ITパスポート 令和5年度 問11:system_strategyに関する問題
IoTやAIといったITを活用し,戦略的にビジネスモデルの刷新や新たな付加価値を生み出していくことなどを示す言葉として,最も適切なものはどれか。
- aデジタルサイネージ
- bデジタルディバイド
- cデジタルトランスフォーメーション正答
- dデジタルネイティブ
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは c「デジタルトランスフォーメーション」 です。
これは、IoT(いろんな機械をネットにつなぐ技術)やAIといった新しいITの力を使って、会社のもうけ方そのものを“ガラッと作り変える”ことです。略して「DX(ディーエックス)」と呼ばれます。
たとえば、今までお店でしか売っていなかったものをアプリで売って新しいお客さんを増やす、みたいに“仕組みごと進化させる”イメージです。
👉 覚え方:DX=「ITで会社を生まれ変わらせる」。
ほかの選択肢:a デジタルサイネージ=駅などにある電子の看板/b デジタルディバイド=ITを使える人と使えない人の差/d デジタルネイティブ=生まれた時からスマホがある世代。
なぜこれが正解か
正解は c。デジタルトランスフォーメーション(DX)は、IoT・AI・ビッグデータなどのデジタル技術を活用して、製品・サービスやビジネスモデル、さらには業務・組織・企業文化までを変革し、新たな付加価値や競争優位を生み出すこと。単なるIT導入(デジタル化)ではなく「ビジネスの変革」を伴う点がポイント。
各選択肢の解説
- a デジタルサイネージ:ディスプレイで広告や案内を表示する電子看板。
- b デジタルディバイド:情報技術を使える人と使えない人の間に生じる格差。
- d デジタルネイティブ:幼少期からデジタル機器に親しんで育った世代。
覚え方・ひっかけ注意
「デジタル○○」の4語は頻出のひっかけ。DXだけが“ビジネスモデルの刷新・変革”を意味する。設問に「戦略的に」「新たな付加価値」とあればDXと判断する。
理論的背景
DX(デジタルトランスフォーメーション)という語は、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授エリック・ストルターマン(Erik Stolterman)が「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と定義したのが起源だ。日本では経済産業省が2018年9月に公表した「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」によって広く定着した。レポートが警鐘を鳴らした「2025年の崖」は、老朽化・ブラックボックス化したレガシーシステムを放置すると、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じると試算したもので、近年のITパスポートでも頻繁に取り上げられている。DXは単なるIT化(デジタイゼーション)やプロセスのデジタル化(デジタライゼーション)と区別され、「ビジネスモデル・組織・文化そのものの変革」を伴う第三段階として定義される。本問のキーワード「戦略的にビジネスモデルの刷新や新たな付加価値を生み出す」がこれに正確に対応する。
実務での使われ方
DXの推進組織としてCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)の設置が増えており、CIO(社内IT最適化)との役割分担——CIOが「守りのIT(既存システムの安定稼働・コスト最適化)」、CDOが「攻めのIT(新規デジタルビジネスの創出)」を担う——が実務の重要テーマだ。経済産業省は「DX認定制度」(DXに向けた戦略・体制を整備した事業者を認定)と「DX銘柄」(DX推進で優れた株主価値向上を実現した上場企業を選定)を運用しており、日本企業のDX対応度を可視化している。具体的なDXの事例としては、金融機関のネット銀行化・保険のテレマティクス保険(走行データで保険料算出)・製造業のサービタイゼーション(製品をサービスとして提供するモデル転換)等がある。
試験での位置づけ
ITパスポートのストラテジ系で最頻出語の一つで、毎年「DXとは何か」を問う問題が複数出題される。本問のように「デジタル○○」系の類似語と混合させる選択肢が定番の引っかけパターンで、デジタルサイネージ(電子看板)・デジタルディバイド(情報格差)・デジタルネイティブ(生まれながらにデジタル環境で育った世代)の各定義を区別することが必要だ。近年の出題傾向としては「2025年の崖」「DX認定」「レガシーシステムの問題(技術的負債)」「アジャイル開発とDXの関係」「生成AIとDXの接続」まで問われるようになっており、DXを取り巻くエコシステム全体の理解が求められる。
選択肢の発展補足
選択肢a(デジタルサイネージ):駅・商業施設・公共空間等に設置したデジタルディスプレイで広告・情報・案内を表示するシステム。IoTセンサーと組み合わせたインタラクティブサイネージ、AIによる属性推定に基づく動的コンテンツ配信など、DXの一ツールとして活用されることもある。「デジタル」という言葉はつくが変革(Transform)の概念は含まない。選択肢b(デジタルディバイド):「情報格差」と訳され、ITを利用できる人とできない人の間に生じる格差を指す。地域間格差(都市vs農村)、年齢間格差(高齢者)、所得間格差(低所得層)が主な発現形態で、政府・自治体のIT施策における重要な社会課題だ。選択肢d(デジタルネイティブ):生まれた時からデジタル機器(PC・スマートフォン・インターネット)が身近にあった世代を指す。社会学者マーク・プレンスキーが2001年に提唱した概念で、おおむね1990年代後半〜2000年代以降生まれが対象とされる。デジタルへの抵抗感が少なく直感的に使いこなせる特性を持つとされるが、「ネイティブだからといってすべてのデジタルスキルが高いわけではない」という批判的見解もある。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問11/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。