ITパスポート 令和5年度 問13:corporate_legalに関する問題
ある製品の今月の売上高と費用は表のとおりであった。販売単価を1,000円から800円に変更するとき,赤字にならないためには少なくとも毎月何個を販売する必要があるか。ここで,固定費及び製品1個当たりの変動費は変化しないものとする。[表] 売上高: 2,000,000円 / 販売単価: 1,000円 / 販売個数: 2,000個 / 固定費: 600,000円 / 1個当たりの変動費: 700円
- a2,400
- b2,500
- c4,800
- d6,000正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d「6,000」個 です。
「赤字にならない」=売ったお金で“かかった費用をちょうど取り返せる”個数を聞いています。
1個売ると、値段800円から作るのにかかるお金(変動費)700円を引いて、手元に 100円 残ります。この100円を少しずつためて、毎月必ずかかる固定費 600,000円 を埋めればトントン。
600,000円 ÷ 100円 = 6,000個 売ればちょうどゼロ(赤字なし)になります。
👉 覚え方:「ためる額(値段−変動費)」で「固定費」を割る!
ほかの選択肢(2,400/2,500/4,800)は計算違いの数字なので赤字のままです。
なぜこれが正解か
正解は d(6,000個)。損益分岐点の販売量を求める。
1個あたりの利益貢献(限界利益)=販売単価−変動費=800−700=100円。
赤字にならない最低販売量=固定費÷1個あたり限界利益=600,000÷100=6,000個。
計算の確認
6,000個のとき:売上=800×6,000=4,800,000円。総費用=固定費600,000+変動費(700×6,000)4,200,000=4,800,000円。売上=費用でちょうど損益分岐点(利益0)。
覚え方・ひっかけ注意
公式は「損益分岐点売上量=固定費 ÷(販売単価−1個あたり変動費)」。値下げ後の単価800円を使うのがカギで、元の1,000円で計算すると誤る。固定費と変動費は不変という条件を見落とさないこと。
理論的背景
損益分岐点(BEP:Break-Even Point)分析はCVP分析(Cost-Volume-Profit分析)の核心的手法で、「利益がゼロになる売上高または販売数量」を求める。本問は値下げ後の単価での損益分岐点数量を問う応用問題だ。基本公式は「BEP数量=固定費÷(販売単価−1個あたり変動費)」で、分母の(単価−変動費)を「限界利益(貢献利益)」と呼ぶ。本問の条件:値下げ後単価800円・変動費700円・固定費600,000円を代入すると、限界利益=800−700=100円、BEP数量=600,000÷100=6,000個となる。値下げ前(単価1,000円)の限界利益は300円でBEP=2,000個(実績数量と一致)だったのに対し、値下げ後は限界利益が3分の1に激減しBEPが3倍に跳ね上がる。これは「薄利多売の罠」を定量的に示す典型例で、経営判断において価格戦略がいかに重要かを示す問題構造だ。
実務での使われ方
BEP分析は経営管理・投資判断の基本ツールとして幅広く使われる。新製品の価格設定では「この価格では何個売れれば採算が取れるか」、コスト削減では「固定費を10%削減するとBEPがどう変わるか」、設備投資では「この機械を導入すると何年で回収できるか」という問いに答える。実務上はBEP比率(BEP売上高÷実績売上高)が経営の安全余裕の指標として使われ、この値が低いほど「少し売上が落ちても赤字にならない」経営体質を示す。コロナ禍では多くの企業がBEP比率の高さ(固定費が重く少しの売上減で赤字になる構造)が経営危機の原因となった経験から、固定費の変動費化(正規雇用→業務委託等)の経営判断が増えた。
試験での位置づけ
ITパスポートの法務・財務分野で損益分岐点計算は最重要の計算問題で、ほぼ毎年出題される。本問のように「単価変更後のBEP計算」は定番の応用問題パターンで、「変動費・固定費の定義の正確な理解」と「変更後の単価を使う」という2点の確認が正答の必要条件だ。BEP数量のほかに、BEP売上高(=固定費÷限界利益率、ここでは600,000÷(100/800)=4,800,000円)の計算も頻出で、問われ方に応じて使い分けられる能力が必要だ。基本情報技術者でもCVP分析の応用(目標利益を達成するための必要販売量・必要単価の計算)が出題されることがあり、BEP分析の基本公式を汎用的に使えるようにしておく価値がある。
選択肢の発展補足
選択肢a(2,400個):値下げ前の単価1,000円を誤って使った場合の計算だ。もし単価1,000円で計算すると1,000−700=300円の限界利益となり、600,000÷300=2,000個。しかし問いは値下げ後(800円)での計算なので1,000円は使えない。2,400という数字は何らかの誤った計算の産物だ。選択肢b(2,500個):変動費率などを誤って計算した場合に現れる数字で、正しい計算からは得られない。いずれにせよBEP数量未満での販売は赤字を意味し、条件の「赤字にならない」を満たさない。選択肢c(4,800個):BEP売上高の4,800,000円と数字が一部一致するため混同しやすい。4,800個での確認:売上=800×4,800=3,840,000円、費用=600,000+(700×4,800)=600,000+3,360,000=3,960,000円、利益=3,840,000−3,960,000=−120,000円(赤字)。4,800個では赤字が残ることを計算で確認することで選択肢cを確実に排除できる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問13/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。