令和4年度33ストラテジ系

ITパスポート 令和4年度 問33:システム戦略・UXに関する問題

IT機器やソフトウェア,情報などについて,利用者の身体の特性や能力の違いなどにかかわらず,様々な人が同様に操作,入手,利用できる状態又は度合いを表す用語として,最も適切なものはどれか。

  • aアクセシビリティ正答
  • bスケーラビリティ
  • cダイバーシティ
  • dトレーサビリティ
正答:Aアクセシビリティ

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答えは a「アクセシビリティ」 です。

アクセシビリティとは、「目が見えにくい人・耳が聞こえにくい人・お年寄りなど、いろんな人がみんな同じように使えること」。

たとえばWebサイトで文字を大きくできたり、画像に音声説明がついていたり。誰でも情報にたどりつける度合いのことです。

👉 覚え方:アクセス(access=近づく・使う)+アビリティ(ability=できる)=“誰でも使える度合い”。

ほかの選択肢:b スケーラビリティ=規模を大きくできる柔軟さ/c ダイバーシティ=人材の多様性/d トレーサビリティ=どこで作られたか後から追える仕組み。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は a。アクセシビリティ(accessibility)は、身体の特性や能力の違い、年齢などにかかわらず、さまざまな人が情報やサービスを同様に利用できる状態・度合いを指す。問題文の定義そのもの。

各選択肢の解説

  • a アクセシビリティ:○ 誰もが利用できる度合い。
  • b スケーラビリティ:✕ 利用規模の拡大に柔軟に対応できる性能(拡張性)。
  • c ダイバーシティ:✕ 人材・価値観の多様性。
  • d トレーサビリティ:✕ 製品や情報の生産・流通の履歴を追跡できること。

覚え方・ひっかけ注意

「誰でも使える=アクセシビリティ」。混同しやすいのが「ユーザビリティ(使いやすさ・使い勝手)」。アクセシビリティは“そもそも利用できるか(利用可能性)”、ユーザビリティは“どれだけ快適に使えるか”という違い。「〜ビリティ」系の語の意味をセットで覚える。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

アクセシビリティ(Accessibility)は「あらゆる人が利用可能な程度・状態」を指し、IT文脈では特に「障害・年齢・環境等によらず情報・機能へのアクセスを保障する設計思想」を意味する。この概念はUniversal Design(ユニバーサルデザイン)の7原則(公平な使用・柔軟な使用・単純で直観的な使用・知覚可能な情報・誤使用の許容・低身体的努力・接近と使用のための寸法と空間)の一部を構成する。

Web・デジタルのアクセシビリティは、W3C(World Wide Web Consortium)が策定したWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)が国際標準として広く採用されている。WCAG 2.1の4原則(POUR)は以下の通り。

  • Perceivable(知覚可能):情報が感覚できる形で提供される(画像に代替テキスト・動画に字幕等)
  • Operable(操作可能):キーボードのみでも操作できる・十分な操作時間がある
  • Understandable(理解可能):コンテンツが明瞭で、操作が予測可能
  • Robust(堅牢):スクリーンリーダー等の支援技術に対応している

日本ではJIS X 8341-3(高齢者・障害者等配慮設計指針)がWCAGに対応する国内規格で、政府機関・公共機関のWebサイトへの適合が義務化されている。

本問の正解aの「アクセシビリティ」は「身体の特性・能力の違いによらず同様に利用できる状態・度合い」という定義と完全に一致する。

実務での使われ方

2021年施行の改正障害者差別解消法により民間事業者にも「合理的配慮の提供」が義務化(2024年施行)され、Webサービス・アプリのアクセシビリティ対応が法的義務として明確化された。スクリーンリーダー(視覚障害者がテキスト読み上げで操作)・スイッチアクセス(運動障害者がスイッチ一つで操作)・高コントラストモード対応が主要な実装要件となる。

国際的には米国のADA(Americans with Disabilities Act:障害を持つアメリカ人法)やSection 508(連邦政府機関のICTアクセシビリティ要件)、EUのEuropean Accessibility Act(EAA、2025年完全施行)により、デジタル製品・サービスへのアクセシビリティ要件が拡大している。

試験での位置づけ

ITパスポートのシステム戦略・UX・デジタルサービス設計分野で出題。選択肢の「ビリティ(-bility)」系の用語の区別が典型的な問われ方。「アクセシビリティ(アクセス可能性・利用可能性)・スケーラビリティ(拡張可能性)・ダイバーシティ(多様性)・トレーサビリティ(追跡可能性)」の4語を定義とセットで記憶する。

上位資格では、WCAG 2.1/3.0の適合レベル(A/AA/AAA)の要件、アクセシビリティ監査(自動ツール+手動評価)の手法、支援技術(AT:Assistive Technology)との互換性テスト(スクリーンリーダーのNVDA・JAWS・VoiceOver対応)まで踏み込んだ問題が出る。

選択肢の発展補足

選択肢b(スケーラビリティ):システムやサービスが利用者数・データ量の増加に対して性能・容量を効率的に拡張できる能力を指す。水平スケーリング(サーバー台数を増やす)と垂直スケーリング(1台のサーバーのスペックを上げる)の2手法がある。クラウドサービス(AWS Auto Scaling等)のスケーラビリティは「急激なトラフィック増加にも自動対応できる」特徴として重要。アクセシビリティ(誰でも利用可能な設計)とは概念が全く異なる。

選択肢c(ダイバーシティ):多様性を意味し、HRM(人材管理)文脈では「性別・年齢・国籍・障害・LGBTQ等多様な属性の人々が共存・活躍できる組織文化・施策」を指す。IT文脈では「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」として、AIが学習データのバイアスによって特定属性を排除しないことも含む。アクセシビリティは「利用可能性の保障」であり、ダイバーシティは「多様な人々の存在・活躍の承認」という概念の違いがある。

選択肢d(トレーサビリティ):製品・データ・プロジェクト作業物の起源・経歴・所在を追跡できる能力。食品の産地・流通経路の記録(食品トレーサビリティ)、ソフトウェア開発での要件と設計・テストの対応関係追跡(要件トレーサビリティ)、製造業での部品ロット番号管理が典型例。ブロックチェーンを活用したサプライチェーントレーサビリティも注目されている。「誰でも利用可能な設計」というアクセシビリティの文脈とは異なる概念。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度33/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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