関係法令(有害業務)25第一種安衛法第14条・安衛令第6条(作業主任者の選任業務)

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問25:安衛法第14条・安衛令第6条(作業主任者の選任業務)

次の作業のうち、作業主任者の選任が必要なものはどれか。

  • 建設業の事業場で、高さ5メートル以上のコンクリート造工作物の解体作業正答
  • アーク溶接(電気溶接)による金属の溶接作業
  • 常時50人以上の事業場における定期健康診断の実施業務
  • 一般粉じん作業(石炭の荷卸し・貯炭場での作業等)
  • 最大荷重1トン以上のフォークリフトによる荷役運搬作業
正答:建設業の事業場で、高さ5メートル以上のコンクリート造工作物の解体作業

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作業主任者の選任が必要なのはアです。高さ5メートル以上のコンクリート造工作物の解体・破壊の作業は、安衛令第6条第15号の4に掲げる作業であり、「コンクリート造工作物の解体等作業主任者」の選任が義務付けられています(コンクリート造工作物の解体等作業主任者技能講習修了者から選任)。

各誤りの要点: イ→アーク溶接は特別教育は必要ですが、作業主任者の選任義務はありません。ウ→健康診断の実施は管理業務であり、作業主任者の選任義務はありません。エ→一般粉じん作業(粉じん則の特定粉じん作業ではないもの)には作業主任者の選任義務はありません(粉じん則には作業主任者制度がない)。オ→フォークリフト(最大荷重1t以上)の運転は運転技能講習修了が必要な「就業制限業務」ですが、作業主任者の選任義務はありません。

標準試験対策の基準レベル

作業主任者の選任が必要な主な業務(安衛令第6条の典型例):

| 業務区分 | 作業主任者の種類 | 取得要件 |

|---|---|---|

| 有機溶剤(第1・2種)を製造・取り扱う業務 | 有機溶剤作業主任者 | 技能講習修了 |

| 特化則第1・2類物質を取り扱う業務 | 特定化学物質作業主任者 | 技能講習修了 |

| 石綿等を取り扱う業務・解体等 | 石綿作業主任者 | 技能講習修了 |

| 鉛業務 | 鉛作業主任者 | 技能講習修了 |

| 酸素欠乏危険作業 | 酸欠危険作業主任者(第1種・第2種) | 技能講習修了 |

| 高さ5m以上のコンクリート造工作物解体 | コンクリート造工作物解体等作業主任者 | 技能講習修了 |

| 乾燥設備(熱源が固体燃料等) | 乾燥設備作業主任者 | 技能講習修了 |

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(作業主任者必要): 安衛令第6条第15号の4の通り、高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体・破壊の作業には、コンクリート造工作物の解体等作業主任者の選任が義務付けられています。
  • イ(作業主任者不要): アーク溶接は特別教育の対象業務(安衛則第36条第8号)ですが、作業主任者の選任義務はありません(安衛令第6条に掲げられていない)。
  • ウ(作業主任者不要): 健康診断の実施は管理業務であり、作業主任者制度の対象ではありません。
  • エ(作業主任者不要): 粉じん則には作業主任者制度がなく、一般粉じん作業に作業主任者の選任義務はありません。
  • オ(作業主任者不要): フォークリフト(最大荷重1t以上)の運転は「フォークリフト運転技能講習」修了が必要な就業制限業務ですが、作業主任者の選任義務はありません(安衛令第6条に掲げられていない)。したがって本問で作業主任者の選任が必要なのはアのみであり、正答はアです。
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

作業主任者制度(安衛法第14条)は、危険・有害な作業を行う際に、その作業を直接指揮・管理するための専門的知識を有する者(技能講習修了者)を事業者が選任することを義務付けた制度です。作業主任者は「資格」ではなく「役職」であり、技能講習を修了した者の中から事業者が特定の作業についての責任者として「選任」します。

作業主任者制度と特別教育・就業制限の違い(再整理):

  • 作業主任者: 当該作業の指揮監督を担う「管理的役割」。技能講習修了者から事業者が選任。
  • 特別教育: 当該業務に就く労働者全員が受ける「安全衛生教育」。事業者が実施。
  • 就業制限(技能講習・免許): 特定の業務に就くための「個人資格」。試験機関・登録機関での取得。

これらは目的が異なり、重複して義務が生じる業務もあります(例: 有機溶剤業務では「作業主任者の選任義務」と「労働者への特別教育義務」の両方がある)。

安衛令第6条の作業主任者が必要な業務の分類(主なカテゴリー):

1. 危険物・有害化学物質: 有機溶剤・特化則・鉛・石綿・酸欠等

2. 電気・機械設備: 発破作業・ボイラー等

3. 高所・構造物: コンクリート造工作物解体・掘削(一定以上の深さ)・土砂崩壊のおそれのある地山掘削等

4. 熱・圧力: 乾燥設備・圧力容器取扱い等

【実務・条文構造】

コンクリート造工作物の解体等作業主任者(安衛令第6条第15号の4):

