ITパスポート 令和8年度 問12:system_strategyに関する問題
A社は、自社の業務プロセスの課題を抽出し、見直しをするために流れ図を用いて業務プロセスを可視化することにした。A社が流れ図の作成において利用する記述様式として、最も適切なものはどれか。
- aCRUD図
- bDMM (Diamond Mandala Matrix)
- cE-R図
- dWFA (Work Flow Architecture)正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d「WFA」 です。
「業務プロセスを流れ図にする」=仕事の手順を“矢印でつないだ地図”にすることです。料理のレシピを「材料を切る→炒める→盛り付ける」と順番に書くのと同じで、仕事も「受付→確認→入力→発送」のように流れで見える化します。この“仕事の流れの絵”を描く方式がWFA(ワークフロー図)です。
👉 覚え方:「Work Flow(仕事の流れ)」のWFA=仕事の手順を矢印でつなぐ図。
ほかの選択肢:a CRUD図=データを「作る・読む・直す・消す」の対応表/b DMM=マスの中にアイデアを書き出す発想シート/c E-R図=データ同士のつながりを表す図(住所と人を線で結ぶような)。
なぜこれが正解か
正解は d。WFA(Work Flow Architecture)は、業務の手順や処理の流れを矢印でつないで時系列に可視化する記述様式。誰が・何を・どの順で行うかが一目で分かり、業務プロセスの課題抽出や見直しに適している。
各選択肢の解説
- a CRUD図:データに対するCreate・Read・Update・Deleteの操作を機能とデータの対応表で示す。データ操作の整理用で、流れの可視化ではない。
- b DMM(Diamond Mandala Matrix):3×3のマスにテーマと関連アイデアを書き出す発想支援ツール。
- c E-R図:実体(エンティティ)と関連(リレーション)でデータ構造を表す。データベース設計用。
覚え方・ひっかけ注意
「流れ=Flow」と問われたらWFA。E-R図やCRUD図は“データの構造・操作”を表すもので、業務の時間的な流れは表現しない。「流れ図=ワークフロー」と直結させる。
理論的背景
WFA(Work Flow Architecture)は業務プロセスを矢印付き流れ図(フローチャート形式)で可視化するビジネスアナリシス手法の記述様式である。流れ図(Workflow Diagram)はISO 5807(情報処理フローチャート記号)を基準として標準化されており、開始/終了(楕円)・処理(長方形)・判断(ひし形)・書類(書類形の記号)などの記号セットで業務フローを表現する。日本でも「業務流れ図」「業務フロー図」として広く利用され、特に業務改善(BPM/BPR)プロジェクトのAs-Is(現状)分析・To-Be(将来像)設計フェーズで標準ドキュメントとして採用される。本問の問いかけは「業務プロセスの流れを可視化する記述様式」であり、この定義にWFAが最も適合する。
実務での使われ方
業務フロー図の作成はBPMN(Business Process Model and Notation)という国際標準に発展している。BPMN 2.0(OMG規格)はプールとレーン(部門・役割を表す水平/垂直区画)・イベント・アクティビティ・ゲートウェイ(分岐)・シーケンスフローで構成される高度な記法で、BPMツール(Camunda・IBM BPM・Appianなど)がBPMN 2.0を直接実行可能なエンジンとして解釈できる(モデルからシステムの自動生成)。実務での業務可視化ツールとしてはLucidchart・draw.io・Miro・Visioが広く利用され、チームが共同編集できるクラウドベースのツールが主流となっている。DX推進プロジェクトでは「業務フロー図→自動化対象の特定→RPA・AI実装」という流れが標準的なアプローチとなっている。
試験での位置づけ
業務分析ツールの分類はITパスポートのストラテジ系・情報システム戦略カテゴリで出題される。本問の各選択肢はそれぞれ重要なモデリング手法を示している。aのCRUD図(Create/Read/Update/Delete)はエンティティと機能の関係を示すマトリクスで、データ設計・機能設計の整合性確認に使用。cのE-R図(Entity-Relationship Diagram)はデータベース設計における実体(Entity)と関係(Relationship)を表すデータモデリング手法でDB設計の基本ツール。bのDMM(Diamond Mandala Matrix)はマンダラチャート(9マス×9マス)を使った目標展開・アイデア整理ツールで大谷翔平選手の活用でも知られる。業務プロセスの「流れ」を表すにはE-R図やCRUDはデータ中心で不適切であり、WFAが正解となる。
選択肢の発展補足
選択肢aのCRUD図はシステム開発におけるデータ操作分析ツール。各エンティティ(顧客・受注・商品等)に対してどの機能(処理)がCreate/Read/Update/Deleteのどの操作を行うかをマトリクスで示す。アクセス権限設計・データ整合性チェックにも活用される。選択肢bのDMMはビジネス戦略・個人開発計画での目標分解に適しており、業務プロセスの流れを表す用途には不向き。選択肢cのE-R図はPeter Chen(チェン)が1976年に提案したデータモデリング手法で、RDBMS(リレーショナルデータベース)の設計の基盤となる。テーブル設計・主キー・外部キー・正規化の前段として必ず描かれる。業務改善プロジェクトでは「業務フロー図(プロセス視点)」「E-R図(データ視点)」「CRUD図(プロセス×データの関係視点)」の三つを組み合わせることで包括的なシステム設計が可能になる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問12/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。