪問件数」 です。

「先行指標」は、結果が出る"前"にがんばった量をはかるものさしです。一方「結果指標」は、最後に出た成果をはかるものです。

ダイエットでいうと、「運動した回数」が先行指標、「減った体重」が結果指標、という感じ。

新しいお客さんを増やしたいなら、まず候補のお客さんに会いに行く回数(d)を増やすのが先。その努力の後に契約や売上がついてきます。

👉 覚え方:先行=「これからの行動・努力」、結果=「最後に出た成果」。

ほかの選択肢:a 売上高増加額・b 新規契約獲得率・c 総顧客増加率は、どれも"結果として出た数字"なので結果指標です。

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なぜこれが正解か

正解は d。先行指標は「目標達成のための手段・行動」を測る指標で、結果が出る前の活動量を表す。新規顧客開拓のための行動は「見込み客への訪問」であり、訪問件数を増やすことが将来の契約・売上につながる。よって d 見込み客訪問件数が先行指標。

各選択肢の解説

  • a 売上高増加額:開拓活動の最終成果 → 結果指標。
  • b 新規契約獲得率:契約が取れたかどうかの成果 → 結果指標。
  • c 総顧客増加率:顧客数という成果 → 結果指標。

覚え方・ひっかけ注意

先行指標=行動・プロセス(自分でコントロールできる量)、結果指標=成果(あとから出る数字)。「〜件数」「〜回数」のように自分の努力量を直接表すものは先行指標になりやすい。BSC(バランススコアカード)のKPI設定でよく登場する考え方。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景:KPI設計の原則

先行指標(Leading Indicator)と結果指標(Lagging Indicator)の区別はKPI(重要業績評価指標)設計の根幹にある。結果指標は売上・利益・市場シェア・顧客数のように「達成されたかを事後に測る」もので、改善行動を直接打てない。先行指標はその結果を生む原因系プロセス(訪問件数・提案数・商談化率・コールバック率等)を測り、先手でマネジメントできる点に本質的な価値がある。KGI(Key Goal Indicator:最終目標指標)→CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)→KPI(先行指標)という分解で設計するのが定石で、「新規顧客増加(KGI)」に対し「見込み客訪問件数(KPI)」はCSFである「見込み客との接点を増やすこと」を実行指標化したものになる。

バランススコアカード(BSC)との接続

BSC(Kaplan & Norton、1992年)では財務・顧客・内部プロセス・学習と成長の4視点で指標を設計し、各視点間に「学習→プロセス→顧客→財務」という因果連鎖(戦略マップ)を描く。下流の財務指標(売上高・利益率)が結果指標、上流の活動指標(訪問件数・研修受講数等)が先行指標の性格を持ち、本問の「訪問件数→契約→売上」という連鎖はBSCの戦略マップそのもの。BSCはKGI/KPIと組み合わせて経営計画に組み込まれ、SaaS企業でいえば「ARR(最終成果)←NRR(中間成果)←チャーン率低減行動(先行)」という形に適用される。

実務での使われ方

セールスパイプライン管理(CRM上での案件ステージ管理)は先行指標管理の実践形態で、各ステージの件数・転換率をリアルタイムで監視し、将来の受注予測(パイプライン予測)を立てる。ダッシュボードツール(Salesforce・HubSpot・Tableau等)で先行指標をリアルタイム可視化し、チームメンバーがセルフモニタリングする文化が現代の営業マネジメントの標準となっている。

上位資格への接続

基本情報技術者ではBSCの4視点・KPI/KGI/CSFの定義・プロダクトライフサイクルとの組み合わせ問題が出題される。応用情報以上では戦略マップの作成・BSCの連鎖的因果関係の分析・BPM(ビジネスプロセス管理)との統合が問われる。

選択肢の発展補足

選択肢bの新規契約獲得率は「率」だが過去の活動結果の集計値であり結果指標。一方「商談化率(訪問から提案に移行した割合)」や「初回提案採択率」のように途中プロセスの効率を示す「率」は先行指標になり得る。指標の先行・結果の判別は語尾(件数か率か)ではなく「当事者がコントロール可能な原因か、事後の成果か」という本質で判断する点が上級問題のポイント。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度18/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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