危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問75:個別品名(第二石油類・水溶性)
酢酸(氷酢酸)の性状に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア酢酸は第二石油類の水溶性液体に分類され、引火点は約39℃である。
- イ酢酸の液比重は約1.05で、第4類の液体としては珍しく水より重い。
- ウ酢酸は水によく溶けるため、火災の消火には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を用いるのが適切である。
- エ酢酸は不燃性の液体であり、加熱しても引火の危険はない。正答
- オ酢酸(氷酢酸)は純粋に近い状態では17℃以下で固体(氷状)になる。
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誤りはエです。酢酸は第4類危険物(引火性液体)であり、加熱すると引火の危険があります。「不燃性」は誤りです。
- ア(正): 第二石油類・水溶性。引火点約39℃。
- イ(正): 液比重1.05(水より重い)。第4類で珍しい例外。
- ウ(正): 水溶性なので耐アルコール泡が適切。
- エ(誤): 酢酸は可燃性(引火性液体)。引火点39℃以上に加熱すると引火する。
- オ(正): 凝固点約17℃で氷状になる(氷酢酸の由来)。
「酢酸=第二石油類・水溶性・引火点39℃・液比重>1・耐アルコール泡」を押さえます。
酢酸(CH₃COOH・氷酢酸)の性状:
酢酸は食酢(酢)の主成分(約5%水溶液)ですが、純粋に近い状態(高濃度)は「氷酢酸」と呼ばれ危険物に該当します。
- ア(正): 第二石油類・水溶性(指定数量2,000L)。引火点約39℃は21℃以上70℃未満→第二石油類の区分を満たす。確定値。
- イ(正): 液比重は約1.05。第4類の大多数は液比重<1(水より軽い)ですが、酢酸は水溶性でありながら液比重>1という珍しい例外です(二硫化炭素の1.26〜1.3と並ぶ液比重>1の例)。正しい。
- ウ(正): 酢酸は水と任意の割合で混ざる水溶性。通常の泡(水ベース)は溶けて消泡するため、耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)を使う。正しい。
- エ(誤): 酢酸は危険物(第4類・引火性液体)であり可燃性です。引火点39℃以上に加熱すれば引火し得ます。「不燃性・引火の危険なし」は誤り。食酢(5%水溶液)は引火しませんが、高濃度の氷酢酸は第4類に分類される引火性液体です。
- オ(正): 酢酸の凝固点(融点)は約16〜17℃。純粋な酢酸は室温(17℃以下)で凝固して氷状になることから「氷酢酸」と呼ばれます。正しい。
引っかけパターント: 食酢のイメージから「酢酸=不燃性」とする(エ)、液比重<1とする(イ)。「酢酸=可燃性・液比重>1・水溶性・耐アルコール泡」が核心。
【理論的背景】
酢酸(CH₃COOH・分子量60・酢酸)は、食用の酢の成分として知られますが、高濃度の氷酢酸は引火性を持つ第4類危険物(第二石油類・水溶性)です。試験で注目される点は(1)液比重が1.05と水より重い(第4類の水溶性液体として例外的)、(2)水溶性で引火点が39℃と比較的高め、(3)消火には耐アルコール泡が必要、の3点です。食酢のイメージから「燃えない・無害」と思い込むのが典型的な誤りです。
【酢酸の詳細性状】
- 区分: 第二石油類・水溶性(指定数量2,000L)
- 引火点: 約39℃(確定値。夏場や加熱で超える)
- 発火点: 約463℃
- 液比重: 1.05(水より重い・第4類の水溶性液体で珍しい例外)
- 蒸気比重: 60÷29≒2.07(空気より重い)
- 燃焼範囲: 約4〜19.9 vol%
- 水溶性: 水に任意の割合で混ざる(完全水溶性)
- 凝固点: 約16〜17℃(氷酢酸の由来)
- 外観: 無色・刺激臭
【液比重>1の意味と実務的意義】
第4類の多くは液比重<1(水より軽い)ですが、酢酸は液比重1.05で水より重いです。ただし、二硫化炭素(液比重1.26〜1.3)と異なる点は以下の通りです。
- 二硫化炭素: 非水溶性・液比重>1→水底に沈む→水中保存が可能
- 酢酸: 水溶性・液比重>1→水に溶ける(水底に固まらない)→水中保存は意味がない
酢酸の液比重>1は「水より重い水溶性液体」という珍しい組み合わせです。二硫化炭素の「水より重い非水溶性」とは全く異なる性質です。
【食酢と氷酢酸の区別】
- 食酢(食用酢): 酢酸約5%の水溶液。この濃度では引火性はなく危険物に非該当。
- 氷酢酸(高濃度酢酸・99%以上): 引火性あり・第4類危険物(第二石油類・水溶性)に該当。凝固点17℃前後で固化(氷状)。
試験では「酢酸(氷酢酸)は危険物か?」という形で、食酢のイメージとの混同を問う問題が出ることがあります。危険物に該当するのは高濃度(指定数量の計算に含まれる)の方です。
【試験での位置づけ】
酢酸の出題核心は(1)第二石油類・水溶性(指定数量2,000L)、(2)引火点約39℃(可燃性・不燃性ではない)、(3)液比重1.05(水より重い)(第4類の水溶性液体として例外)、(4)水溶性→耐アルコール泡が必要、(5)凝固点約17℃(氷酢酸の語源)です。引っかけは不燃性とする(本問エ)、液比重<1とする、通常泡が適合するとする誤りです。「酢酸=可燃性・液比重>1・水溶性・耐アルコール泡」を二硫化炭素(非水溶性・液比重>1)との対比で整理します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 第二石油類・水溶性・引火点約39℃(21〜70℃→第二石油類)。確定値。
- イ(正): 液比重1.05(水より重い)。第4類の水溶性液体で珍しい例外(二硫化炭素は非水溶性で液比重>1)。
- ウ(正): 水溶性→通常泡は消泡→耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が適切。
- エ(誤): 酢酸は第4類危険物(引火性液体)で可燃性。食酢(低濃度)のイメージで「不燃性」と誤解しやすい。
- オ(正): 凝固点約16〜17℃で固化。氷酢酸の名称の由来。正しい。
【根拠】確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S2)。
【補足】酢酸(氷酢酸):第二石油類・水溶性2,000L・引火点約39℃・液比重1.05(水より重い)・蒸気比重約2.07・燃焼範囲4〜19.9 vol%・発火点約463℃・耐アルコール泡必要・凝固点約17℃。【監修確定 2026-06-03(設計書§1-2)】
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 設計書§1-2確定値(既知物質)と一致。酢酸引火点39℃・液比重1.05(水溶性で>1の例外)・蒸気比重60/29≒2.07・第二石油類水溶性2,000L・凝固点約17℃(氷酢酸の由来)すべて確定。正答エ一意(酢酸は第4類可燃性ゆえ「不燃性・引火危険なし」は誤。他4肢は正記述)。物性是正なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S2)。酢酸(CH₃COOH・分子量60)は第二石油類・水溶性(指定数量2,000L)。引火点**39℃**(確定値)。液比重**1.05**(水より重い・第4類の水溶性で珍しい例外)。蒸気比重60÷29≒2.07(空気より重い)。燃焼範囲約4〜19.9 vol%。**可燃性**(引火性液体として第4類に分類)。凝固点約17℃(氷酢酸の語源)。消火は耐アルコール泡(水溶性)が適切。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。