危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問62:特殊引火物(4種総合)
特殊引火物(ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレン)の性状比較に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア二硫化炭素は特殊引火物の中で発火点が最も低く、約90℃である。
- イジエチルエーテルの引火点は約−45℃で特殊引火物の中で最も低い。
- ウアセトアルデヒドと酸化プロピレンはいずれも水溶性で、火災には耐アルコール泡を用いる。
- エ二硫化炭素は水に溶けにくい(非水溶性)が、アセトアルデヒドは水に溶けやすい(水溶性)。
- オ特殊引火物4種はいずれも液比重が1未満(水より軽い)で、水に浮く。正答
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誤りはオです。二硫化炭素の液比重は約1.26〜1.3で水より重く(水に沈む)、4種すべてが水より軽いわけではありません。
- ア(正): 二硫化炭素の発火点約90℃が第4類・特殊引火物の中で最低。
- イ(正): ジエチルエーテルの引火点−45℃が特殊引火物で最低。
- ウ(正): アセトアルデヒド・酸化プロピレンは水溶性。耐アルコール泡が必要。
- エ(正): 二硫化炭素は非水溶性・アセトアルデヒドは水溶性。正しい対比。
- オ(誤): 二硫化炭素の液比重は>1(水より重い)。他の3種は<1。全種が水より軽いは誤り。
「二硫化炭素だけ液比重>1(水より重い)が例外」を押さえます。
特殊引火物4種の性状比較:
| 物質 | 引火点 | 発火点 | 液比重 | 水溶性 |
|---|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | −45℃ | 約160℃ | 0.71 | わずかに溶ける |
| 二硫化炭素 | −30℃ | 約90℃ | 1.26〜1.3 | 非水溶性 |
| アセトアルデヒド | 約−39℃ | 約175℃ | 0.78 | 水溶性 |
| 酸化プロピレン | 約−37℃ | 約465℃ | 0.83 | 水溶性 |
- ア(正): 二硫化炭素の発火点90℃は特殊引火物(かつ第4類全体)の中で最低。正しい。
- イ(正): ジエチルエーテルの引火点−45℃は特殊引火物の中で最低(アセトアルデヒドの−39℃・酸化プロピレンの−37℃より低い)。正しい。
- ウ(正): アセトアルデヒド・酸化プロピレンは水溶性。通常の泡は溶けて消えるため耐アルコール泡が必要。正しい。
- エ(正): 二硫化炭素は非水溶性(水中保存の理由の一つ)。アセトアルデヒドは水溶性(水中保存はしない)。正しい対比。
- オ(誤): 二硫化炭素の液比重は約1.26〜1.3(水より重い)。他の3種(ジエチルエーテル0.71・アセトアルデヒド0.78・酸化プロピレン0.83)は液比重<1(水より軽い)。「4種すべてが水より軽い」は誤り。
引っかけパターン: 二硫化炭素の液比重を<1とする(オ)、発火点の最低物質を混同する(最低は二硫化炭素の90℃)、水溶性の区別を逆にする。表で比較して各物質の異なる特性を把握する。
【理論的背景】
特殊引火物4種はいずれも指定数量50Lで第4類最大の危険性を持ちますが、各物質の性状は大きく異なります。「引火点が最も低い物質はどれか」「発火点が最も低い物質はどれか」「液比重>1はどれか」「非水溶性はどれか」という比較問題は性質科目の典型的な出題パターンです。4種を性状表として整理することが合格の近道です。
【4種の詳細性状整理】
- ジエチルエーテル((C₂H₅)₂O):
- 引火点: −45℃(4種の中で最低)
- 発火点: 約160℃
- 液比重: 0.71(水より軽い)
- 蒸気比重: 2.55(空気より重い→低所滞留)
- 水溶性: わずかに溶ける(半溶性・消火は耐アルコール泡vs通常泡が試験により異なる場合あり)
- 特記: 光・空気で過酸化物生成→密閉遮光保存
- 二硫化炭素(CS₂):
- 引火点: −30℃
- 発火点: 約90℃(4種・全第4類で最低)
- 液比重: 1.26〜1.3(水より重い=4種中唯一)
- 蒸気比重: 2.6(空気より重い→低所滞留)
- 水溶性: 非水溶性(だから水中保存が成立)
- 特記: 水中保存(蒸気発生抑制)
- アセトアルデヒド(CH₃CHO):
- 引火点: 約−39℃
- 発火点: 約175℃
- 液比重: 0.78(水より軽い)
- 水溶性: 水溶性(耐アルコール泡)
- 特記: 銅・銀等と反応→専用容器。重合・酸化しやすい→不活性ガス封入
- 酸化プロピレン(CH₃CHOCH₂):
- 引火点: 約−37℃
- 発火点: 約465℃
- 液比重: 0.83(水より軽い)
- 水溶性: 水溶性(耐アルコール泡)
- 特記: 重合しやすい(発熱)→安定剤・冷却保管
【比較のポイントまとめ】
- 引火点最低: ジエチルエーテル(−45℃)
- 発火点最低: 二硫化炭素(約90℃)
- 液比重>1(水より重い): 二硫化炭素のみ(他の3種は<1)
- 非水溶性: 二硫化炭素のみ(他の3種は水溶性またはわずかに溶ける)
- 水中保存: 二硫化炭素のみ
【試験での位置づけ】
特殊引火物4種の総合比較は頻出(頻出度A)です。核心は、(1)二硫化炭素だけが液比重>1(水より重い)、(2)二硫化炭素だけが非水溶性で水中保存、(3)引火点の最低はジエチルエーテル(−45℃)・発火点の最低は二硫化炭素(90℃)、(4)アセトアルデヒド・酸化プロピレンは水溶性・耐アルコール泡です。引っかけは本問のオのように「4種すべてが水より軽い」とする誤り(二硫化炭素は例外的に重い)、引火点と発火点の最低物質を混同する誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 二硫化炭素の発火点90℃は第4類全体で最低(特殊引火物中でも最低)。
- イ(正): ジエチルエーテルの引火点−45℃は特殊引火物中で最低(全第4類でも最低レベル)。
- ウ(正): アセトアルデヒド・酸化プロピレンは水溶性→耐アルコール泡必要。
- エ(正): 二硫化炭素=非水溶性、アセトアルデヒド=水溶性。正確な対比。
- オ(誤): 二硫化炭素の液比重は1.26〜1.3(水より重い)。4種すべて軽いは誤り。
【根拠】確立した教科書値・設計書§1-2。
【補足】特殊引火物4種:ジエチルエーテル(引火点−45℃・発火点160℃・液比重0.71)、二硫化炭素(引火点−30℃・発火点90℃最低・液比重1.26〜1.3・非水溶性・水中保存)、アセトアルデヒド(引火点−39℃・水溶性)、酸化プロピレン(引火点−37℃・水溶性)。二硫化炭素だけ液比重>1。【監修確定 2026-06-03】
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 二硫化炭素のみ液比重>1(1.26〜1.3)で他3種<1=オが誤り。発火点最低=二硫化炭素90℃・引火点最低=ジエチルエーテル−45℃(§1-2)一致。アセトアルデヒド/酸化プロピレン=水溶性も正。正答オ一意。OK -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-2。二硫化炭素の液比重は**1.26〜1.3(水より重い)**。ジエチルエーテル0.71・アセトアルデヒド0.78・酸化プロピレン0.83(いずれも<1)。二硫化炭素が例外。他の3種は液比重<1。【監修確定 2026-06-03】 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。