  • 選任が必要な作業: 高さ5メートル以上のコンクリート造工作物の解体・破壊の作業
  • 選任要件: コンクリート造工作物の解体等作業主任者技能講習の修了者
  • 作業主任者の主な職務: 作業方法・手順の決定・指揮、安全装置・保護具の確認、作業開始前の点検

解体工事での関連規制:

  • 解体・除去前の石綿含有建材の事前調査(石綿則・大気汚染防止法)
  • 高所作業での墜落防止(フルハーネス型墜落制止用器具の使用等)
  • 解体廃棄物の分別・適正処理(廃棄物処理法)

作業主任者と特別教育が重複して必要な業務の例:

  • 有機溶剤業務: 作業主任者選任(有機溶剤作業主任者)+労働者への特別教育は別途不要(有機則では特別教育の規定はなく、健康診断・作業環境測定が義務)
  • 酸欠危険作業: 作業主任者選任(酸欠作業主任者)+労働者への特別教育(酸欠則第12条)の両方が必要
  • 石綿解体作業: 作業主任者選任(石綿作業主任者)+労働者への特別教育(石綿則第27条)の両方が必要

作業主任者の選任義務がない業務(試験頻出の「ない」例):

  • アーク溶接作業(特別教育は必要)
  • 一般粉じん作業(粉じん則に作業主任者制度なし)
  • フォークリフト操作(就業制限業務だが作業主任者不要)
  • 高所作業(フルハーネス型特別教育は必要)

【試験での位置づけ】

作業主任者問題の頻出は「必要な業務と不要な業務の区別」「必要な場合の作業主任者の種類(技能講習名)と選任要件」「粉じん則には作業主任者がない」「アーク溶接は特別教育のみ(作業主任者不要)」の4点です。本問アの「コンクリート造工作物の解体」は「5m以上」という数値要件とともに確実に覚えてください。高さ5m未満の解体作業は対象外です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: コンクリート造工作物の解体等作業主任者技能講習では「解体計画の立て方・危険性・コンクリートの特性・解体工法(爆破・機械・手解体等)・飛散防止・粉じん対策・落下物の防護」等が教育内容となります。近年は建物の老朽化・建て替えが増加しており、解体工事での墜落・飛来落下・粉じん等の災害防止が重要な課題となっています。
  • イ: アーク溶接での特別教育(安衛則第36条第8号)は「アーク溶接の自動溶接機の操作」が対象です。手動のアーク溶接(手棒溶接)は特別教育の対象から外れる場合もあります(法令の改正状況による)。ただし溶接作業での有害物(溶接ヒューム・金属酸化物・紫外線・青酸ガス等)への対策は、特別教育や作業環境管理として別途必要です。
  • ウ: 定期健康診断は衛生管理の中心的業務ですが、その実施自体に「作業主任者」は設置されません。産業医・保健師・衛生管理者等が協力して実施する組織的活動として位置づけられています。
  • エ: 粉じん作業(じん肺リスク業務)での安全管理は、作業主任者制度ではなく「作業環境測定・設備管理・保護具着用・じん肺健康診断」の組み合わせで行います。粉じん作業主任者という資格・役職は存在しません。
  • オ: フォークリフト(最大荷重1t以上)の運転は、安衛令第20条の「就業制限業務」であり運転技能講習修了が必要ですが、作業主任者を選任する業務(安衛令第6条)には含まれません。就業制限業務(個人が業務に就くための資格)と作業主任者の選任業務(作業の指揮監督者を置く義務)は別の制度であり、両者を混同しないことが重要です。フォークリフトの運転は前者には該当しますが後者には該当しないため、作業主任者の選任は不要です。

【根拠法令】安衛法第14条(作業主任者の選任義務)・安衛令第6条(作業主任者の選任が必要な業務一覧)・同条第15号の4(コンクリート造工作物の解体等:高さ5m以上・コンクリート造工作物の解体等作業主任者技能講習修了者から選任)

【補足】高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体作業には作業主任者の選任が必要(技能講習修了者から)。アーク溶接・一般粉じん作業・健康診断実施業務には作業主任者の選任義務はない。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 安衛法第14条・安衛令第6条各号(作業主任者の選任が必要な業務の列挙)、コンクリート造工作物の解体等作業主任者の選任義務(安衛令第6条第15号の4)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

作業主任者の選任が必要な業務の網羅的整理頻出度A

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1
特定化学物質障害予防規則(特化則)
2
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酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)
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電離放射線障害防止規則(電離則)
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粉じん障害防止規則(粉じん則)
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健康管理手帳・就業制限

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