令和7年度11ストラテジ系

ITパスポート 令和7年度 問11:business_strategyに関する問題

スマートファクトリーにおいても使用されている,FMS (Flexible Manufacturing System) に関する記述として,最も適切なものはどれか。

  • a技術革新を効果的に自社の経営に取り入れることによって,企業の成長を図る。
  • b生産工程の各段階で,原材料から完成製品までの資材の流れを適時・適量に管理する。
  • c生産時に必要となる部品などを必要な分だけ供給することによって,生産リードタイムを短縮する。
  • d複数の工作機械や産業用ロボットなどを有機的に結合し,生産プロセス全体を統括的に制御・管理する。正答
正答:D複数の工作機械や産業用ロボットなどを有機的に結合し,生産プロセス全体を統括的に制御・管理する。

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答えは d です。

FMS(フレキシブル生産システム)は、たくさんの機械やロボットをつなげて1つにまとめ、コンピュータでまとめて動かす工場の仕組みです。複数種類の製品を、機械を組み替えなくても柔軟に作れるのが特徴。だから“フレキシブル(柔軟)”という名前なんです。

👉 覚え方:FMS=機械&ロボットを“合体”させて柔軟に生産。

ほかの選択肢:a 新技術を経営に取り入れて成長=MOT/b 資材の流れを適量に管理=生産管理(MRP系)/c 必要な分だけ供給して時間短縮=ジャストインタイム。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。FMS(Flexible Manufacturing System=フレキシブル生産システム)は、複数の工作機械や産業用ロボット、搬送装置などを有機的に結合し、コンピュータで生産プロセス全体を統括的に制御・管理する生産システム。多品種少量生産に柔軟に対応できるのが最大の特徴で、スマートファクトリーの基盤技術の一つ。

各選択肢の解説

  • a:技術革新を経営に取り入れて成長を図る → MOT(技術経営)の説明。
  • b:原材料から完成品まで資材の流れを適時・適量に管理する → 生産管理/MRP等の説明。
  • c:必要な部品を必要な分だけ供給しリードタイムを短縮 → ジャストインタイム(JIT)方式の説明。

覚え方・ひっかけ注意

「Flexible=柔軟=多品種に対応するため機械を統合制御」と結びつける。cのJIT(必要な分だけ)やbの資材管理は“供給・在庫の話”であり、FMSの“機械の統合制御”とは観点が違う点に注意。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

FMSの技術的構成要素

FMS(Flexible Manufacturing System:フレキシブル生産システム)は、複数の要素が有機的に結合したシステムとして実装される。主要な構成要素は次の通りである。(1)CNC工作機械(数値制御機械):加工プログラム(NCプログラム)の切り替えで異なる加工形状に対応する。(2)産業用ロボット:溶接・組立・搬送・検査など工程に応じて配置される多関節ロボット。(3)AGV(無人搬送車)または自動搬送システム:工程間の部品・半製品の搬送を自動化。(4)自動立体倉庫(AS/RS):部品・製品の入出庫を自動管理。(5)MES(製造実行システム)/ 中央制御コンピュータ:これら全体をリアルタイムで制御・スケジューリング・監視する上位システム。FMSの本質は「多品種への柔軟な切り替え対応力」と「自動化による省人化・リードタイム短縮」の両立にある。

関連概念の体系的整理

生産システムに関する用語は階層と目的で整理すると混同しにくい。

  • FA(Factory Automation):工場の各工程をNC機械・ロボット等で自動化する概念全体。FMSはFAの中核実装手法のひとつ。
  • CIM(Computer Integrated Manufacturing):FA・生産管理・設計(CAD/CAM)・販売情報まで含む、工場全体の情報統合。FMSより上位の概念。
  • MRP(材料所要量計画):需要計画に基づき、部品の調達・製造スケジュールを算出するシステム。資材管理が主目的で、選択肢bが指すもの。
  • JIT(ジャストインタイム)・かんばん方式:必要なものを、必要な時に、必要な量だけ製造・供給するトヨタ生産方式の核心。選択肢cが指すもの。
  • MOT(技術経営):技術革新を経営戦略に結びつけるマネジメント手法。選択肢aが指すもの。

スマートファクトリーとの関係

スマートファクトリーはFMSをIoT・AI・ビッグデータ・デジタルツインでさらに高度化した次世代工場の概念である。従来のFMSが「制御された自動化」であるのに対し、スマートファクトリーは機械が自ら稼働データを収集・分析し、予知保全・自律最適化を行う点で質的に異なる。ドイツが主導するインダストリー4.0(第四次産業革命)の文脈でFMSの発展形として位置づけられる。日本の製造業ではCPS(サイバーフィジカルシステム)として工場のリアル空間とデジタル空間を融合させる取り組みが進んでいる。

試験での位置づけと出題パターン

ストラテジ系「ビジネスインダストリ・エンジニアリングシステム」の定番問題。FMS・CAD/CAM・CIM・MRP・JIT・かんばん方式はセットで出題されやすく、それぞれの「何を管理・制御するか」の守備範囲の違いが問われる。FMSの定義キーワードは「複数の機械・ロボットを有機的結合」「統括的に制御」「多品種少量生産」の三点。選択肢の中に「ジャストインタイム」「資材管理」「技術経営」が並んだとき、これらをFMSと混同させる引っかけが頻出のため要注意。

選択肢の発展補足

近年はFMSにAIが組み合わさり、需要変動や設備故障予測に基づいてリアルタイムで生産計画を自律調整する「自律型FMS」も実用化が進んでいる。また「マスカスタマイゼーション(大量生産の効率性と個別受注生産のカスタマイズ性を両立する製造戦略)」の実現手段としてFMSが再評価されており、基本情報技術者・応用情報技術者ではスマートファクトリーと組み合わせた実践的問題が出題される傾向がある。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度11/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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